『すれ違い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
チャレンジ90(すれ違い)
買い物から帰ると、家内が言った。
洗剤、追加で頼んだけど。忘れたの?
聞いてないぞ。スマホを取り出し、家内からのメッセージを読み返す。私が買い物している間に、新たな文章が届いていた。早く読んでおけば、店内で対応できたのに。
注意力がないから、メッセージに気がつかなかったのよ。
責められた。こういう気持ちのすれ違いは、虚しくなる。自分に腹が立つ。私は家内に、何を言えば良いのだろう。
すれ違い。この言葉には、物としてのすれ違い、形では表せないすれ違いの二通りがある。「貴方はすれ違いざまに何かを渡した。」これが前者。心のすれ違い、これが後者。
僕には心がすれ違う相手などいないのだから、物としてのすれ違いの方がしっくりくる。例えば、僕等は人生で、「え?そんなに」というほど指名手配犯とすれ違っていたりする。指名手配の効果が低いことに気が付く。貴方は未解決事件の犯人の顔を思い出せるだろうか。僕は、あまり思い出せない。多分、すれ違っても構わないだろう。まぁ、僕はテレビに出ているタレントの顔でさえすぐに思い出せないのだから、参考にはならないだろうが。
すれ違い、というお題で恐らく、ポップな文が多いだろう。その中で、指名手配を書いた、僕の文は浮いてしまうかもしれない。それも魅力だと思ってくれたら嬉しい。
すれ違い
もうどれくらい
会ってないんだろう
ケンカなんてしなければ
素直になっていれば
きちんと謝っていれば
誤解を取っていれば
後悔ばかりが
波のように押し寄せる
空を見上げれば青い月
こんな気持ちじゃ帰れない
ふわっと香る春の匂い。冬がやってきたこの季節に珍しいと思い振り返った。
すれ違い
ちょっとした言い合いになっただけなのに
こんなすれ違いを起こすなんて思ってもみなかったよ。
すれ違い
夫婦って性格が合わない
すれ違うことが多いって
離婚する人多いけど
今まですれ違った人の中で
一番ご縁があった人なんじゃね?
って夫を見てたら
振り返って目があった
「なんだよ」と言いながら
照れて目をそらす
すれ違った人の中で
一番幸せになってほしいという
私の思い
わかってくれてるのかな?
もちろん私は幸せだよ😃
テーマ「すれ違い」
もしかしたら君と
今夜。最後のありがとうと
一瞬のすれ違いを
すれ違い
君とすれ違いしちゃったみたい。
う~む
どうしたものかなぁ。
よぉし!
ぐだくだ考えてないで直球に気持ちをぶつけるぞ!
気まずくてもこっちは普段どうりにする!
相手も気まずくなって負のループだからな!!
あ、でも自分に非があるときはきちんと謝罪をするんだぞ!?
相手と仲良くしたいのならばね。
また逢おう!!
いつの間にかすれ違って
気がついたら距離が離れて
気持ちも届かなくなった
悲しいよね
あんなに愛し合ってたのにね
何だったんだろうって
観てもいないテレビをずっと見つめてた
「すれ違い」とかけまして
「古代から現代までの歴史」と解きます。
その心は「通信/通史」です。
すれ違い
ずっとあの人が好きだった。
だけど上手くいかなかった。
いつもすれ違いばかりで、努力したけどダメだった。
諦めかけていたらチャンスが来た。
どうせまたすれ違ってダメだろうし、すでに諦めかけている。
もう何もせずに次へ行こう。
そう思っていたのに、声をかけられた。
どうしてこうもすれ違うのだろう。
ねぇ、今なに食べたい?
と、彼女が聞く
んーそうだな……ね?
せっかくだから、せーので
言ってみない?
なんとなく、悪戯心でそう彼女に提案して
みた、
いいよ〜
せーの!
たこ焼き
パスタ!
……あれ?
自分とバラバラの答えに2人して
首を傾げる
それから、なにをしても噛み合わず
ズレを感じていた
おかしいなぁ、昔はこんなじゃなかったのに
すれ違い/夜凪
すれ違い通信
懐くね
また今度開いたまま出かけよかな
心と心がすれ違い。
ギスギスし始める。
そんな時は話し合い。
心と心をすり合わせる。
『やっばい、遅刻するぅうう!!』
朝。
全力疾走で人の間をかき分けて通学路を進む。
普段も時間遅めだが、今日はいつもよりも遅く起きてしまったので、始業チャイムに間に合うかどうか本当にギリギリだ。
『ていうか、今日重い……』
リュックの中には、この前まで行われていた定期考査の勉強のために持ち帰った教科書等がわんさか入っている。走る度にリュックが上下して重たい。
しかし、それで走る速度を落としてしまえば完全に遅刻する。歩くことなど許されないので、走り続けるしか無かった。
そのまま走り続けていると、ゆっくりこちらに向かって歩いてくるおばあさんが目に入る。
『(さすがに怪我はさせられないな。)』
おばあさんに近づくと同時に、少し速度を落とす。
『すみませ、……え?』
おばあさんとすれ違った瞬間、時間が止まった気がした。
いや、正確に言えば止まったのではなくゆっくりになったのかもしれない。
今まで聞こえていた喧騒や、車の音が遠く聞こえる。
事故でぶつかる前とか転ぶ前はスローモーションのように、ゆっくりに見えるとよく言われるが、まるでそんな感じ。
走っているはずなのに、一歩が長く感じた。
「___。」
おばあさんは一言。なんと言ったか聞き取れなかったが、何か言ったのは確かだった。
前に出していた足が地面に着くと、遠くなっていた音が聞こえるようになり、時間も戻った。
振り返るとおばあさんの姿は無い。
少し寒気のようなものを感じたが我に返り、今が登校中で時間ギリギリだということも思い出す。
急いで学校へ向かった。
『あーあ……散々だった……。』
時刻は15時過ぎ、学校が終わり帰宅時間である。
朝とは逆にとぼとぼと、家路についていた。
結局、朝は間に合わず教室に着く頃には担任がホームルームを始めていた。
こっそり入り席に着いたが、担任にあとから呼び出され説教を食らってしまった。
『確かに遅刻は行けないけど、チョップしなくたっていいじゃんねぇ……』
担任にチョップされたであろう脳天を擦りながら、愚痴をこぼす。
本気を出していないとはいえ、空手部顧問でもある担任のチョップは痛かった。
『今日は絶対早く寝よう。』
そう独り言を言いながら角を曲がると、足が止まる。
『え?』
目の前には人影がひとつ。
背格好は見覚えがある。
朝、すれ違ったおばあさんだった。
一瞬戸惑ったが、同じ地域に住んでいればこうしてまた会う事も珍しくは無いだろう、と自分を言い聞かせる。
しかし、おばあさんの他に人気はなく、どこか不気味な雰囲気が漂っていた。
ゆっくり歩き出し、再びおばあさんの横をすれ違う。
「やっぱり見えるんだね。」
すれ違いざまにそう言われた。
瞬間、声の方を見るとおばあさんがニタリと笑いながら立っていた。
(朝の時はいなかったのに……)
あまりの恐怖に、体が固まる。
こうして固まっている間におばあさんがのそりのそりと近づいてくる。
(早く……早く逃げ…)
おばあさんがピタリと止まった。
おばあさんの漆黒の瞳と目が合い、心拍数が上がる。
そして不意に足元を見た時、私の心臓は止まった。
おばあさんの足は、透けて無くなっていた。
『あ……あああ……』
「かわいい顔をしているねぇ……」
おばあさんの顔がにやぁとさらに歪んでいく。
私の恐怖は最高潮に達した。
『やだぁあああああああ』
気づけば叫んでおばあさんを突き飛ばし、ダッシュで逃げ帰っていた。
体を無理やり動かし、無我夢中で走った。
家に帰ったあとは、部屋から出てこれずベッドの中でガタガタ震えて過ごした。
そこから数日経ったある日。
学校からの帰り道。
以前の通学路は使えなくて、違う道を使っていた。
すると喪服着た人が数人、近くの家から出てくる。
どうやら葬式をしていたようで、皆、涙を目にうかべながら話している。
「あんなに元気だったのに……」
「交通事故だったからなぁ」
「とても優しかったのになぁ。」
それぞれに話している言葉を聞きながら、空いてる扉から遺影が見えたので、こっそり盗み見る。
遺影にはこの前いたおばあさんの顔が映っていた。
写真を見て思い出した事がある。
小学生の頃、よく掃除しているそのおばあちゃんと話していた。
たまにお菓子もくれて、とても優しかったのを覚えている。
成長するにつれて、時間を変えたのもあってすっかり会わなくなったせいか、すっかり忘れていた。
考えてみたら襲うというより、懐かしむような、そんな口ぶりだった気がする。
もしかしたら、最後に挨拶に来てくれたのかもしれない。
少し切なく思い、遺影にむけて手を合わせるしか出来なかった。
#すれ違い
すれ違い
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.10.20 藍
運転しているとあるゴールデンレトリーバーとすれ違う。
ご主人に歯向かうゴールデン。
急に立ち止まる。
そして笑ってる。
ご主人も、[歩いて]とゴールデンに話しかける。
微笑ましい光景。
友達と仲良く楽しく歩いている君とすれ違う度になぜ自分にはあまり友達がいないのかと疑問に思う
君には笑顔を出したらとアドバイスをされたが、俺にはうまくできないのと昔の出来事が頭によぎって笑顔に対して恐怖を感じる
全く…君が羨ましいよ
すれ違いと言っても
本来の自分とのすれ違いかな…
自分を表現していくことは
本来の自分との差を
埋めていくことだなと
今日一日起こったことで
気がついたんだ
その過程で
こうだった!
と気がつくようになってるし
やってしまった!
うわっどうしようと思ったりする
それを丸ごと手放していく
手探り状態で進んでいく
それ自体が
宇宙的に楽しいことなんだろうな
そんな風に今は思える
〜すれ違い〜
俺は、アパートに部屋を借りて二人で住んでいる。
SNSで知り合い、そして近所に住んでいると言うことで意気投合し、一緒に住むことになった。
しかし、不思議なことに同居人と一度も会ったことがない。
ニアミスは結構あるのだが、その時いつもすれ違ってしまい、顔を合わせず仕舞いで顔どころか性別も知らない。
メールで連絡を取り合っているし、家賃も折半なのではじめのうちは気にしなかった。
とはいえもう3ヶ月経つ。
いくらなんでもおかしいと思い、正直存在しないのではないかと疑い始めた。
さすが本人に確認するわけにもいかず、何か策を使うことにした。
こういうとき、一番ありきたりなのはカメラの設置である
こうすれば、もう一人の存在を確かめられるはずだ。
その日の晩、家に戻ると人の気配があった。
驚いて部屋を覗くと、バイトの後輩の女の子がいた。
「何してるの?」
「何って、ここに住んでるんですよ。先輩こそどうしましたか?」
「いや、俺もここに住んでる。っていうか同居人はお前か」
「みたいですね。初めまして先輩」
「ああ、初めましてって。そうじゃないだろ、男女で一緒に住めないぞ。間違い起きてしまう」
「え、間違いなんて起きませんよ。3ヶ月も一緒に住んで、何もなかったでしょう」
「あれ、そうなるのか。いやでも―」
「大丈夫です」
そのまま後輩に押し切られ、一緒に住むことになった。
あとでカメラを確認したが、ボタンを押し忘れたらしく何も写ってなかった。
写ってなくて正解なんだろう。
さすがに女の子のプライベートを覗くのは間違いだからな。
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危ないところでした。
先輩がカメラを仕掛けるとは。
防犯のためでしょうけど、さすがにダラダラしたりしているところを見られるわけには行きません。
データを消すだけでは、不審に思われるので、行動せざるを得ませんでした。
先輩とすれ違いを演出することで、ミステリアスな存在としてアピール。
そして機を見計らって、運命の出会いを果たす予定だったのですが、計算が狂ってしまいました。
すれ違う期間は、もっと粘る予定でしたが‥
まあ先輩と同居できたので良しとしましょう。
それにしても、的確にすれ違うために先輩の行動を把握していて、本当に助かりました
カメラを仕掛けておいて正解でした。
あとは先輩に間違いをさせるだけですね