『ここではない、どこかで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
もし、君に出会わなかったとしたら。
職場と自宅の往復、質素な一品飯と酒で腹を満たし、シャワーを浴びてちょっと夜更しして寝る。
遊びに誘ってくれるような友人も居ないから、休日は家から一歩も出ないだろうし、飯だってカップ麺一食で済ませてしまうだろう。
近所付き合いも無いから、もし孤独死しても数カ月は発見されないと思う。
誰にも顧みられず看取られずに死んでいったカワイソウな人として処理されて、似たような境遇の骨壷が犇めく、薄暗い納骨堂に詰められる。
想像しただけで背筋が冷えて頭が痛くなる。
クッションに顔を埋めて深呼吸、深呼吸。
少し落ち着いてから、また考える。
もし、君に出会わなかったとしたら。
きっと、こんなこと、思いもしなかっただろうに。
テーマ「ここではない、どこかで」
働いていると、ふと『ここは自分の居場所ではないな』と思うことがある。
きっかけとなるパターンは2つある。
1つは『自分はここでは必要とされていないな』と感じたとき。
このパターンは入社してすぐに気づくことが多い。
働くことへの考え方だったり、信念だったり。
そういったものが社や同僚とうまく噛み合っていないと、なんとも居心地が悪い。
もう1つは『ここではもう得られるものがないな』と感じたとき。
このパターンは長く同じ所で働いていたときに突然、訪れる。
自分の目標も、同僚との付き合いも、全てが停滞しているように感じてしまう。
退屈でたまらなくて変化を求めはじめる。
どちらのパターンにせよ、自分の居場所ではないなと感じたときは、なるべく早めに立ち去ることにしている。
日本では働くことについて『長期』『安定』『継続』が【良いこと】とされ、望まれる。
長く積み重ねることは確かに良いこともあるが、本当にそれだけだろうか。
義理人情を重んじるこの国では難しいことなのかもしれない。
けれど、巣立とうとする背中を後押しする、そんな社会があってもいいのではないか。
……そんなことを思い浮かべて、今日も月曜日がやってくる。
ここは自分の居場所であるか、と問いかけながら。
一週間がまた始まる。
ここじゃなかったらキミに巡り会えてないし...
ここ以外じゃ考えられない現実を踏んできたからきっとわたしはキミが好きなわけだけど
現実にいるきみを想像の空白に押し込めて必死に色があるように着飾っていたのは、虚しかったのはわたしのほうだから
ここじゃないどこかで逢いたいなんて思っちゃう弱さを抱きしめてほしいな。
ずっと、考えていたことがあった。
もし、私がここではない、どこかで生まれたのなら…私はどうなっていたんだろうって。
もっとお金持ちの家に生まれれば我儘に。
もっと平和な家に生まれれば優しく。
もっと、もっと…ってずっと考える。
考えて考えて、今の現状に嫌気がさして。
無意味な妄想の繰り返し。
逃げたい
消えたい
叫んでみたい
泣いてみたい
笑ってみたい
思いっきりやりたい
でもここではできない
いつかしてみたい
ここではないどこかで
【2023-04-17 - ここではない、どこかで】
ここではない、どこかで出逢えていたら
また違う関係性だったのかもしれない
価値観や趣味も似ていて
好きな物も好きな場所も同じで
あなたと居ると毎日が色付いて
こんな風にずっと居れたらどんなに幸せだろうか
そんな事をいつも思っていた
あなたと居る日々が
年を重ねる事にどこか窮屈で
すれ違いが大きな溝になっている事に
その時が来て理解した
始めはあなたが最後でいいと思えた
でもいつしか価値観が変わって
あなたを見る目も変わって
お互いに変わってない筈なのに
お互い変わったと言い合うようになり
そして終わりを迎えた
でも今はあなたを想い出して思う
もしここではない、どこかで出逢っていたら
多分今の私は居ないんだと
あなたと過ごした毎日は
今の私という成分の1つの要素になっていて
多分必要な出逢いだったんだと
もし同じ様な人生なら
またあなたみたいな人と出逢い
多分その時は
ここではない、どこかで
『 ここではない、どこかで』
バイト先ではない同じ学校で君に会えたら私は君に沢山アプローチをしたり話したり出来るのにな…君とはバイト先でしか会えないから緊張してアプローチも話も出来ないや…
こんな形で出会わなければ
もっと二人幸せになれたのかな
もしもまた、出会うことが
出来たらなにもかもなかったみたいに
はじめましてを君に云うんだ
__ここではない、どこかで
あなたが私を選んでくれる
世界線を覗きたい
そこにいる私は
今の私とどう違うの
教えて欲しい
何がダメ?
顔?性格?スタイル?仕草?
そういうことじゃないって?
あなたは誰も選ばないだけ
私はあなたの人生に
参加していたいだけなのに
あなたはそれを望まないんだね
知ってたよ、知ってて介入
させたあなたの弱さが好き
強がらないで素直になって
もうすぐ
ここを去るわたしを
どうか忘れないでいて
ほんの僅かな
偶然を探して
あの人に会える日々が
唯一の救いだったけど
もういよいよ行かなくちゃ
またどこかで
またいつか
あなたに会える偶然を
これからも
まだ暫くの間は
探してしまいそうだから
ここではない、どこかで
またあなたに
出逢えますように
心の糸を真っ直ぐに
手繰り寄せるかのように
- ここではない、どこかで -
「ここではない どこかで」
3分と57秒。私の一番好きな曲
会社を出る前に彼にLINEして
未読なのを確認して
いつものように電車の改札を通って
イヤホンをつける。
電車がホームを滑り出す。
そしてわたしは無音の世界
シン、、、という静寂の中
自分の鼓動が耳奥に響く。
もう一度スマホを確認すると
やっぱり未読
次の駅についたらスイッチを入れよう。
ガタタン ガタタン シュウウウ
ドアが開いてパラパラと降りていく人
電車内では座る人、眠る人、喋る人
そして私は無音の世界
次の駅についたら、スイッチを入れよう。
ガタタン ガタタン シュウウウ
手元のスマホを確認するけれど
やっぱり未読
電車は駅についたけど
私だけがまた無音の世界。
自分の鼓動を聞きながらゆっくり歩いてバス停へ。
明るいバス停のベンチに腰掛けて
手元のスマホを確認するけれど
やっぱり未読・・・
そこでグズグズと
音楽のスイッチを入れる。
あなたのタイムリミットは
3分と57秒。
この曲が終わるまでに
あなたが私の耳元にまで来ないなら
曲が終わったときに伝えよう。
ねえ。もう待つのに疲れちゃった。
わたしをあなたから解放して。
そしてここではないどこかで
私の関係のないところで
勝手に幸せになってよ
3分と57秒
私の一番好きな曲
それは一番悲しい曲
そしてわたしは無音の世界
未読のLINEがタイムリミットを告げる
「ここではない、どこかで」
いつもとは違う自分に。
『屋上モノローグ』
すごくノッポでなくていい 少し高い所から世界を見渡すことが好きだ 身体を少し軽くして 残りの重みで考えることがある 独り言がたんぽぽみたくふわりと景色に溶ける ここではない世界で洗いたての詩になる
ここではない、どこかで
どこかは、ここでしかない
ここでしか捉えられない
ここはここでしかない
どこかでここでない場所なんて
そんなどこにもないどこかに行ったって
結局はここで起こっているって
どこかでわかっているでしょ?
ここに私がいて
どこかに君がいる
だけどそれを問えるのは
ここで
どこかではない
どこかの君がここで問う
ここに届くのかな?
君は君に問うて
私は私に問う
君は私に問うとして
それはすでに私ではない
私だったものに過ぎないし
その私を有するのはもはや君でしかない
ここでない
どこかで
それは無関係で
それを問う時点で
どこかではない、ここでになってる
あなたはあなたから生まれて
あなたはあなたです
そして何処にも行かない
だから
あなたではない誰かに
あなたは決められない
あなたがあなたを決めるんだよ
君が選んだらいいし
誰かに頼ってもいいけど
結局は君が決めることにしかならない
違うって思ったなら変えたらいい
いきなりが難しいなら少しずつでいい
間違いなんて
正しさに向かう為の道標に過ぎない
ここではない、どこかで
楽しく暮らしてるんでしょ?
ここではない、どこかで
今まで一人ずづ家族を失っていく悲しみから解放されてるんでしょ?
大丈夫、祖母と母は僕がちゃんとついているからね。
順番が回ってくるまで、土産話を沢山作っておきます。
亡き祖父へ 孫より。
ここではない、どこかで。また出会えたら、私は何をするだろう。
あなたと出会えた時は、人生の転機だと思った。それから少しずつ話していって、運命だと思った。そして、私はあなたに釣り合わないと思って、姿を消した。それが今。
この部屋には誰も訪ねて来ない。大丈夫、私にはそんな人脈も、人望も、ない。薄ら笑いを浮かべながら手の中の錠剤を見つめる。薄い青。テーブルの上のグラスを見る。コアントロー、レモンジュース、ホワイトラム、まどろみの白。私にはこれが必要だった。
カクテルに小さい頃から憧れていて、必死に調べて覚えた作り方。最後の、最高のカクテル。あなたには結局作ったことは無かったね。
グラスの中に錠剤を入れる。色が変わる。私の好きな色。あの時の空の色と同じ、綺麗な水色。あの時が転機だった。今はレールを外れてしまったけれど。
グラスを持つ。ゆらりと傾けて、水色を濃くしていく。これで終わり。最高の人生だった。
グラスの中身を喉に流す。喉が焼ける。流し込んでいく。グラスが空になり、ひと息ついた。
ここではない、どこかで、またであえても、きっとあたしは、あなたをまだ、あいしているよ、またね――
ここではない、どこかで
泣きたい
辛い
苦しい
助けて
誰の助けも呼べず、ただ
手を伸ばしてくれる人を
期待していて
私はここでは生きられない
私は産まれてくるべき人間ではなかった
神様の選択ミスでした。
私の体と魂の相性が悪かった。
またどこかで楽しんでいきたいね、
ここではない、どこかで。
【ここではない、どこかで】
眠れない夜に散歩をするなんてよくあった。理由は風が気持ちいいからとかコンビニに行きたいからとかそんなもん。ここではない、どこかで何かをしてたいだけ。息が詰まるから。そんな人が近所で私以外にもう一人いるとか奇跡あるんだ、そんな風に思っていた。彼は彼で大変らしい。二人とも少し暇をつぶすだけの公園でたまたま会っただけ。自分以外で深夜にブランコに乗る先客が珍しくて変だと思って声をかけてしまったんだ。
「よかったら、お酒一緒に飲みませんか?」
コンビニで買っただけの缶のお酒。一人で飲むのも空しかったのかもしれない。彼と話してる時の中身のあるようでないような会話が心地よかった。いつも通り散歩をして公園に行っていつもは先にいるのに今日はいなかったってそれが普通だったのに。元からいないのが普通で、話してたのが異常だったかもしれない。その日から、一人でまた虚しく酒を呷るようになった。ある日のニュースのこと。高校生の男の子が死んだといういつもなら気にしないようなニュース。そのニュースには知った顔が映っていた。公園のあの子。
「あー、あの子高校生だったんだ。」
未成年飲酒か。ここではない、どこかでなら許されていたのかな。ちょっとは好きになってきてたのに。
誰にも見つからない
二人だけの王国
そんな場所がどこかにあるって
私達は信じてた
叶わない願いは無い
完全無欠の夢の国
そんな場所を作れるって
私達は信じてた
二人で作った鳥かごの中
誰にも侵されない世界
そこで君と二人きり
作り上げた永世宮廷
だけど君はあの夜に
眠りについた私を置いて
鳥かごの鍵を開け放って
あの手すりを乗り越えた
小鳥がさえずる綺麗な朝と
君が作った綺麗な朱
それは蒼い私の目玉に
こびりついて落とせない
錆びた鳥かごの内側で
毛布に包まる私の夢
君のための王国を
見つけて歓ぶ君の声
君が見つけたその国で
君が幸せでありますように
「−ここではない、どこかで−」
愛想笑い
社交辞令
空気を読む
周りに合わせて
合わせて合わせて
どんどん自分がなくなっていく
そんな感覚
ここではない、どこかへ行けば
わたしはわたしに戻れる?
いや、きっと
そこでもまた違う自分が生まれるだけ
ここでなくした自分は
ここで探して見つけて
わたしに戻していこう
今のわたしよりずっといい笑顔で笑えるように