『はなればなれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
みんなと
はなればなれ
どこにいるだろう
とにかく あるく
まよいながら
みんながめざすところへ
すすんでいく
きっとすぐにあえるさ
みんな おなじところを
めざしているんだから
いまはひとりでも
すぐにあつまって
みんなでわらえるよ
だから いまは
がんばって
あるきつづけよう
【はなればなれ】
何をするのも、何処に行くのも、ずっと私の隣は君だった。そう思っていたんだ。それなのに、高校生になった君は私の隣を嫌がった。同じ髪型。同じ洋服。同じ靴。ふたり向かい合えばまるで鏡に映った自分を見ているようで。君は繋いだ手を振りほどき、私をひとり残した。どうして一緒にはいられないのだろう。君の隣には私ではないどこかの可愛い女の子が君と手を繋いでた。今まではそこが私の場所だった、そしてこれからもそうだと思ってた。いつの間にか君は私の背を追い越し、長かった髪をバッサリと切り落とし、同じ洋服は一着もなくなり、足の大きさが変わり今までの靴は履けなくなった。ふたり向かい合っても私は君を見上げ、君は私を見下ろす。同じ顔なのに同じではなくなってしまった私達。もうあの頃のようには戻れない。さようならもうひとりの私。さようなら、私の初恋。
「はなればなれ」
きっと少しの間だけだよ。
私がこの世の苦行を終えたら
あなたを見つけだすよ。
わかっているから
寂しがらないでいいよ。
心と身体が、心と精神が離れ離れなんだ
私、AOぜーんぶ落ちちゃった。
いろんな人が私がAO入試で受験を終わらせようとしてたことを知ってる。
だから、みんな聞いてきた
「どうだった?」って。
私は笑顔で答えるの。「全落ちだった!!」って。
だって、余計な心配させたくないじゃん。
泣いてくれる子もいて、心配してくれる子もいて、そんな時に泣けるほど空気読めない奴じゃないんだよ。
笑って、取り繕って、大丈夫だよって何回も言った
落ちたことを正当化して、一般に向けての理由付けもちゃんとして
それでみんな「本当にAOに向いてたんだよ。だってめげずに頑張れてるじゃん!」って。
違う。違うんだよ。
今もふとした瞬間に涙が溢れるんだよ。
塾の友達のSNSが目に入るのがいやで全員ブロックしちゃったんだよ。
でも、この気持ちに蓋をして、私は学校で笑うんだ。
あんなに一緒に過ごした日々も
時間も、交わした言葉も
全部嘘だったかのように、
夢を見ていたかのように、
なくなってしまう。
これが「はなればなれ」
はなればなれ
「はなればなれなんて誰かがつかせたバグだよね?
貴方の一生の後悔として添い遂げるよ。
Q.大切なものって、なぁに?
A.今無くしたそれ。
あたしと間違いを犯しちゃったんだ
取り返しがつかないね
健やかなる時も病める時もグロい履歴の中でずぅっといっしょ!」
ーずぅっといっしょ! キタニタツヤー
この曲はドロドロしていてとても重たいが、とても人間の黒い部分を見ているみたいで面白い曲なのでぜひ聴いてもらいたい。
貴方との見かけの距離は変わっていないと思う。端から見れば仲良しの、いつもと変わらない二人。たとえそれが見かけだけのものだったとしても。
シシュンキって云うの?結局、どれほど硬い絆で結ばれていようとも、他人であることに変わりはない。性格の違い、感性の違い、才能の違いに一喜一憂して、そうしていたら、いつの間にかはなればなれ。そう、一瞬。あんなに長い時間を掛けて築き上げてきたものが一瞬で崩れ落ちた。崩れ落ちた絆は邪魔にしかならない。原型を留めない絆の壁が僕達の間に出来上がった。まただ。はなればなれ。
他人である以上、貴方が何を想い、何を考えているのか僕には分からない。隔たりができた今はもっと分からない。でもさ、分からないから関われない?分からないから、はなればなれ?本当にそれで良いのかな。
俺の仕事中は
はなればなれだけど
それ以外は
いつも一緒だから
俺も嬉しいよ
私も嬉しいよ
ありがとね
これからも
ずっとずっとずーっと
よろしくね
仲良くやっていこうね
愛してるよ、夫よ
愛してるよ、妻よ
『はなればなれ』
心と体がはなればなれになりそうな私を繋ぎ止めて、絶え間ない愛情を与えてくれたのはあなただったから、そんなあなたが幸せであってほしいと思いました。
もしも来世がなればなれで始まったとしても、私はきっとあなたを見つけるから心配しないで。
それが偶然であろうと、運命にしてみせるから。
だから、笑って。
今 あなたとは
離ればなれ けれども
どこかで繋がっていると
信じたい
【はなればなれ】
一つの道を貫くと人ってのは離れていくんだよね。そう、つまり今は孤独なのだ。でもさ、離れていった奴らは道を違えただけで奴らなりの道を進んでる。それはそれで良いと思うよ。好き勝手に生きるのが一番良いと思う。そして、良い事風の言葉を吐いてからこれをつけるとぜーんぶ台無し。知らんけど。ほらね。万能の言葉「知らんけど」つまりは適当な事しか言っていないのだ。真に受けるなよ。真面目ちゃん。
隣にいても
はなればなれ
遠くにいても
通じ合う
こころはふしぎ
………はなればなれ
大好きなもの
大人になったら、変わってしまう。
大人でもプリキュアとか好きで居たい。
子供のころ好きだったものが、大人になったたら、嫌いになれるはずない。でも、大人になって見ると昔、好きだったものとは、違うことに興味を持つようになる。好きな趣味と離れ離れな感じがする。
(追加)
この小説を書いたあと、とある乙女ゲームをしてた。
そしたら、その乙女ゲームでも離ればなれという言葉が出てきた…!え?今、ちょうどこのお代について書いたところだ!となった。なんだか、親近感な感じ!
「はなればなれ」
私、ハワイに転校する。
何かの冗談かと思った。
春休みのこと。
中高一貫校の私は中学を卒業して、高校入学のための準備を整えていた。
といっても、中高一貫校なので中学の卒業式はあっさりとしたものだったし、高校も通うところは変わらないのでそんなに準備するものもない。
中学と大きく変わるのは、高校が義務教育じゃないことと単位制になることくらいだ。
高校に入学したら、勉強が忙しくなるから、なかなか遊べないかもと思って、勉強もほどほどにふたりの友達を家に招いてお泊まり会をすることになった。
ゲームで遊んだり、お菓子パーティーをしたり、楽しいとどんどん時間が過ぎていく。
あっという間に夜になった。
私がお風呂からあがると、母と私の友達で何やら盛り上がっていた。
「何の話ー?」と聞くと、母が「さーちゃん、転校するんだって」と言った。
転校?そんな話一言も聞いてないけど…
「どこに転校するの?」
「ハワイ」
あれ、言ってなかったっけ?、と小声で呟いて、さーちゃんは耳に髪を掛けた。
中高一貫校だから高校一緒だと思ってたのにとか、日本飛び越えてハワイなのとか、どうして違う高校行くのとか、聞きたいことはたくさんあったけど、私が最初に口に出した言葉は違った。
「なんでもっと早く教えないのー!」
「ごめん、ごめん。もう言ったと思ってて」
「聞いてないわー!」
全然知らなかった。
ずっと一緒だと思ってた。
いつかは違う道を進むんだとしても、お別れが早すぎるよ。
その日はなかなか寝れなかった。
高校入学式。
さーちゃんはハワイの高校入学の9月に合わせて、一学期までは今まで通り同じ学校に通うことになった。
毎日一緒に登校する、この時間は当たり前じゃなかったんだな、と気付かされる。
1秒でもずっと長く一緒にいたい。
たくさん思い出を作りたい。
私のことを忘れないでほしい。
私は絶対忘れないよ。
こんなに切実なのには理由がある。
様々な理由の兼ね合いで、私はスマホを持っていなかった。
連絡手段の一切を絶たれている私にできることは今を大切にすることだけだった。
さーちゃんにはたくさんの友達がいる。
その友達の間でさーちゃんにサプライズで、送別会を開こうということになった。
皆でさーちゃんの送別会用のプレゼントを考えて数人で買いに行ってくれた。
他のメンバーは部屋を調べて確保したり、装飾品を買ったりと皆で分担した。
私は色紙を買って皆に配ってそれを貼るのがお仕事。
さーちゃん、喜んでくれるといいな。
送別会当日。
皆それぞれお菓子を持ち寄って借りた部屋に集合する。
さーちゃんには私たちの集合時間よりも遅めに伝えてあって、このメンバーの中の数人だけがさーちゃんと遊ぶ約束をしている。
今日こんなにたくさんの友達が集まっているのも内緒なのだ。
さーちゃん、びっくりするだろうな。
さーちゃんを迎えに誘った数人が外へ出る。
私たちは部屋に残ったメンバーは来る時を今か今かと待ち構えてうずうずしていた。
誰かが隠れて驚かそうと言った。
皆、その意見に賛成して椅子の後ろやカーテンの裏に隠れてじっと待つ。
外から足音が聞こえてくるたび、来たんじゃないかと身を硬くする。
ようやくガチャと音が鳴って扉が開いた。
友達が今日は部屋を借りてみたんだよね〜、と話しながら電気をつける。
それを合図に私たちはわっと前に現れた。
さーちゃんは予想通り目を丸くした。
サプライズの送別会だと言うと、まだ何が何だかという顔をしつつも喜んでくれた。
送別会用のプレゼントと色紙を渡す。
さーちゃんは嬉しそうにも少し寂しそうにも感動したようにも見える涙を流して微笑んだ。
それから私たちはお菓子を食べたり、テレビでYouTubeを見たり、写真を撮ったり、ゲームをしたり。
コロナで修学旅行に行けなかった私にとってこの日は最高の思い出になった。
さーちゃんがハワイに行く日は夏休みの途中で、その日たまたま私は学校で学園祭の準備をしなければならなかった。
空港までは見送れないからせめてさーちゃんの家まで行って「またね」って言いたくて、私は朝早くに家を出た。
約束の時間に間に合う電車を逃した。
もう一本後のは降りた後に走ればギリギリ間に合うかもしれない電車だった。
私がその電車に乗ると偶然、予定があって送別会に参加できなかった友達がいた。
その友達も学校で学園祭準備があったらしいけど、私の話を聞くやいなや学校に遅刻してでも一緒行くと言った。
友達と走った。
けど、さーちゃんはいなかった。
もともとさーちゃんのことを見送りたいと言ったのは私なのに来なかった私をさーちゃんはどう思っただろうか。
ごめんね、と友達に謝り学校に向かう。
この日から私は遅刻をしなくなった。
夏休みが終わり、2学期がやってきた。
さーちゃんはもう日本にはいないのに、ついつい探してしまう。
私を守ってくれて、助けてくれて、励ましてくれてたさーちゃんがそばにいなくても、自分で頑張らなくちゃと前を向く。
ハワイで頑張ってるさーちゃんに負けないぐらい頑張って驚かせてみせる。
といっても、全てが順調に行くはずもなく、学園祭でクラスメイトと大喧嘩して一番端の1組までその噂を轟かせたり、小テストで赤点スレスレを取って先生に呆れられたりしていたわけだけど。
それでも激動の2学期がもうすぐ終わる。
期末テストの最終日。
長かったテストが終わり、やっと解放されたと喜んでいたときだった。
急に友達が走ってきて、「さーちゃんがいる」って言って私の腕を引っ張った。
私は半信半疑で友達の後ろをついていくと、髪の毛を染めてよりかっこよくなったさーちゃんがいた。
聞きたいことはたくさんあったけど、私が最初に口に出した言葉は違った。
「だから、なんでそういう大事なこと、早く教えないのー!」
「ごめん、ごめん。驚かせようと思って。大成功!」
「大成功じゃないよ、もう」
3年間は日本に帰ってこないんじゃないかと思ってた。
ハワイに行ってから連絡ができない私はさーちゃんと疎遠になってしまって、学校で嬉しいことがあっても、つらいことがあっても伝えられなくて寂しかった。
だからさーちゃんに抱きついたときちょっとだけ涙が出そうになって慌てて唇を噛んだ。
「おかえり、さーちゃん」
「ただいま」
さーちゃんはその後も休みのたびに飛んで帰ってきた。
送別会の私の涙を返して、と言いたくなるくらい帰ってきてくれた。
どんなに離れていても私たちはずっと友達。
はなればなれ、なんて私たちの前では霧散する。
お金が貯まったら今度は私が会いに行くね。
ねえ、もしはなればなれになって
会うこともままならなくなったら
私と君ならどうするかな
会いたいと呟くことすら哀しくなるから
しないようになるのかな
私と君の会いたいが重ならなくなって
君の会いたいが
私の会いたいが
すれ違ってしまうのは悲しいな
だけどどこかで大丈夫だという自信もある
君も私もお互いを愛するだろう
いつまでもすれ違いがあったとしても
闇の底沈んでしまっても
光があるから進んでいける
お互いの手を離すことはしないでいたいな
はなればなれ
君たちの席は離すよ。
側にいると必ず揉めるから。
文句は聞かないよ。
何度も注意したからね。
改善されないんだから、仕方ないでしょう。
君達の都合なんて関係ない。
ずっと離れていてもらうから。
「はなればなれ」とかけまして
「雑な料理」と解きます。
その心はどちらも「会えない/和えない」でしょう。
はなればなれ
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.11.17 藍
他所へ引っ越すのだという級友が教室の前に立たされて、どんな顔をすべきか困惑したまま視線を泳がせている。去年の夏にやってきた彼の転校に、これと言って感情が動くことはない。ここではよくあることだから。
夏休み明けからは隣のクラスとこのクラスを一つにまとめてしまうこともあっさりと告げ、先生は夏休み前の締め括りに入る。また元気で、二学期に会いましょう。
この土地にずっといるのは、ここで商売をしている家の子供たちくらいだ。引っ越してくるのは派遣だとか駐屯だとかの親の都合がどうとかで、ある日突然現れては知らないうちに居なくなる。赤子の頃からの付き合いなのだと言われる少数人で一つのグループを作ったまま、ただ歳を重ねて大きくなっていくだけ。それが当たり前だったから、たまたま人が増えて二クラスになったときにそれはそれは大騒ぎになった。いつもの顔が隣になく、隣のクラスにあるのだから。
「せっかく離れ離れになったのにね!」
同じ方向に帰る群れの中の一人が残念がる様子もなくそう言った。小さい頃から一緒だった、我が家の前のコンビニの子。
「誰か引っ越して来ればいいのになあ……」
そうぼやくのはパン屋の子。給食がない日の保育園では、パン屋の持ってきたカレーパンを巡ってじゃんけん大会が開催される。でもジャムパンが一番美味しい。
「隣のクラスは二人引っ越して、こっちは一人だから、またクラスを分けるなら三人引っ越して来なきゃいけないんでしょ?無理じゃない?」
リカーショップの子は唸っていた。
「どんどん居なくっちゃうね」
変わらないのは私達だけだね。いつもみたいにそう言えたら良かったのに。
いつも来るのは他所の子で、いつも居なくなるのは他所の子だった。だから私達は、本当の離れ離れを知らない。
はなればなれになってもきっと君のことを見つけるからね
そんな言葉と空を閉じ込めたような瞳を物心ついた時から抱えている。前世の記憶、とでも言うのだろうか。
「……お前、じゃないよな?」
真っ白な毛並みの猫を抱き上げてその瞳を覗き込んでいたら、背後から何処かで聞いたような笑い声が聞こえた。
『はなればなれ』