『カラフル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「カラフル」
色は、この世界そのものを表しています。
白いキャンバスが世界で、様々な色は人です。
色は皆好き勝手にキャンバスの中を駆け回ります。
やがて、キャンバスは真っ黒くなり、最後は全部消されて真っ白に戻ります。
ちょっと怖い話ですが、人の歴史はこんなものです。
でも、やっぱり人は色を出したいんです。
自分の色を。
最後は真っ黒くなってしまうのだとしても、自分の色を刻みたいんです。
だから、「カラフル」は綺麗なんです。
雨は嫌いです。
なぜ? と問うと押し潰されるような気がするからです。と彼は答えた。
太陽が灰色の雲に遮られ、雨音が人の声をかき消してしまう。視界も不明瞭になり、まとわりつく湿気が髪をうねらせ、体力を奪う。
何もかもが嫌いです。そう言って、わずかに唇を尖らせた彼の横顔を小さく笑って見つめる。
普段は滅多に不平不満など言わない彼が、こと雨に関してはまるで子供のように理不尽な文句を言い募る。彼の金髪が確かにいつもよりうねっているのを見つけて、私は思わず噴き出しそうになるのを堪えた。
歩きながら、彼は尚も自分がいかに雨で迷惑を被っているかをまくし立てている。
どうやらこのところの仕事のトラブルなどを全て雨のせいにして、怒りを発散したいらしい。
大股で歩く彼の足元は、跳ねた水で靴もスラックスも濡れてしまっている。
角を曲がり、駅ビルが見えたところで思い付いた。
「ちょっと寄り道しよう」
「は?」
いつもならまっすぐホームに向かうのを、商業施設が入る方のエレベーターに飛び込んで最上階のボタンを押す。疑問符を張り付けた彼の手を取って、展望室に向かった。
「雨の日は下を向いた方がいいと思うよ」
「水たまりしか無いのに?」
「あぁ、えっと、高いところから下を見よう、って意味だ」
一面ガラス張りの展望室は天気のせいか人もまばらで。窓ガラスには雨粒が細かな模様を描いている。
「ほら」
その窓の向こう。
眼下に広がる歩道には、色鮮やかな傘の花。
赤、黄、白、ピンク、水色、緑、青に黒。
花柄、ドット、名画のプリントにキャラクター。
色とりどりの傘がアスファルトの道路一面を鮮やかに彩っている。ビビットカラーの傘は雨模様の重苦しさなど感じさせない。
「――」
無言で見つめる彼の青い目にも、輝きが戻っている。
「貴方に免じて、好きになる努力をしてみます」
うねる前髪に指を絡ませながら、彼が言う。
「じゃあまずは、傘を新調しよう」
「·····そうですね」
二人で差してきた黒い傘から、床に落ちた水滴が小さな円を描いていた。
END
「カラフル」
私が見ている世界は
あなたがみている世界と同じだろうか
葉の色も空の色も花の色も土の色も
私が見ている色とは違う色を見ているのだろうか
私にとってこのカラフルな世界は
あなたにとってはどんなカラフルで溢れているんだろうか
#カラフル
【278,お題:カラフル】
全部の色をのせて混ぜても、それはカラフルとは言えない
一つ一つ丁寧に配色を考えて、役割を与えて
お互いを支え合い、引き立てあってようやく「カラフル」となるのだ
受験生の私。私には今色んな道を選ぶ権利がある。でも選ぶにはそれなりの努力と、それなりの勇気と、それなりの自信が必要なんだって気づいた。
そして1から考えてみた。
自信も勇気も結局は努力がなきゃだめなんだって。
努力という頑張った積み重ねがあるから自信も勇気もつく。
自分が頑張ったっていう証があるから、自分を信じられるようになって「自信」が出来て、
自分はもう戦える!って確かな証拠があるから「勇気」が付く。
だからさ結局は努力から逃げてたら、ただの負け犬なんだよ。自分も信じれず何もかも疑って、勇気とは真反対の弱気になって、そんな人生もいいのかもしれない。でも私はもっと楽に生きたい。胸を張って5年後に再会する先生に私の生活の一部を自慢できるような、そんな人生を送りたい。
だから私は1歩を踏み出す。
これからのカラフルな将来を実現するために。
宝箱。
宝石はすべてカラフル。
時々取り出しては
眺めて、磨いて。
また仕舞って。
宝箱の名前は青春。
もう二度と
宝石は増えない。
カラフルな世界で、
僕が持ってる真っ黒な心は異端で。
心が痛んで、
僕なんかいたって迷惑なだけだなんて考えて。
カラフルで眩しい世界についてけなくて、
川の底に身を沈めたら、
静かに黒く染まっていった。
Color fullでカラフル。満ちた色はきっと黒。
「カラフルって没個性の対義語だと思うんだよ」
それはモノトーンと私は思った。
次の日彼女は髪を金色に染めた。服の趣味も随分と変わって、カラーコンタクトの嘘つきの青がちぐはぐに彼女をかたどった。
アイドル養成所の中で、彼女は一番カラフルだった。
……誰かから借りた極彩色は、彼女の輪郭を大いにぼかし、埋没した個性がもう一度覗くことはなかった。
彩度の低い色が塗り固められているのを何と呼ぶのかしら。
【カラフル】2024/05/01
雑駁。これ今月中は続きます。
「カラフル」
青色は数百色ある、みたいなことを聞いた記憶がある。
なら世の中には果てしないほどの色で溢れかえっているんだな。ああでも、情報をすぐ鵜呑みにしてしまう癖は治した方がいいか。
ぼんやりと思考を巡らせ、天井を見上げる。
寝る前だからと常夜灯に変えたから、映る色は大まかに言えばオレンジと焦げ茶。
リモコンのボタンを2回押して普段の照明に戻せば、映る色はねずみ色と白色。
こう考えると、室内、自分の部屋でさえも色は無数にある。
見慣れた景色でも、全く同じ景色はないのだ。
単純なヤツだとは自分でも思うけど、それで見聞が広まったなら良いだろう。
外を歩く楽しみが増えた気がした。
カラフル
蒸し暖かい心残り 風が頬を拭う
もうすぐやってくる 雨音鳴る季節に
目を開けては飛び込む 強く打たれた鼓動
好んでそばに多く置いた
カラフルなキーホルダーに ガラスペン
表紙には 儚い女の子がひとり
惹かれるのは題名で 堕とすのは敬具の挨拶
まだ私には色がないから
きっといつか色んな色に染まれる
好きな人が出来たら
ピンクとか
友達と喧嘩した時は
水色かな
そんなことを考えてる間に
ほかのみんなは色んな色に染まってく
私は今日も色がないまま
バチバチと光る
視界はカラフル
ひかりが消えた
意識が落ちゆく
刹那光の万華鏡
「カラフル」
『カラフル』
赤、青、黄色、オレンジ、
緑、紫、白、黒
細かく分ければ何百、何千と色はある。
感情も色のようで、いろいろある。
気になるあの子はその日の気分によって服の色が変わる。なんとわかりやすいことか。
だが、そんな彼女を毎日見ることが楽しみになっている自分がいる。
ある日彼女が来てきたのはカラフルな水玉のワンピース。
どういう気分なのかわからなかったが、その子の顔を見るとその日の晴天のように清々しい顔をしていた。
「カラフル」
足りない
物足りない
何かが足りてない
あと少しなんだ
料理で隠し味を足すように
脳には刺激が行くけど
認識はできないような
そんな微小ながら大切な何かが
友達もいる
勉強もできる
趣味だって豊富だ
将来の夢も決まっている
何が足りてない
僕は何を欲してる
そう考えることがたまにある
考えてる時は気づかない
足りていないと思うのは
ほんの少しだけ
人生が白黒なんだ
色のない人生なんだ
色を染めに歩んでいこう
「カラフル」
笑ったり、怒ったり、泣いたり、忙しい。
ふとした瞬間モノクロからカラフルに
気持ちがはじける。
その瞬間がすごく好き。
生きてるって感じ。
「生きる意味」
まだ分かってはいない。
それを見つける為にとりあえず生きてる。
「刹那」
今。その一瞬。
短くても大事な時間。
『カラフル』
何色が好きですか?
僕は青、黒、オレンジが好きです
偶に男なのにピンクが好きなのは可笑しい
そんな解釈をする人たくさんいるけど
好きなら好きで良いじゃんね?
だってどんな色が好きでも
その人はその人だから
#9
2024 5/2(木)
いずれ混ざって
黒となる
だからさ、その前に
誰か私を塗り替えてよ
#17 カラフル
カラフル
それは色合い
モノトーン カラフル
対極かもしれないけど
どちらも視覚を楽しませる
落ち着く色合いと華やかな色合い
彩りのある毎日もいいし、
地道な毎日もいい
今日は静かな一日だったから
明日はカラフルな日だといいな
言葉があふれるように、世界に溢れているものが光だと知って
『カラフル』
『カラフル』
「こんばんは、お嬢様」
夜風に揺れるカーテンと窓辺に佇む黒い人影。
「魔術師、ご用件は何ですの?」
悪役令嬢が声をかけると、魔術師は微笑みながら
見慣れないお菓子の箱を取り出しました。
「紅茶のお供に茶菓子をご用意いたしました」
「結構ですわ」
きっぱりとした口調で断る悪役令嬢。
「主、お茶をお持ちしました」
「お嬢様、探してた本が見つかりましたよ!」
そこへ執事のセバスチャンとメイドのベッキーが
やって来ました。
「セバスチャン、お菓子はいかがですか?」
眉をひそめて、箱の中身を覗き込むセバスチャン。
「これは一体…」
「百味ビーンズ。色んな味が楽しめるお菓子です。
君もおひとつどうですか?」
魔術師がベッキーに話しかけると、
「えっ、いいんですか?!
じゃあ…あたし、これいただきます!」
好奇心旺盛な彼女はエメラルドグリーンの
ビーンズを受け取りました。
「べ、ベッキー…大丈夫ですの?」
「はい!爽やかな甘酸っぱさが口の中に広がって
美味しいです!」
「ベッキーが食べたのは青りんご味ですね」
お菓子の箱に添付された説明書を読むセバスチャン。
「セバスチャンさんも食べてみてください!」
「…では、俺はこれを」
ベッキーに促されたセバスチャンは、
蛍光色のビーンズを摘んで口に含みました。
「レモンの味がします」
「さあさあ、お嬢様もどうぞ」
にこにこと笑みを浮かべる魔術師に押し付けられ、
嫌々ながらも箱を受け取る悪役令嬢。
青りんご、レモンと無難な味が
続いたならばきっと大丈夫ですわ。
悪役令嬢は斑点の入った
橙色のビーンズを取り出します。
おそらくこれはオレンジ味。
口に入れた瞬間襲ってきたのは、
胃酸を思わせる酸っぱさ、苦み、ちょっとした辛味。
まずい。
飲み込めないほどまずいですわ。
口元を押さえながら震える手付きで
ティーカップを掴むと、紅茶と一緒に
無理矢理流し込みました。
「こ、これは何ですの」
後ろめたそうな顔で
セバスチャンがそっと口を開きます。
「主が食べたものは…ゲロ味です」
げ、ゲロ味ですって??
「お嬢様!どうやら当たりを引いたみたいですね。
おめでとうございます笑」
隣でくすくすと笑う魔術師を見て苛立った悪役令嬢は、
「人に食べさせておいて、
あなたが食べないのは不公平ですわ!」
とクリーム色のビーンズを摘み
彼の口へ押し込みました。
驚いた顔をして、彼女の指先ごと口に含んだ
魔術師は神妙な面持ちで俯きます。
「お味はいかが?」
「…甘みの中に苦みが混じっていて、
何ともいえない味です」
「セバスチャン、説明書を読んでちょうだい」
「はい主。オズワルドが食べたのは、耳くそ味です」
「オーホッホッホ!ざまあごらんなさい!
私を笑った報いですわ!」
高笑いする悪役令嬢の横で首を傾げる魔術師。
「でも案外いけますよ」
「えっ」
それから四人はゲテモノ味に怯えながらも
何だかんだ百味ビーンズを楽しみましたとさ。