『イブの夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
歳を重ねるにつれて、強がりじゃなく、クリスマスに特別な事をしなきゃって意識が減ってきた。
前は、友達や好きな人・恋人と過ごさなきゃとか、クリスマスらしい御馳走を食べなきゃとか、なんとなく自分にクリスマスプレゼントを買ってみようかなとか、クリスマスだから○○しなきゃって勝手な強迫観念に近いものが確かにあったけれど。
クリスマスの雰囲気も街中のイルミネーションもクリスマスソングも大好きだけど、別にしたいように過ごせればいいし食べたいもの食べればいいし、仕事してたって何とも思わない。
そんな今年のクリスマスイブは大好きなケーキ屋さんのケーキを食べられて嬉しかったなあって思って眠りにつけるから幸せ。
“イブの夜”
テーマ:イブの夜 #42
※この物語は#20からの続編です
「何年か前のクリスマスのイブ…つまり、今日と同じ24日の夜。王宮に何者かが侵入したらしいんだ」
僕はミデルが捕まった次の日の夜、泊まったホテルの部屋で話した。過去の僕の身に起きたことを…。
「僕もあんまり覚えていないことなんだけど、長身の男が僕のそばに来てナニカをしたらしい。そのナニカはすぐにはわからなかったし、僕の身体に何処か異常なところもなかったため、その事件はあまり大事になっていないらしいんだけど…」
僕はその日のことを本当に覚えていなかった。しかし、その日近くのことだ。僕の中にソレがいると自覚し始めたのは。
「その日から僕は、体に違和感を感じていた。時々なにかに取り憑かれているかのような感覚になったり、記憶が飛んでいたりするんだ。最近ではそれにも制御ができるようにはなっていたんだけど、やっぱり……」
僕は自分の手を見つめた。完全に制御はできていない。
「それって、昨日みたいになることが過去にもあった、ってこと?」
「いや、昨日みたいにソレが堂々と出てくることは今までになかった。だから、正直僕もよく理解できていないんだ」
僕はミデルをみた。昨日は必死にミデルを助けたいと思ったのと、男たちに対する怒りが抑えきれなかったからと言うのもあったかもしれない。
「離脱した魂を取り付ける魔法とかかな……」
ミデルはそうポツリと呟く。
「そんな恐ろしいことができるの?」
「そりゃあ…簡単なことじゃないけどさ。本で書いてあるのを見たことがある気がする。使い魔とか眷属とかそういう感じではなさそうだし、私も昨日まで気が付かなかったし、かなり強力な悪意を持ったものではなさそう……」
ミデルが何やら難しい言葉を並べ始めわからなくなっていった。
「あ、ごめんごめん。普通に自分の世界に入り込んじゃってた」
そう笑うミデルが昨日よりも元気を取り戻したようで安心した。僕は昨日の騒動後、改めてクリスマスプレゼントを受け取ることにした。今なら大丈夫かも…。
そう思い、ポケットに手を入れると
「ミデル」
そう彼女の名前を呼ぶ。ミデルはキョトンとした目でこちらを見る。
「これ、僕からのクリスマスプレゼント。人にプレゼントをあまり上げたことがないから分からなくて…。こんなものでごめん」
そう言って差し出したのはローブを止めるピンだった。いつも前が空いていて寒そうだったからどうかなと思い、購入したものだ。ミデルの瞳のように黄緑に輝く石が中央にはめられている。
「すごい綺麗…。そして…わたしたち気が合うね」
そう言って、差し出されたのは昨日渡そうとしてくれた包装された箱。中身は同じくローブを止めるピンだった。ミデルがプレゼントしてくれたものには水色の輝く石が中央にはめられている。
「ありがとう。ミデル」
僕が大事にそう言って、胸に抱えると同じようにミデルも言った。
「こちらこそ、ありがとう。ラクラ」
ひらりひらりと舞い落ちる白い結晶とは対照的な暖かな色合いのテーブルカバーのかけられた机の上。サンタ帽を被ったカボチャのぬいぐるみと掌サイズのツリー 食べきれないぐらいの料理たちが鮮やかな色合いを生み出す。
─ 手作りピザにクリームシチュー·骨付きのチキンにドリア,ポテトサラダにトルティーヤ ポタージュとオムライス それからワイン ─
出来た傍から,所狭しと並べらるそれは,どれもこれも全部私の好物。出来立てがいいと我儘を言った時からずっと続く特別な日のいつもの光景。
作りすぎなことをわかっていても,食べきれないと知っていても,あえて作る消費しきれない料理。
─── きっとそれはあなたの愛の形。
いつだってあなたの優しさにただ甘えて 当たり前に受け取って,ひとり幸福に浸っていた。
でも,でもね。今年は違うんだ。
今年からは,私もあなたに返せたらとそう思うから。
たったひとつだけ自信を持って作れるケーキ。決して難しくはないけれど,あなたの好きなスイーツのひとつ。
プレゼントと言うにはお粗末かもしれないけれど,ちょっとしたサプライズ。
私の作ったケーキがお店で売られているの。そう言ったらあなたはどんな顔をするのかな。
小さなイタリアンレストランで提供されるそれ。私の料理で笑顔になる人がいるんだって そう伝えたい。
おしゃれだと言って貰った。美味しいと言って貰えた。幸せだとそんな声が聞こえた。誰かが写真に撮る音が鼓膜を揺らした。
凄く幸福な思いを感じる。なにかを作り出す悦び。人に認められる嬉しさ。料理人でもパティシエでもない私が店の看板商品のひとつを作っているのだと そう誇った。
······でも足りない。一番食べてほしい人は,元気付けて笑顔にしたい人は,そこにはいなかったから。
誰よりも大切なあなたは,この店には来ないから。どんなに上手に作れるようになってもこの味をあなたは知らない。
そう。今日までは。
蕩けるように甘いクリームとほろ苦い珈琲の染み込んだ生地。交互に重ね合わせたそれにココアを振りかける。
作り慣れたお菓子。いつもと同じ分量。体が覚えている動き。お店の味を違う場所で,たった一人のためだけに作り上げる。
他でもないあなたに食べてほしいとそう願ったから。美味しいとそう言ってほしかったから。
30㎠ 二人で食べるには大きすぎるケーキ型一杯に詰め込んだティラミス。
わかっていた。それでも,食べきれないほどに作りすぎてしまったそれはきっと
─── あなたへの愛の証拠
テーマ:«イヴの夜»
イブの夜。
一人とか、二人とか、家族とか、イルミネーションとか。数えてたら意味の無いものでも、少し気にしたりする世の中。動画観て、通話して、本を読んで、呟いたりする。まるで怠惰を貪るモノノ怪のように、パソコンに向かって何も浮かばない小説家のように、どうしようも無いから、空に向かって叫ぶ。
文字だけを読むより、映像が好き。傘だけを差すより、カッパも欲しい。街だけを歩くより、海に浮かびたい。手をただ叩くより、タンバリンが欲しい。
迷走し始めるのがイブの夜で、私もあなたも迷っている。それが楽しいから、みんなチキンを食べて、ケーキを眺める。あぁ、だからクリスマスは楽しいんだ。サンタさんはやってくるかな。
イブの夜
毎年、11月中にはクリスマスツリーを出し
部屋のあちこちに、クリスマス飾りを置く
今年はなんかバタバタしていて
10日前ぐらいにやっと出した
ツリーのチカチカは、目に入る夕食時だけ点灯
あとはコンセントを抜き、ひっそり立っている
クリスマス・イブの夜、最後のチカチカを放ち
明後日には天袋に収納される
また来年も、故障せず点灯できますように
テーマ【イブの夜】
制作者:いと。 12.24 2022 23:47
太陽が沈むのも、昇るのも怖くなった。
”疲れた”なんて言う暇もなくて、
”明日が来なければいいのに”なんて思うのに
目が覚めたら昨日の明日が見える。
明日なんか、恐ろしいものでしかなかった。
...でもね、今日はそんなこと思わなかったよ。
年に1度の特別な夜だから。
明日がいつもと違う”特別な日”だから。
...いつも、年に1度の特別な夜で、
明日がいつもと違う特別な日なのにね。
今日と同じ日なんか、絶対ないのにね。
キラキラ輝いて、
降りしきる雪が綺麗で
眩しくって、
綺麗すぎて、
だんだんと歪む視界は、
涙で滲んでぼやけてゆく。
零れ落ちる雫と一緒に溢れる想いが胸を締め付ける。
"逢いたい"
叶わないと知りながら
逢えないと知っていながら
願ってしまう。
病院でも
クリスマスケーキ
出るのかな?
3人で
食べる筈だったクリスマスケーキは
2人だと
多過ぎる。
お題 イブの夜
イブの帰り道
今日好きな人と寒いねって
手を繋いだ
彼の顔を見ると
寒いはずなのに顔が真っ赤になってて
なんだか私まで顔が赤くなった
会話もだんだん減っていって
私の家の近くになってしまった
繋いでる手が緊張しているのが分かる
「〇〇!!」
私の名を呼んで力強く引き寄せた
あっ今 私抱きしめられてる
ドキドキしながら顔を上げる
彼と私の距離が徐々に近くなっていく
5センチ 4センチ 3 2 1
瞼をゆっくりとじる
ジャリ
ん?ジャリ?
目を開けると、茶色の何かが視界に広がった
あれほのかに木の匂いが・・・
だんだん,頭がはっきりしてきた
あぁ 全部夢か
ワタシの顔から溢れ出る生ぬるい涙が
ひとつふたつ茶色の何かに染み込んでいった
#6 大切な人はいなくなってしまったイブの夜。
プレゼントだった、砂時計を眺めて過ごしていた。
時間とは、あっという間だけど、とても長くもある。
もう僕には関係ないみたいに、「Merry Christmas !」なんて言葉は、聞こえなくなってしまった。
砂が落ちる音を集中して。
___イブの夜
成長
覚えていますか
早く来ないか。布団の中で息を潜めてやつを待った
ワクワクしながら明日をめざして
いつのまにか寝ていたけど、夢の中で誰かがささやく
覚えていますか
子供ながらに実は知っていて、こんな年になってもまだドキドキしながら明日にのぞんで
狸寝入りで誤魔化したけど、そっと優しい手がつつむ
覚えていますか
あぁ、きっとこんな気持ちだった
随分と待たせてしまって
けれど、君たちがきっと喜ぶものだから
𝑀𝑒𝑟𝑟𝑦 𝐶ℎ𝑟𝑖𝑠𝑡𝑚𝑎𝑠
#イブの夜
イブの夜。
クリスマスイブの夜。
ふと考えた時、この言葉にどうにも違和感を覚えた。
クリスマスイブは一般的に、我々日本人は「クリスマスの前日」と認識していることが多い。
でも実際は、「イブニング(evening)」から来ている言葉なんだって。
ということはつまり、クリスマスの日の夕方ってことになる。
いつから前日までお祝いするような文化になったんだろうね。
きっとそれを始めた人は、クリスマスが楽しみで、待ちきれなかったんだろうな。
なんて、割とどうでもいいことを考えながら鼻の奥がツンとするような寒空のなか、1人帰路を辿っていた。
私はキリスト教徒ではないし、お祝いという感覚はないけれど、やっぱり1年の中で1番ケーキが食べたくなる日だ。
24日、夜になるとあっという間だったなと少し寂しく感じる。1年が終わってしまう。シャンパンを開けケーキにチキン、それからお菓子を食べ、たわいのない話を友達する。こんなこともあったよね。懐かしいね。と懐古したがる。そんな夜だ。これを書きながら私は中学の頃からの友達の家に泊まってる。
イブの夜
子供の頃は、1年で1番ワクワクした
このワクワクに勝るものは未だ経験していない
子供の頃のワクワクって尊くて眩しい
けど、大人になって知るイブの夜も素敵なのよ
イブの夜。
ひとりぼっちで過ごす。
誰かと一緒に居たいけど、
誰でもいいわけじゃない。
人肌がすごく恋しいけど、
誰でもいいわけじゃない。
一緒に過ごしたい人がいて、その人と一緒に過ごせるって、
とっても幸運で、幸せなことだと思う。
でもそれって、自分から意図して取りに行けるものじゃない気がする。
その幸運を私はいつか享受できるの?
今は、とりあえずこの寂しさを埋めてくれるもの、
募集中です。
「イブの夜」
君はきっと、
僕のことなんてどーでもいいんでしょ
イブの夜
暖炉に灯る火がそっと灰になる
冷え込む夜
雪がだんだん深くなっていく夜
サンタに置き手紙を書いて
トナカイ用のにんじんを用意して
みんなの分の靴下がぶら下がっていること
ちゃんと確認して
眠りにつく
早く目を閉じよう、
世にも幸せな夜が始まる
イブの夜
イブの夜は一番忙しい。なんてたって一晩ですべての家をまわらないといけないからね。
冬の寒い夜空を駆け抜けて、はやくはやく、と必死に走る。そっとプレゼントを置いて、次の家へ。次の街へ。次の国へ。
プレゼントをいっぱいにつめこんだ袋はすっかりぺしゃんこになって、真っ暗だった空には朝日がのぼり始めている。深い青から薄いピンクにグラデーションがかかる空を眺めながら、僕らは一息つく。
「よく頑張ったな」
そう言って僕らの頭をなでてくれるのはサンタクロースと呼ばれるおじいさん。
あんなにも忙しくて疲れていたのに、これだけで機嫌が良くなっちゃうんだから、不思議だよね。
しばらくすると、続々と目を覚ます子どもたちの嬉しそうな声が街に響いて、おじいさんも嬉しそうに笑っていた。
子どもたちの笑顔を見るために、僕らはきっと来年もイブの夜を駆け抜ける。きっとクリスマスは世界で一番笑顔の溢れる日になるから。
外に行けば流れるクリスマスソング
私には到底似合わない場面なんだろうな
明日は1年で大イベントの1つ
クリスマスだ。
クリスマスは
サンタが働き始める日で
みんなに幸せを贈る日。
そして赤い鼻のトナカイが
自分に自信をもてた日でもある。
イブの夜
僕らは今年も
早く寝て
クリスマスの日
早く起き
幸せを迎える
【イブの夜】