【はなればなれ】
何をするのも、何処に行くのも、ずっと私の隣は君だった。そう思っていたんだ。それなのに、高校生になった君は私の隣を嫌がった。同じ髪型。同じ洋服。同じ靴。ふたり向かい合えばまるで鏡に映った自分を見ているようで。君は繋いだ手を振りほどき、私をひとり残した。どうして一緒にはいられないのだろう。君の隣には私ではないどこかの可愛い女の子が君と手を繋いでた。今まではそこが私の場所だった、そしてこれからもそうだと思ってた。いつの間にか君は私の背を追い越し、長かった髪をバッサリと切り落とし、同じ洋服は一着もなくなり、足の大きさが変わり今までの靴は履けなくなった。ふたり向かい合っても私は君を見上げ、君は私を見下ろす。同じ顔なのに同じではなくなってしまった私達。もうあの頃のようには戻れない。さようならもうひとりの私。さようなら、私の初恋。
11/16/2024, 10:22:20 AM