『どうして』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「どうして」
人は人を好きになり
恋をするのだろう
どうして
どうしてそんなに耳が大きいの。
─どこへ隠れてもお前を探し出すためさ。
どうしてそんなに目が大きいの。
─どこまで遠くへ行ってもお前を見逃さないためさ。
どうしてそんなに口が大きいの。
─お前を…食べるためさ。
じゃあどうして私を食べないの。
少女はまるいまなざしで、獣の暗い眼を覗き込んだ。
獣は一瞬息を止めた。それから、黙ったまま少女の背後に回り、毛皮の身体で包み込んだ。少女の腕が、獣の頭に伸びる。切り傷だらけのその腕を見ながら、獣はまだほんの幼かった頃、その腕に命を救われたことを思い出した。
獣は、数多の人や獣をその地で殺してきた。いつしか獣の棲む森には、自殺志願者でもない限り誰も近づかなくなっていた。
獣は少女を住処から追い出したかった。少女を殺す気はなかった。しかし、少女は何も食わず、何も飲まず、ただじっとその時を待っているようだった。
どうして、と問いかけるほど、獣は少女をよく知らない。たった一度助けられた記憶が少女の全てだ。だから獣は、こうして夜の寒さから少女を守ることしかできなかった。
どうして、と少女は呟いた。獣は目を瞑る。何へともなくこぼれた言葉は、静かに森の闇へ消えていった。
2023/01/15
気になる人が、好きな人が出来たなら
それは人生楽しいんだろうな
高校入ってから誰が誰だか分からず
すぐに気になる人ができるわけでもなく
丸一年終わっちゃう。
そんなつまらない高校生活やめたいもんよ
【どうして】
1人になる度に自分自身を問いかける
今日の自分は人に嫌な思いをさせなかっただろうか
あの言葉は本当にあれで良かっただろうか
違う言葉だったらどんな気持ちになっただろうか
もっと考えて違う言葉で話せないだろうか
この問いを相手と話す時に考えれればいいが、
考える時にはもう会話は終わっている。
なんで?どうして?
相手を嫌な思いにさせたくないのに…
いい言葉選びが出来ない…
どうして自分は…
人を傷つけるような言葉しか持ってないんだろう
自分をわかってくれる子にも
そんな言葉でしか話すことしか出来ない、
心を包むような、優しい言葉をかけれたらいいのに
自分は出来ない
どうしたらできるんだろうか
【どうして】
『人』という字は
なぜ、『頭』と『腕』がないのかな?
『知識』と『器用』が無くても
生けるからかな?
どうして、みんな私から離れていくの?
どうして、私をひとりぼっちにするの?
どうして、誰もそばにいてくれないの?
どうして、どうして、どうして……
よく、そんな考え事をする。
あの子は、私だけはあなたの味方だから。
とか、居場所になるから。
とか言ってくれてる。
でも、私は信じたいけど、信じられない。
とても、胸が、苦しい。
誰にも頼れない。
誰にも言えない。
どうして?
いつから私はこんなに臆病に、
こんなに泣き虫になったの?
どうして
どうして、君を好きになったんだろう?
優しいから?
他にも優しい人は沢山いるのに
真面目で正義感が強いから?
他にも真面目で正義感の強い人はいるのに
たまに見せる弱々しい表情に庇護欲を感じるから?
他にも庇護欲を駆り立てる人はいるのに
どうしてなんだろう?
君を好きな気持ちはふわふわと温かく、他の人に対しては感じないんだ
「…どうして」
あなたの目には涙が溜まっていた。
ボクは最後の力を振り絞って、あなたの涙をぬぐう。
…あなたには、…さいごまで……笑っててほしかった…
目の前が暗くなっていく。
あなたがボクよりも強くて、この状況をどうにかできることなんてわかりきっていた。
足手まといになるとしても、さいごまで一緒にいて、あなたの危機となるものから守りたかった。
「あんなの…あんなストーカー野郎に噛みつく必要なんてなかったのよ?そんなことしなければ、刺されずに済んだかもしれないのに…こんなのって…」
違うんだ。ボクが勝手にしたんだ。
あなたが、ボクを救ってくれたから…。
ボクは、静かに目を閉じる。そして静かに旅立った。
「午後11時38分、犬のポチさんご臨終です。」
『どうして』
#どうして
「どうして…こうなっちゃたんだろう…」
一人の少女が今にもかぜで飛ばされて何処かにいってしまいそうな、そんな声でつぶやいた。
ー数時間前ー
「どうしてだろうね、私達がこんなことになってしまったのは…」
「まぁ、今さら考えてもしょうがないか。」
「そうだ、最後に来世ではお互いに愛し合うことが許されますように。ってお願いしとかなきゃだね。」
「そうだね。」
こんなことしか言えなかった。
そんな、私とは対照的にかんなは何とも思っていないらしい。
いや、今思えば違った。かんながどんな思いをかかえてるのか私は全ったく分かっていなかった。
「それじゃあ、そろそろこの世ともお別れしなきゃ。」
私は、静かにうなずいた。
「奈央、今までこんな私を愛してくれてありがとう。大好きだよ。」
その言葉に、あぁ…もう最後なんだなと感じた。
「私も大好き。」
そして、お互いに小さな白く丸いものを飲んだ。
少し口の中がピリッとする。
そして、私達は永遠に眠りについた。
はずだった。
あれ、なんで私生きてるんだ。
どうして…
急いで隣を見る。そこには静かに眠っているかんな。
もしかして、
思ったとおりだった。私が飲んだのはただの睡眠薬でかんなか飲んだのは…
馬鹿なかんな。私を置いて、いってしまった。
しばらくの沈黙のあと
「どうして、どうして、どうしてぇぇぇ」
私は、泣き叫ぶ。ただ、泣き叫ぶ。
「かんなぁぁ、なんでおいてくのぉぉ。」
「私を一人にしないでぇぇぇ」
「ひどいよ、かんなの馬鹿ぁぁ」
それから、何時間かたった。
涙はまだ止まらない。けど、声が枯れてもうでなくなってしまった。
静かに流れていく涙…
そして、どんどんかんなの手は冷たく、固くなっていく。
今でもあのときの感覚を覚えている。
本当に私を置いていくなんて、かんなは馬鹿だ。
あれから、何週間かたった。かんなの葬儀も無事終わった。
「大丈夫だよ。かんな、私ね。今からかんなのとこにいくから。」
そう、このナイフでここを思いっきり刺せばいける。
涙を何粒か流し、よしこの世とはお別れだ。
そう思ったときだった。
「やめて!」
後ろから何処か切ないけどあたたかい、そんな声が聞こえてきた。
どうして、ここに。
「だめだよ、そんなことしちゃ。」
私は混乱し、後ろを振り向くことすらできなかった。
「私は、奈央に何があっても生きて欲しかったの。」
なんで、今さらこんなこと言うの…やめてよ。
「奈央が死んだら意味ないじゃん。」
嫌だ。そんな言葉聞きたくない。
涙が止まらないよ。
「泣かないでよ。そしたら、私のここが…心が痛むじゃん」
少し涙ぐんだ声だった。
最後にその声の主は、私を後ろから優し抱きしめた。
そして、
「なんで、こっち向いてくれないの。どうして、名前呼んでくれないの。」 と言う。
そんなの、顔を見たらもっと悲しくなるから。名前を呼んだらずっと一緒にいたくなるから…
けど、そのことは口に出さなかった。
「どうして、何も言ってくれないの。」
その言葉に胸が痛む。
「そっか、もういいのか私のことは。忘れちゃったのか」
「その方がいいよね。」
そして、しばらく沈黙が続いた。
しばらくして静かに彼女は消えさった。
本当にどうして…こうなっちゃったんだろう…
どうして、どうして…
私の心はなぜか少しあたたかく、やっぱり切なかった。
どうして?
自分でもよくわからないんだけどね
なんでこだわっているのか?
何にこだわっているのか?
自分でもよくわからないんだけど
わかるのは好きってこと
あの場所が好き
あの時間が好き
あのなかまが好き
束縛したいわけじゃなく、
自分のモノにしたいわけじゃなく、
ただ、他所を向く余裕が貴方にあるということが許せない。
毎日、目の前のことに必死になってる自分が悲しくなってそれでも頑張らないといけない状況で面白半分でやったことでも許せなかった。
どうして
こうなったのだろう
思っていたことと
違うことがある
想定が甘かったのか
選択が違ったのか
思うことはあるが
今を受け入れて
次を考えるしかない
僕は今、数学の問題と戦っている。
受験に数学は必須。だけれど、びっくりするほどできない数学。
姉ちゃんは昔、中学入ってからコツコツやらないとできなくなってしまうと言っていた。だから、今からコツコツ、と。
うんうん唸っていると、姉ちゃんが僕の背中にもたれかかり、ハグをしてきた。
「困ってしまった弟を見て、あねさんは何を思うだろうか。」
「…なんだよう。」
「いい?想像してみんしゃい。いま私が服を着ていないとして、生のおっぱいがあんたの背中に当たっているとする。」
「生のおっぱいって、やめてくれ。」
「それどころじゃなかろう。」
言わずもがな、かまってほしいのである。
「服は着ているんだね?」
「自分で確認してみてござれ。」
「着てないとかやめてよね。」
「どうでしょうなぁ。」
姉ちゃんは、僕の目元を手で隠す。
なんだか、変なことをされている気分だ。
抵抗せずにボーっとしていると、姉ちゃんはつまらなそうに僕の頭をはたく。
明るくなって姉ちゃんを見ると、よかった、服を着ている。
僕の深緑色のTシャツをダボダボにして着ている。
いや、服に着せられているのだ。
「…姉ちゃんは、どうして医学部を選んだの?」
「人間の中身に興味を持ったから。」
順調に大学へ通っていたと思っていた。
将来は医者になると思っていた。
両親も、娘が国立大学医学部へ進学して、鼻高々だったであろう。
しかし、5年生の途中で中退し、実家へ舞い戻ってきた。
なんで、どうして、聞きたいことはたくさんある。
布団の中で、僕の胸を求めてまで、毎晩泣いているのはどうして。
「お菓子でも食べましょうよ。」
僕の顔をベタベタと触り始める。
「…あぁい!もう!わかったよ!」
僕の手を引き、意気揚々とリビングへ歩き出す姉ちゃん。
ダボダボのシャツの隙間から見えた姉ちゃんの身体は、赤く痛々しい切り裂き傷でいっぱいだった。
笑う私にも、泣く私にも
君が何も言わないのはどうして
どうして
┈┈┈┈┈
私には好きな人が居ます。初恋の幼なじみです。その人を初めて好きになったのは今から11年6ヶ月前です。ですが、それから進学したりなどしてその人の事は好きではなくなったり、倦怠期のような時期もありました。なのに2ヶ月前からまたその人の事を好きになりました。どうしてまた好きになり頭の中によく出てくるのでしょう。その人は私に10年前、指輪をくれたのですが、まだその指輪は持っています。彼はとても積極的で優しかったんです。だからまたそこを思い出し、もう一度好きになったのでしょうね。
でも、10年も会えておらずとても悲しいです。
また会いたいな!!
(実話です。)
キミを抱き大好きだよと言えるのに
どうしてワタシはひとりぼっち
リビングで遊んでいた子がまた「だっこー」とせがんできた。料理する手を止めて目の前でしゃがむと、笑顔で抱きついて来る。ワタシはいつものように抱きしめて、耳元で「大好き」と囁いた。リビングのソファには、スマホゲームに夢中なパートナーがいる。こういう時、どうしてワタシはひとりぼっち。
「どうして」の種類
どこを探してもいなくて 途方に暮れる
あぁ、こんな…親をさがす幼子のような
哀しくて どうして
世界は問で溢れている
ずっとずっとそれは消えない
分からくて どうして
なんで?どうして?
こんなものに振り回されたくないのに
苦しくてどうして
#どうして
どうして
どうして勉強のやる気が出ないんだろう。
やらなきゃならないのに。
どうして
どうして、反省を忘れて過ちを繰り返すんだろう
情けなくて、凹んでしまう
それでもまた反省して、繰り返さないように
するしかないな
がんばれ、自分
どうして、と口からでた葉っぱ
枯葉になっておちる
どうして、と口からでた葡萄
奥歯に酸っぱくのこる
どうして、と口からでたクジラ
海の底まで沈む
どうして、と口からでた蛇口
どうしてどうしてどうして
どうして、と口からでた湯気
肌にまとわりついてぬれる
どうして、と口からでた木漏れ日
さびしい影と幸せをおとす