『たくさんの想い出』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
人の脳とは便利なもの、
その時の情景を映像のように映す。
記憶も再生もお手の物、
しかし限界は常に見えている。
君のノートは不便なもの、
覚えるにも一苦労かかる。
見せたくないことも見られてしまう、
だけど嬉しいことも共有できる。
「どっちがいいの?」
「どっちもいいんだ」
見えない美しさは否定しない。
でも、見える嬉しさもね。
――サメの言うことにゃ、
たくさんの想い出
今日は調子が良い。
顔のコンディションもばっちり。そりゃそうだ、この日のために毎日努力してきて、最高の自分に仕上げてきたんだから。
この日のためのメイクをして、この日のための服を着て、この日のためのヘアセットをする。
今日は半年ぶりに彼に会う日。
開場よりも早めに着いたら、まずは長い列の後ろへ。
お目当てのグッズを開ければ、ランダムで当たるお見送りに当選の文字がチラッと覗く。
今日はツイているみたい。
記憶が脳に定着するのは、大体3〜4歳頃からだと言われる。反対に、人間が死ぬのはだいたい80歳すぎが平均である。
つまり、人間の記憶というものは、ざっくり言って75年分の歴史が詰まっているということになる。
(認知症の方は、ここでは横に置いておく)
人間、それだけ生きればその分だけ、忘れたい記憶も積もっていくものである。
ただし、当然、忘れたくない記憶も募っていく。
そうして僕を紡いできた幾千幾万もの瞬間が、きっと、僕を僕のまま引っ付いて剥がさない強力な糊として機能している。
いつかの記憶の波に翻弄されて、「思い出せない」と「忘れたい」の感情の狭間に漂っている僕。人間の設計図のどこかにきっとある、想い出という名の器官。
無意識と意識を頻繁に飛び交いながら、やがて僕らのデータは色褪せ、或いは美しく変色し、引き出しの中に丁寧にしまわれてゆくのだ。
それはきっと、僕らの人生のエンドロールの中で、早送りの映画の一コマに過ぎないのだろう。
在りもしない記憶に煩悶し、うろたえる僕を置いていくようにして、時代は移り、変わってゆく。
そうして、いつか、人工知能が僕らに成り代わり、僕らのように歩き、話し、笑い、愛を叫ぶ日が来るのかもしれない。
いや、きっと来るだろう。
それでも、僕たちという灯火は絶対に消えない。いつまでも、いつまでも狂おしいほど懐かしい想い出の灯りに照らされている限り。
たくさんの想い出を背負って
たくさんの人からのプレッシャーを受け止めて
たくさんの傷をその心に負ったんでしょ
あんたみたいな人はきっといつか報われる
とか皆言ってるけど
実際、そんな都合がいい様にはならない
俺がそうだからだ
これは実体験だわさ
あんたもきっとそうや
地獄の業火を浴びながら落ちても尚
堕ち続けよう
保育園、小学校、中学校、高校、専門学校、職場。
それぞれに思い出すことはある。
思い出すことはあるけど、ハッキリ言って思い出したくない事の方が多い。
友人や先生の顔はぼんやりとしか浮かばないのに、その時の状況や言葉や、音、匂いなんかは何故かはっきり覚えている。
どれもこれも不快で、うるさくて、臭くて、思い出しただけで嘔吐きそうになる。
ふとしたきっかけでそれらを思い出してしまうと、頭の片隅や胸の奥にずっとそれがこびりついて、数日は離れない。
せめて一つくらい、いい思い出があればいいのに。
END
「たくさんの思い出」
『眼鏡』
たくさんの想い出が詰まっているものと聞いて何を思い浮かべるだろうか。写真がたくさん詰まったアルバム、或いはその写真を撮り続けたカメラ。長年乗り続けて様々な場所をドライブした愛車だと言う人も居るだろう。
私にとってたくさんの想い出が詰まったものは、小学生の頃からかけ続けている眼鏡だ。
私は小学生の頃から目が悪い。今となっては裸眼では視力検査の一番大きいランドルト環すら怪しい始末。
そんな私が文学を読んで感動し、たくさんのゲームを楽しみ、綺麗な景色を見て旅情に浸ることができたのはひとえにこの眼鏡があったからこそだ。
もしこの眼鏡がなければ、文学を読むのは億劫で、ゲームなんて楽しむ余裕も無く、綺麗な景色はいくつかの色がただ無造作に塗りたくられただけの絵とも言えない何かにしか見えなかっただろう。
朝起きたら付けて、夜寝る前に外す。最早何も考えずとも無意識のうちに行うルーティンと化した行為。他人から見てみればただ眼鏡をつけ外ししているだけ、本当にただそれだけなのだが、見方を変えればこれは想い出を作るための行為と言えるのだ。
ほとんどの時間眼鏡をかけているからか自分の目は元々こんなにも視力が良かったかのような錯覚を覚えるが、私が今までに想い出を積み重ね、そしてこれからも作り続けて行くために必要なもの。
写真が詰まったアルバムは私の目で、その写真を撮るためのカメラがこの眼鏡。そして長年使い続けてどこに行くにも一緒だった。
だから、私にとってたくさんの想い出が詰まっているものと問われれば、それはこの眼鏡だ、と胸を張って答えられる。
──お題:たくさんの想い出──
想い出を彩る君の喜怒哀楽
ここから「喜」と「楽」を増やしたい
#たくさんの想い出
【たくさんの想い出】
クローゼットを開けて
日の光が待ち侘びたように入り込む
トランクに詰まった新しい想い出を
大切な宝箱に移してく
日に焼けないように
色褪せないように
あの時のまま思い起こせるように
大切に仕舞い込んで
自分の糧になっていくのを感じながら
そろそろ飾りきれないくらい
たくさんになったそれらを満足気に見つめて
またねと扉を閉めていく
2024-11-18
あ、みつけた。空の星。
遠くにあればあるほど光は薄く弱くなっていく、記憶の欠片。
それでも数え切れない瞬きがあって、消えることだけは永遠にない。
ふと見上げた瞬間、手を伸ばして、また、かき集めてみたくなる。
もう、届きはしないとわかっていても。
ふとした拍子に、幼稚園生とか小学校低学年の頃の思い出が蘇ることがあるんだけど、思い出すことが無いまま十数年が経っていても、きちんと頭の中には残ってるなんて面白いなあって思う。きっとまだ頭の中にはたくさんの思い出が眠ってるんだろう。
たくさんの想い出
一人でもいいじゃない
どこにでも行こう
想い出作ろう
写真に残そう
愛らしい茱萸の実小さな思い出
勇気生まれる深紅のたまご
夕焼けに小さな君を映してたんだ
シルエットモカブラウン
♯たくさんの思い出
有り余るほどの
溢れおちるほどの
貴方との記憶
季節が流れる度に
言葉を聞く度に
そこを見るたびに
私の心は貴方とのを思い出す。
けれどもそれは今とは違う、
消せない思いは
ありすぎて、私をここに留める
いつになれば
想い出になってくれますか?
─たくさんの想い出
たくさんの思い出
少しずつ色褪せても
遠い場所でくっきりと光る
マーブル模様の向こう側
たくさんのおもいで
積み重ねたそれらが、私の財産であり、私の全てである。
まずは枠だけ失礼します!
今日は少し、誰かに読んでほしい気持ちで書いてみます。
お題を見たとき、ハッとして泣きそうになりました。
涙腺の緩みを実感する17歳がここに…。
ちょうど10日後には、18歳になります。
制服を着ているのに成人って、また不思議な感覚で。
ここに来るまでの連なりは、やはり悪いことの方が記憶に残るみたいで、良いものとは呼びたくない。
あんなになりたかった「大人」が近づいて来た今の私は、なんと逃げ出したい心持ち。ないものねだりだなあ、と思います。
ただずっと、生きるために必死だった。
死とは無縁の世界が、少しずつ変わっていって、最も死に近づいたのは5年前かな。あまりの恐ろしさに、生きることが希望に見えました。でも確信にも変わった。
いつか、必ず死のうと。
そのいつかは、きっといつか来るから、それまで生きると。そう決めました。そうしないとやっていけなかった。
心を殺すことも、作った笑顔も、上手になることが決して大人になることでは無いと、最近気づきました。よかった。
2024年11月18日現在の私にとっての「大人」は、誰かを愛せる人です。大切にする。私を取り巻く全て、私の内側にあるすべてに対して、誠実になる。そんな大人になりたい。
求めることはしない。だってたくさん受け取ってきたから。
心が大きく欠けている私は、満ちている人を憎んでしまうかもしれない。だから、私はそんな欠けてしまった人を救えるような人になりたい。そうして過去の私が救われることを願っている。
たくさんの想い出が、私を育み、生かしている。
抱えきれないほどの想い出を、こぼさぬように、なくさないように。
たくさんの想い出
まだ君と2人で出かけた場所は多くないけれど
これからもっとたくさん2人で色んなところに行って
想い出作りたいね
2人で一緒に歳を取って、今までのたくさんの想い出を語り合って毎日を過ごしていきたい
今までの出来事が思い出
それが積み重なって、
たくさんの思い出に包まれる
悲観的な人間であるので、特に自分の人生が輝いていると
思ったことはない。
ただ、振り返ると楽しかったことや嬉しかったことばかりが
想い出として残っている。
その度に自分も捨てたもんじゃないのかもと
一時的に思うことが出来る。
持続力はないけど、一瞬でも自分を楽にできるのなら
想い出を振り返るのも悪くないね。
(たくさんの想い出)
たくさんの思い出と言えば…
良い事も、悪い事も、それは
毎日、毎日、と日々の積み重ねで
今、この時を生きているのだから
過ぎ去った時間を振り返れば
全てが思い出の上に出来上がっている
…と言っても過言ではないかも知れない
その中から、自分に対してインパクトが
あった出来事は誰しも持っているだろうが
この短い文章の中で、何か1つを選べと
言われても……これは正直難しい。
物心ついた幼い頃から今までの時間を
目を閉じて思い出してみると、
どれもこれも鮮明に浮かびあがって
顔がニヤけてみたり、ため息をついたり
時には、涙を浮かべてみたり…
本当に、なに1つとして無駄な経験は
なかったなぁ…
改めてそう感じるばかり
明日からもまた、大切な思い出を
重ねながら1日、1日を大切に生きて
いきたいと思う…