『カラフル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【カラフル】
鉄棒に足を引っ掛けて
世界を逆さまに見る
途端に建物は意味を失い
色だけが残る
喉を通らない言葉が
空へ落ちて、交じる
あらゆるものが溶けたから
宇宙は黒い
そらは
それは
色彩の裏返し
深緑も牛丼の看板も駆け出す犬も
緩やかに抱かれている、
カラフルな春の午後
カラフル
「今宵、君に目が覚めるような素敵な夢を」
そう恭しく頭を下げて、シルクハットを被り直した男はステージの真ん中へと戻る。
すっ、と目が合ったのが合図だったかのようにライトが灯り、音楽が流れ出した。
よくしつけられた動物たちの芸当に、おどけた表情で踊るカラフルなピエロ、はるか上の方で綱を渡る男性に、ロープやフラフープを使って縦横無尽に飛び回りすべての視線を奪うような女性。
すべてが夢の中のようなのに、その驚きが、その感動が、夢ではないと告げてくる。
目をキラキラと輝かせ、それに魅了された少女は興奮冷めやらぬ様子で立ち上がり、拍手をおくる。それを見ていたシルクハットを被った男はニヤリ、と笑った。
君の瞳の色は毎日変わるね。
昨日は赤色、今日は薄黄緑。明日は何色に染まるの?
少しずつ少しずつ混ざり合って、いつか僕と同じ色に。
カラフル
一言に赤、青、黄色、緑、と言っても沢山の種類がある
何百種類、何千種類の色がある
人も同じ
よく色に例えられたり、染まったなんて言われたりする
でも一人として同じ色の人はいない
この世はカラフルで出来ている
一人一人の色
人は一人一人「色」を持っている。
その色は生まれた瞬間決まるものではなく周りから少しずつ取り込むものだ。
だから、はっきりと「私は水色!」とはならなくって、全体的には水色だが、その中にもピンクや緑色もうっすら入っている、そんな曖昧な色になるはずだ。
もちろん、黒い他の色を壊すような色を持っている人もいる。
だが、そんな人も誰かから貰った美しい色を持っているはずだ。
そう考えるとこの世は色々な色から出来ているのかもしれない。
世界が灰色に見えていたような気がした。
気がしただけで、実際はきちんと色はついてた。
私の人生はもうずっと心が躍るようなことは起こっていない。10回目の春に至るまでにおこった心が躍ることといえば、7回目の秋にGとLのつく界隈を知ってしまったことと、8回目の春にBとLのつく界隈を知ってしまったこと。
その他諸々、その年齢で知るにはちょっと、いやかなり早すぎる大人な話くらいだ。
私は10回目の春を迎えていた。
「引っ越しするぞー!引っ越し先はつくまでひみつでーす!」
「あ、父さんに聞いても無駄だぞ~!絶対に教えないからな!」
両親が引っ越しを発表したときのテンションは、お出かけに行くぞー!のテンションだった。いや、かっる。引っ越し先はリアルに個人情報の流出になるので、伏せさせてもらう。
引っ越ししたら灰色の世界に色がつくかなぁ、とどこぞの小説の主人公だっ!となるような事を考えながらの引っ越しだった。
引っ越し先についてた、5日目くらいに、近くで夏祭りがあることを知った。
祭りとか花火大会とか、派手そうなイベント大好物の私は、姉を強制的に連れて、行ってみた。
祭りに来たのはいいものの、つまらなかった。いや、屋台とかすごかったけど、派手ですごかったけど、なんかなぁ、つまらなかった。
屋台を見て回るのに飽きて、祭り会場の上の方にある神社に行ってみることにした。祭りの最中の神社も大好物。神社周りだけしんとしてたりするの、良いよね。
階段を上っていくと鳥居が見えてきた。鳥居をくぐると異世界へ~、なんておこることはなく、普通の良き雰囲気の神社が現れた。神社周辺には誰もおらず、まるで世界に私以外の人間がいなくなったような気分になった。
カリカリ、と静な空間に何かを書くような音が響いた。誰かいたんだなぁと思い、音のする方へ行く。音の元には私より一回りくらい小さな少女が一人、何かをノートに描いていた。
「なんの絵描いてんの?」
「!あ、えっ?ぁう、ご、ごめんなさい。いまどきます。」
話しかけると、すっごい怖がられてしまった。まぁ、確かに、知らない人に急に話しかけられたら怖いよね。
少し話しが長くなってしまった。ここは大事なシーンだけど仕方ない。カットしよう。少女と私は意気投合!仲良くなって、色々あって、彼女のおかげで私の世界は色を取り戻しましたとさ。ほんと、今は恋してる色だよ。世界は。
『その時の気分、気持ちによって自分の目に映る世界は、色を変えるよねってお話』
真白い昼光をはなつ
シーリングの上に
堪えられないものが
張り裂けて
端から端までを
見渡すことのできない
天を眺めながら
椅子に座って
あんまりな
生活を産んだ
海を産んだ
思いに耽るたびに
だれかの、胸の上で
踊るだけの水滴になりたい
埃みたいに払われても
一つの星でありたい
ぼくはぼくの
屋根のうえを駆けて
たださようならの
準備をしている
#カラフル
私は上京を明日に控えて引っ越しの準備をしている。
日常がやっと変わる。
もう海を眺めて過ごす事もない。
きっと私には素敵な都会暮らしが待っている。
私の故郷とお別れだ。
私の故郷での暮らしはのんびりしてた。
日常を色にするなら海の色だった。
上京したらカラフルな日常になる。
でも、海の色が私は大好きだった。
( 大好きな色が入ってない絵の具。 )
なんだか大事な物を見逃してる気がする。
( きっと臨んだ物が手に入って少し怖くなってるだけ。 )
そう言い聞かせながら何もない部屋を見渡した。
カラフルな虹の滑り台滑って
とおく、とおくの、知らない場所へ
そこは地獄か天国か
空の上の処刑場
土の底のエデン
あなたも果実を1口いかが?
赤青黄色 色々あるの
そういう貴方は真っ赤なお顔
頷く私も真っ青な舌
天井に吊るした傘は
雨を防ぐには少し頼りなかった
カラフルな虹の滑り台滑って
とおく、とおくの、夢の中へ
そこは悲劇か喜劇となるか
この続きはまた次の雨の日
お題 カラフル
―カラフル―
1月、オレンジ色
2月、水色
3月、白
4月、ピンク
5月、緑
6月、青
7月、紫
8月、黄緑
9月、黄色
10月、茶色
11月、赤
12月、グレー
私のイメージ
「これはパパでー、これがママ!あいだにいるのがららだよ!」
パパは茶色のお洋服。
ママは緑のワンピース。
ららは赤でスカートはピンク!
らしい。
家族みんなお揃いの洋服も好きだけど、
娘の描くカラフルな色はもっと好きだ。
娘の言葉によって色が着くこの瞬間、
結構好きなんだよなあ。
#カラフル
彼女はカラフルな物を着飾るのが好きだった。
髪も、爪も、まつ毛も、眉毛も、あの深い黒の瞳さえ、虹色に染めてしまう。
僕はそんな彼女が好きではなかった。
彼女はカラフルで、目がチカチカと見るのを拒否してしまうような部屋の壁に、毎日カラフルな絵を白に塗りつぶして、また描いてと繰り返すのだ。
彼女は部活動にも入らなかった。自分のカラフルを堪能したいから、毎日、毎日、何もかもを色とりどりにしてしまう。
一方、僕は白が好きだ。
何も無いから、何にでもなれる。もちろん、彼女の好きな色にも。
だけど僕は、そんな白の何も無い、が好きだった。
僕には昔から、勉強も運動も得意で、同級生から上級生、大人にも恐れられるほどに人一倍頭が抜けていた。僕も昔はカラフルな色が好きだった。何者でもあるようで、気がつけば爪の先までカラフルなあの不快な色に変えていた。
あれが嫌いになったのは、彼女が転校してきた2年前の夏。
あの時も、カラフルなものが好きで堪らなかった彼女に僕は一番最初に目をつけられた。
登下校はおろか、休み時間も放課後も常に僕達は一緒にユニコーンのカラフルな角のキーホルダーをバックにぶら下げながら話した。
親友とも呼べる関係にまでなった彼女に唯一不満があるとしたら、僕をも超える才能だった。
僕にあった憧れと期待と賞賛の声、ミュージカルの主人公のようなスポットライトは、瞬く間に彼女に向けられた。そこまではまだ良かった。僕を二枚目としてでも見てくれたのだから。
でも、毎年僕が応募し続けても入選しない絵のコンテストで、彼女は初めてにして最優秀賞までとった。絵の経験無しで、美術で少しだけ触れたことのある程度のものだと言うのに、十年間僕が積み上げてきたトランプの城が、何者かによって崩されたような、呆れと悔しさ。なんとも言えぬ気分になった。……あのカラフルでよくわからない、雑で下手な絵さえ無ければ!僕はこんな思いをせずに済んだと言うのに!
それから僕は、勉強も運動もやる気が無くなり、月日が経つにつれ、通知表に記載された成績は、酷いものとなっていた。
有名高校に進学するはずが、僕は市内の高校に受験することになった。両親を初め、親戚は僕を白い目で見てくる。最初から、何者にでもなれるカラフルな彼女。最後には、全てを無くした僕。
ふふ、最高の役じゃないか。
さて、これで物語は終わりとしよう。
めでたしめでたし。
《カラフル》
#5 カラフル
colorful
色彩に富んだ,多彩な,華やかな,生彩のある
(weblio英和和英辞書より)
日本語とは、とても不思議な言語である。
漢字を崩し、つくられた平仮名、
漢字の一部を取った片仮名、
表意文字である漢字と、
多数の文字を使いこなす仕様になっている。
ここまででも多彩な表現ができるにも関わらず、
外国語や造語の取り入れを好み、
発言者の意図、その色合いをより複雑なものにしようとしている節がある。
また、流行に敏感な若年層で生まれる言葉は、
同じ日本語でありながら独自の世界が築かれ、彼ら彼女らに相応しい華やかさがある。
さらに、その地域でしか使われない言葉や表現として方言まであり、そこに根付いた文化を生彩のあるものにしているのである。
このように日本語は多様性-ここでは色彩と言いたい-に富んでおり、
カラフルな言語であると言えるだろう。
日々を彩るカラフルな感情に振り回される私は、
きっと誰よりも、自分らしく私を生きている。
「カラフル」
あか、あお、きいろ、みどり。
あかは情熱のあか。
あおは冷静のあお。
きいろは元気のきいろ。
みどりは癒しのみどり。
色の効果は、凄い。
すごく強い力を持っている。
それは言葉と同じくらいの強い力。
色を効果的に使うことで、毎日がちょっとずつ変わっていく。
それは、心の色にも効果があるの。
私は、今日は赤色。
課題を頑張ったの。
俺は、んー。黄色かなあ。
体育あったし、サッカーしたから元気だったなって。
うちはピンク!
今日ね、好きな人が挨拶してくれてん!最高やろ?キュンキュンやで!
僕、は……。み、水色で……。
今日も学校に行けなくて……。な、泣いちゃった、から……。
あたしは、黒かなあ。
親が不倫相手を家に上げやがった。本当にキモい。
私は、白ですかね。
今日も今日とて神の恩恵を受けましたから!
あたいは灰色かな。
ま、なんつーの?良いこともあったけど悪いこともあったなって。当たり前か!アハハ!
赤色のあなたには、癒しの緑色を。
黄色のあなたには、冷静の青色を。
ピンク色のあなたには、ロマンチックな紫色を。
水色のあなたには、元気の黄色を。
黒色のあなたには、清潔の白色を。
白色のあなたには、情熱の赤色を。
灰色のあなたには、自然の茶色を。
それぞれの心の色に、それぞれの色を。
素敵な色を。
長い長い階段を駆け上り、境界線をぴょんと飛び越える。私は人間の姿をもった神様なのだ。今日も街ゆく景色と顔色を観察し、うかない表情の人間を引きとめる。
「 SNSやってますか? 」
私に声を掛けられた人間はたいてい顔を強ばらせ逃げて言ってしまうが、極稀にそれまでの雰囲気が嘘のように意気揚々とこたえてくれる者もいる。それが私のお気に入り、16歳のインフルエンサーだ。その女はSNSを使って食い物や着るものを他人に見せびらかして居た。いい事に女のアカウントは多くの人が見ているものだったから、女を乗っ取り神である私が直々に人間に語りかける事にした。
〈 人生のお悩み相談募集中 〉
そんな文言を打ち込み投稿すると直ぐにたくさんの人間からメッセージが届いた。
『粘着質の彼氏に困っています。何か方法は無いですか?』
『生きるのが辛いです。』
『どうすれば貴方みたいに綺麗になれますか。』
そんな中でも私の目にとまったメッセージは、絵文字一つ付いていない可愛げのなく長ったらしいものだった。
『 こんにちは。これまではずっとみてるだけだったのですが、どうしてもあなたに聞きたい事がありここに参加させて頂きました。ずばり、学校で教わる十人十色とはただの綺麗事で、社会では邪魔になるだけの洗脳だと思うんです。だって結局はカラフルな色を持った人達と働いたとして、一色に合わせなければチームにはなれないですよね?そこで我を通せば協調性の無い無能だと思われて仕舞いです。現役学生の貴方はどう思いますか。十人十色とは幸せで平和に過ごす為の教訓なのか、それともただの建前なのか。長文になってしまいましたがどうか解答よろしくお願いします。』
はぁ。このメッセージを読む時間が無駄だった。何故人間っていうのはこうも言葉に囚われた考え方しか出来ないのだろうか。そもそも十人十色っていうのは一人が一色ずつを持ってるって言うことを伝えたい訳じゃないだろう。一人一人が別のパレットを持っていて愉快な世の中だなってことだと考えよう。すればその一人の色は見る方向によって変わるだろうし、一人で十色は補えなくても二色分くらいならどうって事ないだろう。つまり一人二色だとしたら、三人なら六色。しかしある一面から見れば三色で、また別の一面から見れば残りの三色がある。でももしそれが色の着いた水だったら?隣り合わせの別の人間に口を出され濁ってしまうだろう。この例えのように何事も区別と線引き、適材適所があるのだ。かと言って赤色を持ってる人を赤色の面に揃えて置いてしまっては勿体ない。世界が球であるように人間も変わり続けなければ面白くない。ああどうして説明すればいいか…
私はうーんと唸りそれから何年も考え続けた。その投稿から十五年が経った頃、動かなくなった彼女のSNSからようやく一つのメッセージが投稿された。
『 君もこっちにくれば? 』
____虹彩アカウント
以下前作【クチナシの楽園】の解説になります。
ーーーーー
ここでは前作の背景や設定などについてお話します。
まず主人公と彼女の関係は、最後に主人公が彼女を妻と呼ぶように"夫婦"です。
夫婦になったのはあの家に来てから、彼女が既に聴力を失った後です。
彼女が聴力を失った原因である"娯楽に飢えた悪魔"は主人公が元々働いていた倫理観に反した人体実験が行われる研究所の人達ですね。本当に悪魔が存在する世界線ではありませんが、主人公は彼らを同じ人と呼ぶのにかなりの抵抗がありました。彼女が人体実験の対象にされた理由は当時"恋人同士だった主人公"です。だんだんナナメ(筆者)の言葉足らずに気づいてきたかと思いますが、作中で主人公が吐いた
「今更出会った頃の彼女を恋しがるなんて、僕はどれだけ寂しい人間だろうか。」
というセリフは主人公の声におかえりと返してくれる、耳の聞こえる彼女を恋しがっている訳では無く、悪魔達に汚される前の彼女に思い馳せているんです。後に続く"寂しい人間"というのは悪魔との区別と、今の彼女を心から愛せない自分に対してですね。悪魔達は下っ端の下っ端である主人公の恋人を狙い彼の前で彼女を捕らえますが主人公は固まって動けません。それが
「あの時君を抱きしめることが叶ったらこんな事にはならなかった。」
というセリフに繋がります。実験に失敗した彼女は主人公の元に返され、そこでやっと二人は静かな時間を過ごせるようになりました。しかし彼らが住んでいた国は戦争を初め、またもや二人の世界は揺るがされます。それでも主人公は今度こそ彼女を巻き込まないと家に閉じ込めました。しかし一向に激しくなっていく戦争に絶望のドン底に落とされた主人公は色の判別が出来ずモノクロの世界で過ごします。999本の向日葵の花言葉が
"何度生まれ変わっても君を愛す"
であるようにこの世界への希望を捨て去ってしまいました。そんな環境に陥った彼の楽園が"妻の待つ家"だったんですね。つまり"クチナシ"は主人公です。主人公が冒頭の一言以外で言葉を発していないことと、彼女の最後のセリフと掛けています。彼女が明らかに本物では無い向日葵を見て涙を流したのは、主人公が嘘をついていたからではなく、彼女に向けられた確かな愛を感じたからです。
もっと書きたい事は沢山あるのですがすごく長くなってしまうので後はご想像におまかせさせて頂きます。これからも楽しくお話を書いて行けたらと思いますので、よろしくお願いします。
この世界はカラフルなのかもしれない
でも、僕の目に映る世界はモノクロだ
【カラフル】
#6
カラフル
カラフル、何がカラフルなのか。
着る服、洋服がカラフルなんです。
少し前まで自分が着る洋服は、黒やグレー、紺色や白色が多かったわたしです。
ごく最近になり、カラフルな色の服を選んで着るようになりました。心境の変化ってやつですね。
地味にしてたって、暗くなるばかり。
生きるなら、楽しく明るくやろうと思うようになって、洋服がカラフルになりました!
人って、気持ち次第で変わるんですね。
【カラフル】
私の目には包帯が巻かれていた。
生まれつき色覚に問題のあった私だが、
手術も成功し、今日やっと包帯を取ることができる。
「ゆっくり目を開けて下さい」
その言葉に従い、私はゆっくりと目を開ける。
衝撃がはしる。
今までモノクロの世界で生きてきた私は知らなかった。
世界がこんなにも色鮮やかだったなんて。
私がこれから、こんなにもカラフルな世界で生きて行くのだと思うと、楽しみで仕方がなかった。
モノクロの世界を独りで生きてきた
僕にはそれが似合いだろうと思っていた
君に溶かされた心、塗り替えられた視界
このカラフルな世界でこれから
君と一緒に生きていく
(カラフル)