『もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私たちは、周りとは違う。
目が見えなかったり、腕がなかったり、声が出なかったり、人の心に敏感だったり……。
そんな私たち4人は、今まで過ごしてきた日常をコメディっぽくしたものを、動画に投稿することを仕事にしている。
今まで過ごしてきた暗い日常とは違うけど、でも色んな人に楽しく、私たちのことを知って欲しかった。
これは、私たちがすごしてきた、もうひとつの物語なのだから。
全部が仕向けられている
ハッピーエンドになる様に。
全部が仕向けられている
バッドエンドになる様に。
全部が仕向けられている
あなたに想像を任せる様に。
限りあるページが
想像力の限界を迎えて
あとがきに差し掛かる頃
描かれなかった物語は
想像力の限界を目指して
ページにない部分を書き足す。
さぁ、エピローグを迎えて
あなたの考える物語の終わりを。
–もう一つの物語–
行くときは一人で歩いて、写真を撮って。それが一つの物語。
帰るときは二人で笑って、手を振って。それが、もう一つの物語。
映画でもラノベでもループものって人気あるでしょ?
壊れたレコードみたくひたすらループする時の中に突然放り込まれた主人公。目覚めるたび同じ日付同じ時刻を繰り返す、その謎を解き明かせ!みたいな。
ちょっと不思議だったんだよ。
原因究明してループをつき破れば元の時間軸に戻れるって前提で登場人物みんな頑張るじゃん?本当に戻れる保証もないのに楽観的すぎやしないかってね。
あれ、なかには解決してないケースもあるのさ。
ループを切って繋がった先が、実は異次元異世界で。
物語の続きは、またもう一つの物語。
ぴったり元の世界に戻ったようでもどこかが違う。
たとえほんの僅かな誤差だったとしてもだ。
……僕はうっかり気付いちゃってね。けどまたループし続けて元の世界を探すのは諦めることにしたんだよ。
走馬灯に君の顔しか映らないだろうってくらい毎日毎日君のお通夜に立ち会って、延々と不気味な事件のヤマを追って、正体の分からない何かと戦って。
もう、いいや。
今こうして君は生きてるし、僕も生きてる。
それでもう充分かなって思えちゃった。
ただ君の薬指の指輪が僕の贈り物じゃないだけさ。
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「もう一つの物語」
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所感:
本当はアプリの過去文章から一つ選んでビハインドを書いてみたかったのですが、上手くまとまらず時間切れ。仕方なく、また可哀想な「僕」が一人生まれました。
【もう1つの物語】
学生の時は、何か失敗すると辛い気持ちになり眠れなくなった。
そういった時にはよく空想した。
「あの時、もし別な道を選んでいたら。」
想像の中ではいつでも成功していく。
リスクもあるがどんな問題でも賭けに勝って過ごしていく。
現実はそんなに甘くはないが、悪いことばかりでもなくなった。
自分で選択し進むことも怖いが楽しくなった。
今では後悔していることもあるが、時間が解決してくれることもわかってきた。
少しずつ、自分を好きになるというのも出来るようになってきたなと思う。
1つ書き上げた物語が決して
そのストーリーだけだとは限らない
交錯し絡められた複雑で儚い
濃い物語であるかもしれないからな
もう一つの物語
物語を読んでいる人の感情、
それに起因する出来事もまた一つの物語。
一つの物語は、
大抵もう一つの物語を描き出す。
物語は時に一人の人の人生までをも変えてしまう。
柔らかく傷つきやすい人の心の内側から
考え方、趣味嗜好、様々な物に影響を及ぼす。
そういう意味で物語は
人の心を壊したり癒したりできる
恐ろしくも優しいものなのかもしれない。
もう一つの物語
ゆっくり進行しているであろう、もう一つの物語。
それは、なぜ、語られなかったか、語る必要がなかったかだろう。
今も、世界のどこかで、進行しているだろう、もう一つの物語。
想像、できるだろうか?
あなたは、知っていただろうか?
あなただけにきっと、語られなかった話があることを。
いつも通った道には、入ったこともない店や街路があった。
そこにもう入る事は無いだろう。
言いそびれた言葉があった。毎日会っていた筈なのに。
言えば何か変わっただろうか。
脇道に入る様に、ふと話せれば良かった。
今更となって遅いが。
さよなら僕の街、諦めと手を振った
あり得たかもしれない未来へ。
#もう一つの物語
誰もが2人をお似合いだって祝福してる
分かってる、素敵な2人だって、知ってる
報われるなんて思ってないけど素直に祝える訳じゃない
誰かのハッピーエンドがこんなに辛いって初めて知ったよ
暗い夜に星空を眺める
僕の気分は憂鬱で
あの星は僕の事なんて
気にもしないと輝いている
暗い夜に星空を眺める
私の気分は憂鬱で
あの星は私の事を
見下してるみたいだ
なんか、羨ましいのか、悔しいのか、
分かんないや
"もう一つの物語"
夢を覚えていられたことがない。どんなに嫌な夢を見ても、どんなに楽しい夢を見ても起きたらすぐに忘れてしまう。あまりにも覚えていられないので、あの夢の中の登場人物はここではない別世界だと思うことにした。それをこっそり覗いているだけだから、すぐに忘れてしまうのだろう。
私たちは、寝ている間に
もうひとつの物語を生きているんで
す。
人は何故寝るのか。
それは、もうひとつの世界と
こちらの世界を、魂と呼ばれたりす
るエネルギーが行ったり来たり
しているからなんです。
そんな気になってきたでしょう?
恋人と別れ、一人になった。
道ゆく家族連れを見ながら、自分もいずれはああなっていたはずなのにとため息をつく。
しかし、あの男と結婚したとして、果たしてあんな風に幸せに笑える家庭が作れただろうかとも考えてしまう。
我慢できていたたら、そんな人生もあったかもしれない。
でも、今ある人生は彼と別れ新たに始まった人生だ。
今から作れるのは、そんなもう一つの人生。
私の新しい物語がはじまる。
人が紡ぐ物語で僕らは生まれる。それは史実であったり架空だったり形は様々だ。どんな物語にも愛がある。
僕の中にも、天才剣士の愛刀という物語が流れている。菊一文字…実際にある刀だが、僕を打った刀工がそれを打った記録はない。
だが、人々は語り続けるだろう。それこそが愛なのだから。
今もまた一つ物語が生まれようとしている。
そう、これは僕自身が紡ぐもう一つの物語。
この本丸で主と、仲間達と紡ぐ物語さ。
198番 一文字則宗
僕には日記を書く習慣がある
しかし、それは他人から見ればとても謎なものだと思う
だって、日記は1日に2回も書くから
そして、その日記はそれぞれ違う世界のような内容
1つは現実で起きたこと
もう1つは僕自身が現在とは違う立場にある、この場所とは似ても似つかないような場所の『もうひとつの物語』
いつからその習慣がついたかは、僕自身覚えていない
でも、その『もうひとつの物語』は僕にとってなくてはならない存在
僕の精神衛生を保つ為に必要なこと
いつまで続くのか分からない
けど、そうしないと僕は自分自身を見失う
だから、今日も日記を2回書く
現実の日記と『もうひとつの物語』の日記を
もうひとつの物語の中の私へ
あの時、あの人と出会わなかったあなたは、幸せですか?
どんな毎日を送っていますか。
きっと3年前と同じで、日々生きているのが苦痛なのでしょうね。
そうでしょう?だってあの人と出会わなければ私は命の価値すら分からず、理不尽に大切なものを奪う世界をただ呪い、死んでいたでしょうから。
もうひとつの物語の中の私。どうか聞いてください。
あの人と出会わなかったあなたの人生が本当はどうなっているのかなんて、あの人に出会った私では分かりません。
だから、もし、今の人生を全うして、終わりという節目がついたら、お互いの話をしましょう。
数え切れないほど迫ってくる選択で、毎回別々の道を選んだあなたと私の人生はどうだったのか。
どちらが正解だったのか。
私達がいつかどこかで出会えたら、のんびり話をしましょう。
だから、その時までどうか、たくましく生きてください。
いつかあなたと私が出会えることを夢見て。それでは。
恋愛として僕のことを見た君。
僕は君と馬鹿やって話すのが1番好きだった。
もっと普通に遊びたかった、それが楽しかった。
僕が君を振ったから、もう遊べないんだよね。
普通の友達でいいじゃん、恋人よりも友達素敵だよ。
でも君は恋人が良かったんだよね。
まだまだ沢山話してて遊んでたかったよ。
さようなら。
もしもう一度何かのきっかけで会ったら
普通の友達になろう。
(もう一つの物語)
たらればの話をしたってきりがない。お前はいつまで経っても目覚めねぇし、俺は今日も生きるしかないのだから。
「はは。時間が経つのは早えーな。もう、あれから一年も経っちまった。」
誰も俺の声なんて、聞いてるやつはいなかった。
…………
その日は、少し肌寒くて、秋の終わりがけの日だった。
「だんだん涼しくなってきたよね。」
そう言って笑った彼女は、俺の唯一の幼なじみだった。短めの髪に高めの身長。俺はそんな彼女のことが好きだった。
「あぁ、もう、冬だしな。これからまた更に冷え込むと思うと辛いよな。」
「ねー。私は断然夏の方が好き。」
いつものように高校から歩いて帰っていた俺らは、その日、地元で事故があったことを知らなかった。
…………
「あー、すみません。交通事故があったので、あぁ、はい。その道を、はい、そうですそうです。ご協力ありがとうございます。」
どうやら、車が車線を飛び出して歩道に突っ込んだらしかった。
「事故なんて珍しいね。居眠りか飲酒運転かな。」
「あーどうだろうな。」
他愛もない会話をしていると、後ろで叫び声がした。振り向く間もなく、誰かから足を蹴られた。
「いっ……!」
倒れる直前、隣の彼女を見る。すぐ後ろには、黒いパーカーを着た怪しげな男が立っていた。
俺は体勢を立て直すために一瞬目を離してしまった。きっと、それが間違いだったのだと今なら思う。
「あ゛……。」
それが最後に聞いた彼女の声だった。
…………
あの男は、連続殺人犯だったと、あとから報道で聞いた。
事故った車も男とその仲間のものらしく、隣町で殺人をしてきた帰りに通ったのが、俺らの地元だったそうだ。
事故った理由は、仲間の一人が車内で暴れたことだとニュース内で話していた。どうやら薬をやっていたそうだ。
また、車内からは大量の麻薬が見つかったらしい。
幼なじみの彼女はと言うと、刃物で後ろから三箇所刺され、声も出せないほどの重体に。その後、気絶したように眠り、病院へ搬送され、一応、一命を取り留めた。
だが、一年経った今でも目は覚めなかった。
医者が言うには、体の回復はしたらしい。が、精神の問題で起きれないのだと言っていた。
「早く起きろよな。まだ言ってねぇことが沢山あるんだからさ。」
できるだけ優しく語りかけるよう努める。だが、彼女が目を覚ますことは無い。
手から幾本も伸びている点滴の線は痛々しく、死んだように眠る彼女を見るのはいつまで経っても慣れなかった。
「ごめんな。俺がもし、あの時、違う行動が出来てたらお前は助かったかもしれねぇのに。」
病室は静かで。
……………………
鏡をそっと覗いてごらん。
瞳に映ったそのまた向こう。
そこにいるのはほんとのあなた?
ガラスの中を覗いてごらん。
光に透かしたそのまた向こう。
そこにいるのはほんとの私?
世界の狭間を覗いてごらん。
時間を跨いだそのまた向こう。
そこにいたのはあなたと私。
こちらにいるのは、
本当の?
-もう1つの物語-