『さよならは言わないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
さよならは言わないで
もう会えないみたいだから
さよならのかわりにまたねを
さよならは言わないでよ
私も言わないよ
縁があったら またどこかで逢えるっしょ
だからその日まで さよなら
あ 言っちゃった
「振り返るな、早く逃げろ」
目の前のフェリーンは一向に離れようとしてくれない。危険はすぐそこに迫っているのに。
「どうして聞いてくれないんだ」
握る力が強くなる。このまま体を出すわけにはいかず、俺は膝を付いて彼女に目線を合わせた。頭を撫でて、彼女をどうにか逃がす方法を考えている。
「私を置いて行かないで……ジルまでいなくなったら私は……」
彼女も俺も、両親を殺されている。
特に彼女の方は、最期まで苦しみ、看取ることすら許されなかった。
今でもその心の傷は癒えていない。癒えるまもなく傷は増え、とうとう命まで狙われることになってしまった。
「俺は、お前の家族に誓ったんだ。お前だけでも必ず守ると」
「ここに来るまで、色んな人が手を貸してくれた。命がけでな。お前ならこの意味をわかるはずだ」
震える手を握りながら、彼女にそう語りかける。冷静に、声を荒らげないように。彼女は静かに泣いていた。声を抑えるように、涙を拭いながら聞いていた。
「わかってくれてよかった。それに、俺は騎士で、お前との約束は絶対だ。俺が一度でもお前との約束を違えたことはあるか?」
そこまで言うと、彼女は首を横に振って、着けていたブレスレットを差し出してきた。
「信じてくれるのか……ありがとう。なら、俺からはこれを」
首にペンダントを掛ける。攻撃を受け止める術式を埋め込んだものだ。どうしても離れなければいけない。そんな中でも、彼女には無事でいてほしいから。
「ジル……また、私と一緒にいてくれる?」
「もちろんだ。その為にも逃げてくれ。何年かかっても、必ずお前を見つけ出して会いに行くから」
そう言って彼女を抱きしめる。
彼女の吐息が耳元にかかってくすぐったかった。名残惜しいけれども、彼女を送り出した。
「ジル……行ってくるね」
「行ってらっしゃい、ネイ」
彼女と一生を添い遂げるその日まで、俺はこの命を誰かに渡すつもりはない。
彼女の隣にいられるよう、まずは目の前のことを片付けようじゃないか。
『行ってきますなら、おかえりとも言えるだろう?』
お題
「さよならと言わないで」
さよならは言わないで
その人は突然とても遠い所に引っ越してしまった。
ただ、また会える日を楽しみにしているとだけ
言い残して。
別れの言葉を使わなかったのは
残された私達への最後の思いやりだったのだろうか
だから私もその優しさに少しでも報いるために
その言葉の不確かさに蓋をして
いつかまた会えると信じて。
さよならは言わないで
さよならは言わないで、ありがとうと言おう。
これからも、よろしくね。
長い時間、共に過ごしていくものやひとたちに、
さよならとは、私は、なかなか言わない。
かなり、頑固者ですからね。
さよならは言わないで
さよならは絶対に言わない。
また、会えると信じているから。
さよならはいつか来る。だけど…そんなこと言わないで、私はずっと貴方の腕の中にいたいの。
今までも、これからも
日の出の太陽のように、表情をかえる月のように
頬を撫でる風のように、肩を濡らしていく雨のように
当然の顔をしてやってくる今日
辛くて、悲しくて、前を向くことが難しくて
部屋の片隅で身体を丸める
自らを守るように肩を抱き締めて
明日はきっと、と願い夢をみる
まだ見ぬ明日を、私は夢にみる
だから、
さよならは
寂しくなるから
言わないよ
希望と未来へ
旅立つ君に
『さよならは言わないで』
『またね』
貴女はそう言った
『うん、またね』
私はそう言った
それっきり貴女とは会えていないね
そんなに私の顔が見たくなかったの?
『私達は親友だ!』……その言葉は嘘だったの?
そんな素振りなんて少しも見せなかったじゃない
私も貴女のこと、なんでも話せる親友だと思ってたのに
勘違いしちゃったよ、恥ずかしい
『またね』
貴女はそう言って
『うん、またね』
私はそう言ったんだ
さよならは言わないで『またね』って言ったんだ
お互いに『またね』って言ったんだ……!
ねぇ、どうして相談してくれなかったの?
ねぇ、どうして私は気付かなかったの?
ねぇ、どうして私なんかが貴女の親友だったの?
……ねぇ、どうして──
もう会うことも叶わない貴女に問いかける
──私じゃ貴女の生きる理由にはなれなかったの?
さよならは 言わないで
私達が会ったのは、きっと偶然で。
私達がお互いに好きになったのも、多分偶然。
偶然で片付けるには、奇跡的だと分かってる。
この関係を続けるには、偶然に頼ってはだめだと。
だから、一度離れて見直したいの。
私達は偶然だけで縛られた関係でないと知りたいの。
お願いだから、「さよならは 言わないで」。
私達は、この先を一緒に見られると、期待させて。
やっぱり、私は君が好き。
だから…さよならは言えないよ…
君も、さよならは言わないで…?
さよならは言わないで
普段は『また、あした』『お先に』と言っていて、さよならは使った記憶がない。
さよならは二度と会わないという意味を感じる。だから、日常でまた会う人達には使わないのか。
いや、二度と会わなそうな人にも『またの機会に』などを使っている気がする。
ということは、再会したくない人に使うということだろうか。
『さよならは言わないで』
微かに残る飛行機雲を見上げる
その先に
あなたの幸福が待っているように祈る
これで最後
その台詞を
何回聞いただろう
バカバカしいと
思いながらも
受け入れて
願ってしまう
さよならは言わないで
さよならは言わないで
たとえ、この世界から
僕が消え去ったとしても
さよならは言わないで
僕はずっと
君の中に
寄り添っているから。。。
お別れとか
さよならとか言わないで
私 あなたが好き
どうしようもなく好きなの
See you again
さよならは言わない
せめて恋人のまま 別れたい
by Mr T.Takamizawa
「さよなら」
私はその言葉が嫌いだ。
その言葉を言ってしまったらもう二度と会えなくなる気がする。
「さよなら」
私はその言葉は言いたくない
その言葉を口に出してしまったら傷ついてしまうから。
「さよなら」
私はその言葉を聞きたくない。
その言葉を言われる度に悲しく、寂しい気持ちになる。
「さよなら」
私はその言葉を言う前に伝えたい。
「さよならと言わないで」
うちのまめちゃんが突然関西弁をしゃべりだした。
(まめちゃんは白いボタンインコだ。目がすごく大きくて、うちに来たとき父が「豆大福みたいだね」といったから、まめちゃんという名前になった。)
「オハヨー」「ダイスキ」とか「イッテラッシャイ」とか今朝は普通にしゃべってたのに、学校から帰ってきたら関西弁になってた。一体何が起こっているんだ。
「おはよう」
「おはようさん」
「大好き」
「好っきゃ」
家族の誰も関西弁を話さないのに、いつ、どうやって覚えたんだろう。ちょっと気味がわるいんだけど、まめちゃんがどこまで返事してくれるのか試してみる。
「さよなら」
「さいなら」
「さよならは言わない」
「さいならは言わへん」
「さよならは言わないで」
「さいならは言わんとって」
「さよならは言わないでね」
「さいならは言わんとってや」
すごい。なんか語尾まで全部変えてくる。
そもそもこれが正しい関西弁なのか分かんないけど、多分それっぽいことをしゃべってるとは思う。
でも何だろう。コントのお笑い芸人より、イントネーションがちょっとおっさんっぽい。まめちゃんの中に関西人のおっさんの魂が乗り移ったりしたんだろうか。
「まめちゃん、本当にどうしたの?」
「まめやん、ほんまどしたん?」
うわ、愛称まで律儀に変えてきた!
どうしようまめやんなんて本当におっさんになっちゃう!?やだやだやだそれは嫌だ!
「まめちゃん、せめてちゃん付けで呼ばせてね!?」
「……ええで」
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所感:
「◯◯◯で」型のお題が出ると、脳内で一度は関西風イントネーションで読み上げてしまいます。