『ところにより雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
町のはずれ 丘の上に建つ
君のぽつんと一軒家
空にはそこだけ雨雲が浮かび
屋根の上で猫がくつろぐように
黒くとぐろを巻いている
白い格子が絶え間なく
天から地をうがち
わたしはやかましいそれを傘で避けながら
坂道をのぼった
10分ほどかけて玄関ポーチに辿りつき
息を整えながら傘をたたんで
扉を強く叩く
備え付けのインターホンは壊れていて
その横に新たにつとりけられたものも
今はただの飾りと化している
しずかに扉が開かれ
家主がひょこりと顔をだす
電池買って来たよ と
片手にたずさえた袋をかかげれば
彼女は猫のように目を細めた
いつからか この雨屋敷の家主たる彼女の頭上には
雨雲がとりつくようになって
追いやられるようにここへ移り住んでからは
外にもあまり出ていないようだ
訪れる人も今はわたしくらいのもので
彼女の生活に必要なものを買い足しては
月に何度か届けていた
先週買って来たコーヒーを彼女がいれてくれる間に
インターホンの電池や
廊下の電球をとりかえる
今どき珍しい白熱電球
LEDの冷めた色の光が
彼女はどうにもお気に召さないらしかった
用事が全て済んで
話すこともつきてしまっても
帰るとも 帰れとも言わず
コーヒーの香りの漂う部屋で
ふたりでほうけるように 雨音を聞いた
もり塩のように 部屋の四隅に置かれた除湿剤
降りやまない雨は誰の意図だろう
また来るよ と 手をふって
開いた傘の向こうで 彼女も手をふる
丘から見下ろした町は
優しいやまぶき色に照らされている
やがてわたしもその色へ染まるのを
彼女は見ているだろうか
次は花をおみやげにしよう
日だまりの色を束にして
『ところにより雨』
4月1日
雨が降っている
卒業して退屈になってから
中学生だった頃の楽しい思い出を思い出す
今は中学生なのか高校生なのか分からないが
本当にこれで終わりなのかと焦る
入学式もあるしとにかく焦る
嘘だったらいいのに
「本日は......ところにより雨でしょう。」
テレビをつけるとニュースで天気予報がやっていた。
今日は雨が降るかもしれないんだ。
少し残念かもなんて思っちゃう
「あっ!」
彼に傘届けよ
彼は朝傘を持って行かなかったから
少し残念な気持ちも晴れたかも
君に会いに行けるなら雨でもなんだか嬉しいな
─────『ところにより雨』
誰もいない家で熱を出した
起き上がっているのも苦しくて
ずっと寝続けることもできなくて
ただ布団で横になるしかできない
目を閉じると雨のポツポツした音が聞こえる
目を開けても雨のポツポツした音は変わらない
そこだけ世界が切り取られたような薄暗く閉鎖的な空間
こんなに私は辛いのに
みんなは変わらない日常を過ごしていると思うと
外から聞こえるはずの雨は、この空間だけなのではないか
ほんとうはみんなが過ごしてる外は晴れてるのではないか
淋しさが一層増すので早く晴れた青空を感じたい
あの暖かさが恋しい
...ところにより雨
ところにより雨・・・とうか今日は雨のち曇な天気。
桜が一気に咲いたみたいで、河川敷に植えた桜が確かに、咲いていた。(会社に行く時に通るから)
みんなにあわせるのが大切とされるこの国
みんなに適応できない人間は、みんなの中には入れない。
みんなに適応できない人間は余程力がない限り、爪弾きものにされがちである。
毎日、ふるいをかけられるように、「みんな」から脱落していく子もいるんだろう。
世界は広いが、その事実を知るのは視野が狭い時にはなかなか難しい。
みんな仲良く、みんな楽しくが毒になることもある。忘れないで。
ところにより雨
♯ところにより雨
あなたの本日の天気は昼過ぎまでくもりです。
元カレとすれ違うときに一時雷をともなう強風のおそれがありますが、フッたのは間違いではないと確信したのち、ところにより雨でしょう。
明日の予報は快晴です。
いつまでも快晴です。
この傘はね、内側に雨が降るの。
外はこんなに晴れているけど、この傘の内側はいつだって雨。
悲しくなったら、傘をさしてみるといい。
頬が濡れても、雨のせいだよ。
#ところにより雨
雨が降っているところと
降らないところ
どちらに行きたいか問われたら
降らないところ…
だけど、大切な日は雨が多くて
雨降って地固まりながら生きてきた。
沢山の雨が心を洗い流してくれた日もあった
私のところに、雨よ降れ…
テーマ「ところにより雨」
ところにより…
ってことはまぁまぁある
問題は後半の方
『雨』だったり
『雪』だったり
ちょいと気を付けたいのが
『豪雨』だったり
『雷雨』はたまた
『槍』なのか
もはやところにより降っても
ヤバさは半端ない
君はいつも笑っている。
笑っていないときは、ない訳では無いだろうが、
滅多に見ない。
そんな君が今日は笑っていない。
泣いているわけでも、怒っているわけでもない。
でも笑っていないんだ。
君の曇った顔を見ると、
泣き虫な僕はすぐに悲しくなってしまう。
そういうわけで、
僕は君という、
今日だけは淀んだくもりを通して、
雨を降らせる。
僕だけに降る僕の雨が。
「ところにより雨」
「書く習慣っていうアプリやってる人おいで!!!!」
というオプチャは!!
みんな優しくて、とっても楽しいですよ!!
合わなかったらすぐ抜けて構わないので、
気になった方はぜひ来てみてください!
待ってます!
ところにより雨
生きてきた時の中
生きていく時の中
良いことばかりなんてこと
あるはずもない
うまいこといかない
もどかしい
打ちひしがれて
泣きくたびれて
絶望の縁に立ち
弱さを知る
だからこそ
この上ない
あたたかさを感じ
その優しさに涙し
あなたの誠実さを知った
私の人生…
ところにより雨
それも悪くない
あなたと出逢えて
そう思えた
あなたとだから
そう思える
テーマ・ところにより雨
うわああああ暫く書けてなかったなここ
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ところによりどころか今まさに私の近所は雨が降っている
雨の日は洗濯が乾きづらくてしんどいけれど
人があまり出歩かないので静かで好きだ
大通り沿いに住んでるせいなのか、
晴れてると基本1日中人の声がしてるので
そういう意味ではたまに雨があるのも悪くない
明日どうなのよ? そうBBQ行くんだから、確認しといてよ。
うん、天気予報。
えっ? ところにより雨? ところってどこよ。レーダーは? レーダーで見てよ。ビミョー?
かすってる? かするって何よ。うん。あぁ、降るかもっていう青い所がかかってるようなかかってないようなのね。
じゃあ大丈夫私は、晴れ女なの。安心して。
えっ? あなた雨男なの?
で、純平が晴れ男で、さと子は雨女。清弘は曇りが多くて、岩清水が台風を良く連れてくるのね。
そしたら
とりあえず、私と純平が肉焼いてる所にいて、雨から守るね。あなたとさと子は離れてて。あ、あんまりイチャイチャしちゃ駄目よ。そういうんじゃないんだから?
それと、岩清水には中止だってウソ言っておくわ。
『雨模様』
よそゆきを羽織る大事な日 外はひどい雨だった
大事な日なのにまったくどうして 私はひどく落ち込んだ 私は魔法使いじゃないよ 天気はとっても変えられない だから少し考えて よそゆきに滴る雨だれを『雨模様』と呼んでみた そしたらふいに空を着ている気分になって 魔法使いみたく傘振った
巡る季節に
蘇る
君との記憶
振り返れば
まだ少し
しくりと
胸痛んで
想い出地方
まだ
ところにより雨
「ところにより雨」
ところにより雨
ところにより雨
あいまいな天気予報ですね。
ところによつては、降らないの?
降らなかったら、傘荷物になってヤダな。
結局用心深いわたしは、折り畳み傘持って出かけてゆきました!
ところにより雨‥
言葉の受け止めでさえ、性格でますよね〜笑
あの日は雨が降っていた。
とても綺麗だと思った。
あなたの涙に似ていたから。
だけど、雨は嫌いだ。
僕の知らないどこかで、あなたが泣いているような気がするから。
昨日までの天気予報は快晴だったのに、今更になって明日はところにより雨らしい。「明日はところによっては雨が降りそうです」テレビのお姉さんがそう告げた瞬間だめだめだめだめと心の声がもろに溢れ出す。せっかく忙しい中予定すり合わせてお花見デートの約束したのに雨なんて降られちゃ困るってば、お花見なのに雨降ったらお花見できないし、メイクも髪も崩れちゃうじゃん。とはいえ私は神ではないので天気なんて操れないし、できることといえばせいぜい祈るくらいしかない。『天気 変える方法』と回らない頭で検索をかけそうになるも、何やってんだ馬鹿と我に返った瞬間にポコポコとメッセージの受信を知らせる音に飛び上がる。
『雨降らないといいね』
短いメッセージと一緒に送られてきたのは窓際に吊るされた2つのてるてる坊主。ご丁寧に顔まで描かれているが、造形がかなりぐちゃっとしているのは彼の不器用な手先が原因だろう。はーっと長いため息と一緒に後ろのベッドに倒れ込む。可愛すぎ。優勝。
「明日天気にならんと許さんからな」
ひとりごとにしても低すぎる自分の声に驚きながら天井を見つめる。ここは穏やかに微笑んで「あーした天気になーれ♡」とか可愛く呟いておくところかもしれないけどそんな心の余裕はない。晴れにしないとどうなるかわかってるんだろうなと神様に凄んでおく。
明日の天気は晴れところにより雨、改め絶対快晴。
カーテンを左へと寄せてその裏に隠れていた窓を明らかにする。たったそれだけで室内の明るさは〝かろうじて見える〟から〝とてもよく見える〟にまで上がる。
からりとした天候。突き抜けるような青さが朝から眩しくて堪らず、目を覆い隠して眩しさに呻く。
今日こそは。今日こそは。明日こそは。今日こそは。明後日にはきっと。
そんな夢を描きながら毎朝カーテンを開ける。
けれども毎日毎日太陽は眩しく世界を照らす。隅々まで、余すことなくジリジリと攻撃するように。
じわりと明るさにもどうにか目が慣れてくると、窓からすこしだけ距離を取って空を睨みつける。
起床時刻に合わせていたテレビが電源を入れて、早速ニュースキャスターの声が流れ出す。
――劇的な降水量の減少から六年が経ちますが、人工降雨機の効果は薄く、緑地の減少を止めるにはまだまだ研究の必要性が訴えられています――
何度も聞いたような内容にうんざりしながら、恨めしげに空を――そのさらに向こうにある太陽を見遣るのがやめられない。
十年ほど前に戦争が起こった。
その戦争は二年続き、最後にはとんでもない結末を迎えて、ひとつの国が終焉を告げる形で終戦したのだが……その終焉がもたらした置き土産は惑星の自転を歪めて、太陽との距離を狂わせた。
世界の半分に渇水と暮れぬ昼という問題を。
もう半分には低温と明けぬ夜という問題をそれぞれに残していった。
雨がまともに降らなくなったこちら側の世界では、今では太陽は疎ましい存在だ。
日光の九割を遮るカーテンやシャッターがなければ夜を作り出すこともできない。
気が休まらないせいでこの数年で苛立たしそうにしている人々が地上に溢れかえっているが、そうでない人間のほうがレアだった。
――さて本日の天気は晴れ。ですが、ところにより数分ほどの雨が見込める地域があります。どうぞ素晴らしい一日をお過ごしください――
「雨!? どこっ――!」
テレビからの音声に素早く振り返って世界地図が表示された画面を見るが、降雨地域は十数時間の移動が必要な場所だと気づいて落胆する。
自身の身に雨が落ちてきたのは終戦の直後で、そこからはもう雨に打たれるという経験が皆無になってしまった。
そしてこちら側の世界では、雨が降る日はなによりも最上の日と位置付けられるようになり、ああやって天気予報士が羨望を隠して祝う。
ところにより雨が降るでしょう。
その言葉をずっとずっと多くの人間たちが待ち続けている。遠くの誰かを羨みながら。
そしてこの日も、太陽は一度も翳ることなく輝いていた。
#ところにより雨