『ひなまつり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたはいつも雛人形を
片付けるのが遅かったのに
こんな日が来るだなんてね
笑顔で祝福できるほど
わたし大人になれなかった
親から聞いた変な迷信。ひなまつりを過ぎても雛人形を飾っていると娘の婚期が遅くなるという迷信。もしも、娘の[結婚したい]というたった1つの希望を打ち砕くのなら恐ろしい呪詛である。本当だとしたらその呪いは誰の欲望なのだろう。
「昨今の時代背景的にさ、男女以外も用意すべきだと思うんよ。」
偶然、ひなまつり直前に帰省してきた姉がいかにもな顔でいかにもなことを言う。
「え、なに、急に。」
「折角男も女も居るんだからさ、もっとこう……」
口の中でぶつぶつと呟きながら、期間限定パッケージのお菓子の空き箱を黙々と組み立てている。
暇人なんだな、可哀想に。
可哀想なので付き合ってあげることにした。
制服のジャケットをハンガーにかけて、スエットに着替える。
「ううっ、つめたっ。」
「床暖のとこ置いとけばよかったのにぃ〜……よし、できた!」
「……は!?」
可愛らしい桃色の空き箱の上にちょこんと佇む、
お雛様と、侍女。
「……なにやってんの。」
「……スーッ……身分差っていいよね!!!」
「うるさっ!!」
姉は悶えるように顔を覆って、動かなくなった。
お内裏様は壇上にすらあがらせてもらえていない。
「ね、この空いたスペースにお内裏様置けばいいんじゃない?」
「は???こっちはこっちで百合の花咲いてんでしょ。てぇてぇに挟まる奴はお内裏だろうと許せねぇ。」
「桃じゃないんだ……」
「あーーーでもこっっっち、は、あり?かなぁ〜〜〜?いやでも男五人集は奇数なのがいいんだよ……誰か絶対報われないのがさぁ……!」
久々に会った姉のめんどくさいスイッチを押してしまったようなので黙って部屋へと踵を返す。
お母さんへ。
雛人形をはやく仕舞おうが出しっぱにしようが、この人は結婚できません。
「ただいま〜。あっねぇもうお姉ちゃん帰ってきてんの〜?」
「ただいまー。」
「おかえりー。アニメイト受け取りできた?」
「うん。朝イチで取ってきた。」
「そ。よかった。」
「ねぇ、お母さん見て。」
「えっ?……まって天才?天才か?」
「えっ、だよね?」
「やばい、うちの子天才すぎる。ちょ、Xにあげるわ。」
あんたのせいか。
雛人形を出したままだとお嫁に行くのが遅くなる。そんな迷信は今でもあるのだろうか。
私も子供の頃に聞き、家族に早く片付けるようにお願いした。当時はその迷信にひどく恐怖を駆り立てられたからだ。しかし、叶えられなかった。
「うちの地域は旧暦のひな祭りまで飾る決まりだから」
四月頭まで出しっぱなしにされた雛人形。小学校高学年くらいまで、毎年、何度言っても1ヶ月以上鎮座していた。
日付が変わって3月4日だ。もう雛人形を片付けた家庭もあるのだろうか。
羨ましい。その一言に尽きる。
独白 2024/3/3
大人の私と子供の私がいる。
大人と一緒に歳を重ねるのに、
その子供はいつからか成長していない。
ひどく幼稚な考えを俯瞰して見る。
考え方を変えられないことに時々すごく疲弊する。
ずっと押し留めながら一緒にいる。
これからまた時が過ぎ去って
いつしか子供が居なくなった時、
私は喪失感を得るのだろうか。
安堵を覚えるのだろうか。
いなくなることは、あるのだろうか。
ひなまつり。
ひなまつりは
子供の頃
雛人形を
飾ったなぁ。
あの雛人形は
結構怖かったかも?
昨日になるけれど、ね。
子どもの頃、ひな人形を飾ってもらってたのを思い出す。
あとは何だろ、ひなあられ食べたり?
ああ、そうそう。
替え歌作って友だち笑わせたりもしてたなあ。
大人になった今は…
幼少期の思い出に浸りながらちらし寿司でも食べたい。
(花より団子と言うなかれ)
ひなまつりで 特に何もしてもらったこと 無かったな 。
わたし、
あんまり祝ってもらったこと
ないんだよね
わたしのお人形もなかったし
別に思い入れもないから
いいんだけどね
ひなまつり
ひなまつりの日は生家を失った時からお雛様を飾る習慣はなくなってしまったが、唯一続いてるのは、必ず母がちらし寿司を作ることだ。
普段は伝統の行事などもすぐ忘れがちなのだが、その度に母がちらし寿司や赤飯、おはぎなどをしっかりと作っては、ご先祖様にも必ずお供えしている。
その姿勢を見習わなければならない。
これから先も未来が続く限りは、私達にも受け継がれて、そしてゆくゆくは子孫へちらし寿司の味を教えてゆくのだろう。
『ひなまつり』
節分が終わった時、すぐに押入れから雛壇を引っ張り出してリビングに置き、ひなまつりが終わったらちゃんと背中を向けておく父親。
不器用でガサツな父だけれど、そういうところを毎年何も言わずにやってくれるところ、私はけっこう好きです。毎年ありがとう。直接は言いづらいから今日の夕食でお返しすることにしよう。
______やまとゆう
「ひなまつり」
「やあキミよ。ちょっと気になることがあるんだが!!!聞いてもいいかい?!!」
なにが気になるんだ?
「今日は『ひなまつり』なんだろ??ひなまつりってなんだい?」
3月3日はひなまつり。桃の節句の日で、女の子の健康な成長を祈願するためにひな人形を出したりちらし寿司などを食べたりする。
「へーー!!!ためになるなあ!!!教えてくれてありがとう!!!」
「んで、ついでに聞いてもいいかい??キミがスイーツを買うなんて、珍しいね!!!急にどうしたんだい??」
おひなケーキか。安かったから買っただけだ。
「ふーん。たしかに季節感は大事だもんね!!!おお!!!ボクの分もあるのか!!!んじゃ、いただきます!!!うまい!!!」
たまには年中行事を楽しむのもいいか。
そう思って自分もケーキに手をつけた。
ひな祭り
母は今、我が家の姫である。
私がお母さん代わりになってしまったので
甘酒と桜餅、ちらし寿司を作って振る舞った。
セブンイレブンの美味しいプリンを食べたり
買い込んだクッキーを缶に詰め替えたり
大好きな大河ドラマを見たり
私は忙しくて、てんてこ舞いであったが
母はとても楽しそうな1日で
良かった良かった。
と、思っていたら
耳が痛くなったそうで
明日は耳鼻科に連れて行かねば
私は結婚もできず、
子供もいないが
母の介護をしていると
子供を産んで育てている普通のお母さんの
大変さが尊いと心底思う
私は世のお母さんのように子育てをできなかったから
今、介護で疑似的に経験させてもらっているのかな
と、思う。
愛する人との子供を育てられたらどれほど幸せだろうか。
そんな奇跡が少ないのもわかっているが
残りの人生で何かしら子供の役に立つような事がしたいなぁ。
ひなまつりぐらい甘えてもいいのだろう。
ケーキめっちゃ甘かった美味しかった
この家族みんなで食べるのが嬉しかった。
でも、そこには笑顔なんてなかった。
こんなはずじゃないのにね。なんでこうなるんだろ。
考えるだけ無駄なの。でも解決法はあると思うから。
今日ぐらい甘えて今日ぐらいは抱きしめて欲しい。
高校卒業するやつが子供みたいなこと言って恥ずかしいね。でも抱きしめてもらってないから。
こんな愛情普通の子は貰えているのかな。
普通はもらえるのかな。
強いんじゃない。強くならないといけないから。
強くなってんの。何も知らないのにそんな勝手なこと
私に問わないで。
お内裏様を母と一緒に箱から出して、部屋に飾る。美しいお顔立ちは何年経っても変わらず、ガラスの中で静かに微笑みをたたえている。
家が変わっても、わたしと同じ年を歩んでくれたあなたたちへ。
大きな大きな、感謝を込めて。
なぜこうなってしまったのか。今この時もわからないでいる。僕がこんな目に遭うなんて...
僕の名は歌田楽斗(かだがくと)これは大晦日の時のこと。毎年
ひなまつりの楽しみといえば、パステルカラーな三色に彩られたあまぁい餅のお菓子がその時だけ販売されること。
母が三月三日の数日前に購入し雛壇に置いておくので、ずっとチラチラ視界に入って我慢の日々が続くんだ。
今日はやっと、三月三日。
やっと開封できる。
もう口の中であまぁい味がしてきた。
はやくはやく。
さあ、今年も元気に、
いただきます!
成人に与えられたあられ選る不孝のまま幸へ向かっている
ひなまつり
今日は女の子の日らしい。
何したらいいかわかんないけど。する気もないし。
そんなことも考えながら登校してたら、前の女が転けた。いつもなら素通りだが、今日は女の子の日らしい。声をかけてハンカチを貸してやった。
授業中、隣の席の女がくしゃみした。半袖で寒そう。いつもなら何もしないけど、今日は女の子の日らしい。ジャージを貸してやった。
放課後本を借りに図書室へ行った。図書室は広いから移動するのが大変。本へと手を伸ばす女がいた。椅子を取りに行くのも面倒だろう。いつもなら素通りだが、今日は女の子の日らしい。本を取ってやった。
鞄を取りに教室に戻れば田中が1人で掃除をしてる。いつもなら何も言わず帰るが、今日の俺は物凄く優しい。手伝ってやった。
俺が何かした女達と田中は喜んでいた。
良いことしたな、なんて考えながら歩き出す。
ひなまつりってきっと、女の子に優しくする日なんだろう。田中はまあ、オマケだ。
貧乏な我が家は
いつも折り紙のお雛様
それでもしあわせだったし
いまもしあわせ
「ひなまつり」