『あの頃の不安だった私へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの頃の不安だった私へ
エミリーが荷物を片付けていると、古い日記が出てきた。それは彼女が修道院にいた頃のものだ。
「……」
エミリーは丸いメガネの奥の目を細くしてページをめくる。
そこに書かれているのはかつての彼女の不安や苦しみ、そして絶望だった。
元々エミリーも彼女の両親も敬虔な神徒だったわけではない。しかしエミリーには教会が崇める光の精霊の声を聞くことができた。だから売られた。
幼いエミリーはただひたすらに似たような境遇の子どもたちと共に光の精霊の声を聞き、それをシスターに伝える。
そんな毎日を続けたある日、彼女をそこから連れだす勇者が現れた。エミリーは彼の手を取り修道院を飛び出した。
冒険を経て、今彼女は彼と住まう家の片付けをしている。
「もう、大丈夫ですよ」
エミリーはあの頃の自分に呟く。
「いろいろありましたけど、まあ、どうとでもなるものです」
あの頃は辛かったけど。冒険だって一筋縄では全然いかなくて、大変で、でも楽しかった。エミリーはぱたんと日記を閉じてそっと撫でる。その手は当時の彼女が欲したように優しい。
「エミリー、そっち片付いたか?」
「もうちょっとです!」
かけられた声にエミリーは立ち上がる。不安はもうない。
あの頃の不安だった私へ。
高校合格すれば不安無くなるっておもってたよね
誰かの言う通りにすれば良いって思ったよね
そんなことないよ
今でも不安は止まらなくて
病院で安定剤貰っちゃった
安定剤えぐいよ
切れた時凄いけど
結局不安からは逃げれないんだからさ
安定剤にたどり着くまで頑張れよ、みたいな。
私ももうちょっとだけ勉強してから寝ようかな
おやすみ、良い夢を!
なーんちゃって!
応援することなんてないよ馬鹿め!
私が今ここに居て、これを書いてる。
それがあなたが頑張った証拠じゃん?
私が生き証人だから、
他の人から認められなくたって
未来のあなたがあなたを肯定してあげる。
その代わり生きてもらう、みたいな?
win-winの関係っしょ?
だから、とりま人間関係とか置いとこ?
私が居る 大丈夫だから
一旦全部忘れたっていいじゃん。
あなたが忘れたことは私が覚えてる
私が忘れたことはあなたが覚えてる
これも50/50みたいな?
まあまあ、とりあえず寝ましょ
睡眠不足はお肌と脳死の敵なんだから!!
あの頃の不安だった私へ
今は社会に出てもっと立派な大人に
なろうと思って生きてるよ。
大丈夫、会社が不渡にならなくても、天変地異が起きなくても、本当になんとかなった!
不安になるだけ損だった!
私は元気に暮らしてる、安心して!
あの頃の不安だった私へ
不死身になる
お薬を飲んだのは
何百年 前だったかな
逃れられない呪縛は
透明の青い海の
泡になったよ
今日のお題は「あの頃の不安だった私へ」だってさ
僕はパスだな
だって僕はまだ道の途中で、どっちに進めばいいのかもわかっていない
だからあの頃の自分を安心させてあげられる言葉なんて思いつかないよ
神様お月様お星様、どうかお願い
僕の行く道を少しだけ明るく照らしてください
そして立ちすくんだままなかなか歩き出せずにいる僕を笑わないでほしい
拝啓2年前の私へ
久しぶり。今頃の私はどこでどうやって死んでやろうか考えてた頃かな。
本当の本当に辛くて悲しくて悔しくて嫌で全部終わりにしちゃって、来世は鳥にでもなろう。って考えてたね。
でも私は今ものうのうと生きてます。
あの時、海に落ちれば死ねると思って飛び込もうとしたら、怖くなったんだ。
それからも何回か死のうとしたけど怖かった。怖くて怖くて仕方がなかった。
そしたらさお母さんが『あんただけは死んじゃダメ。絶対ダメだよ。』って言ってくれたんだ。
昔の私は知らないでしょ?
めちゃくちゃ不安でしょ?
でもね。死のうとして、死ねなくて、もうちょっと生きてみようかなって思って、色々考えて、今生きてるんでしょ?
そんな私に言いたい事がある。
生きててくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
死ぬのを諦めてくれてありがとう。
そして何より、
自分がどれだけ幸せか知ってくれてありがとう。
これからも私は幸せになれるよう努力するね。
2年後の私より。
これ実話です。
あの頃の不安だった私へ
今はもう不安じゃないよ
でもちょっと不安な気持ちもあるかな
あの頃はまだ受験の時だったから
周りが怖かったんだ
周りから否定されて
あなたには行けないって
ずっと言われてた
怖かった
不安だった
でもいざ受験のときになると
不安だった気持ちが盛れてきた
怖かったんだよ
あの場所が
だけどあのとき誓ったんだ
「絶対に受かる」って
自分に誓ったんだ
”深呼吸して、落ち着いて、
周りにいるのは自分と同じ人間だって”
拝啓、14歳の君へ
こんにちは。気分はどうですか?部活、楽しいですか?
私は4年後のあなたです。
4年後の私から見たあなたは、本当に小生意気です(笑)
でも同時に、思いっきり抱きしめたいと思います。
しんどいね。苦しいね。なんで、世界はこんなに暗くできてるんだろうね。今の私でも思う時あるもん。
そうそう、何も考えていないクラスの人達を見て、あなたはとことん見下してたよね。でも本当は、ああやって友達と笑い合えるのがすごく羨ましかったんだよね。
自分なんか一つも良いところなんてなくて、でもそう思っちゃうのも辛いから、必死にその細い腕で自分の心を守ろうとしてたよね。
ありがとう。私の心を、絶望から守ってくれてありがとう。大丈夫、周りの人達は敵じゃないよ。あなたに幸せになってほしいって願ってくれてる人、たくさんいるよ。大丈夫。世界は苦しいだけじゃないよ。不平等だけど、うんん、不平等だから、良いことも悪いこともランダムにあるんだよ。
だからどうか、あなたが生きている人生に絶望しないで。きっと大丈夫だから。 18歳の私より
大人になれば、不安なんてなくなると思ってた。
不惑なんて言葉もあるし、歳を取れば悟りを開けるような気分でいた。こんな些細なことで悩まなくてすむ。そう思っていたのに。
「ああ、間に合わない!」
なのに私は何故今日も画面を睨みつけながら、必死に手を動かしているのだろう。
締切まであと一日。ベタはほぼ終わった。でも後回しにしていた苦手な構図がまるっと残っている。あの一コマ。この一コマ。ああ、なんでこんなコマ割り考えたかな、私よ。いや、わかってる。この二人の良さを表現するためには必要なことだからだ。
この歳になってもまさか漫画を描いてるなんて、子どもの頃は考えていなかった。煩悩溢れすぎて困る。まだ描き足りない。でも時間がない。締切なんてあっという間に来る。
間に合うかな。間に合うのかな。
毎度感じるこの焦燥感と戦うのに、いささか疲れてきた。それでも気づけばイベントに申し込んでいるし、本作ってるし。何でこうなるのか。
幼い私よ。大人になってもこれだ。
過去の私にそう現実を突きつけつつ、私は今日もまたペンを手に取る。
毎日が辛くて辛くてしかたがなかったね。
どうして私ばかりがこんな人間なのだろうと、誰かと比べては卑屈になっていたその気持ち、今でもすごく分かるよ。
明日が来るのが不安で、生きていくのが心許なくて、死にたい死にたいと口にしては、何とかそうならずに生きてきてくれたね。
ありがとう。
まだまだ苦しい日々を嘆いては、塞ぎ込んだりする時もあるけれど。
たまに何とかなるや、気にしなくても大丈夫だと、ほんの僅かだけでもそんなふうに考えられるようになったのは、あの時のあなたが何とか頑張って、こうしてここまで居てくれたおかげです。
不甲斐ない私だけれど、それでも、まだ。
どうにかこうにか日々を過ごしています。
今の自分のことはまだ全然好きにはなれないけれど。
あの頃の不安だった私へ。
あなたのことが、私は好きだよ。
【あの頃の不安だった私へ】
あの頃の不安だった私へ
正直、現在進行形ですが……
まぁ、人間は君が思っているよりは
助けてくれるし、仲間になってくれる
そして、人のために生きれると
不安は軽減されるけど
相手はよく選んでくださいな
裏切られても、利用されても、全部なくしても
結局、生きて前を向き続ければ
それ相応の対価は貰えたから
諦めず、全てを乗り越えるのではなく
泥水すすってでもはいつくばって
耐える……今は休むときでもあるよね
また、色んな人に話すといい
そういうきっかけも作らんで、周りを避けるのは違う
確かに、全てをなくすきっかけも人だったけど
立ち直るきっかけをくれたのも人でしたよ
少し自分に自信を持って、動けるときにちゃんと動くといい
きついときでも周りのためにボロボロになった君だから
ちゃんと見てくれている人がいるから
弱音は吐きなさい
自分の出し方とか悩まず、ありのままに話せばいい
あの時、頑張った君がいるから今の私があります
馬鹿なことしたなーって思うけど
まぁ、しょうがないよね
今も色々大変だけどこの時があったから
あんま落ちることなく、淡々とやることはやれてるよ
ではではー
凍てついた夜が彼の心を塗りつぶし、照りつける太陽が彼の影を焼いてしまった。
#あの頃不安だった私へ
彼氏と一緒に自宅で受験勉強。
きっと、窓からの風がヤキモチを焼いたんだ。
本棚に隠してた38点のテストがひらりと床に落ちた。
恥ずかしかったのは点数じゃなくて
裏の白紙。
『王子様みたいなカレシがほしい♡』
小学生のわたしが
これでもかってくらいに大きく書いた、蛍光ペンの文字。
うわーと思った矢先
「受験より先に合格!」彼氏が笑顔を見せた。
#あの頃の不安だった私へ
この世界に
生まれたばかり
何もわからない
ここは安全?
この人はだれ?
あの音はなに
寒いのはいや
暗いのはいや
抱きしめて
優しく歌って
あたためて
大丈夫 大丈夫
何もこわくないよ
おいしいね
あたたかいね
気持ちいいね
大きくおなり
一緒にあそぼう
たくさんの
楽しいことが待ってるよ
みんなあなたを愛してる
いつもそばにいるから
安心して ぐっすりおやすみ
「あの頃の不安だった私へ」
#114
今も不安だし死ぬまでずっと続く不安からは死ぬことでしか逃げられない
1秒でも早く死ねるといいね
自分の未来が分からなくて不安だったあの頃。
あの頃の未来に今私は生きている。
守るものができた今、毎日がもっと不安だ。
大切な物を失いたくないが為に目につく様々なリスク。
いつの時代も人間には不安がつきものだ。
でも仕方がない。それが生きているということ。
その不安、無くさなくていいよ、
不安があるからこそ、人は一生懸命生きれらるのだから。
「あの頃不安だった私へ」
~あの頃の不安だった私へ~
毎日楽しい事を数えようと頭を抱える。
どれだけ頭を捻って楽しい事を並べても、それを覆い隠すように不安や虚しさが襲ってくる。
ふと意識を逸らすと、昨日の自分が問いかけてきた。
「不安はなくなりましたか?」
ひとつ消えると
一つあらわれる
私が安心して過ごせた日々は多くないけど
その時々で
死にたくなるほどの
悩みを抱えるけど
時間は進むから
それがたぶん
生きているということ
♯あの頃の不安だった私へ
あの頃の不安だった私へ
教室で立って意見を言うのが
苦手だったよね。
大丈夫。二ヶ月後には平気になるよ。
でも次に生徒会役員になって
壇上に上がって
全校生徒に挨拶しなきゃならなくなる。
心臓がバクバクするよ。
大丈夫。役員のみんながいるよ。
三年生の文化祭では
生徒会バンドで大勢の前で
演奏しなきゃならなくなるよ。
大丈夫。全ての時間を投げ打って
私は本当によくギターの練習したから。
就活で、知らない大人に囲まれて
聞かれたことに、らしくない
なんだか大人っぽいことを
答えなきゃならなくなるよ。
大人たちはなんの反応もしてくれない。
怖くてたまらなくなるよ。
それなのになぜか採用されて
初めての仕事を割り振られるよ。
何もわからないのに
何も拠り所がないのに。
あの頃の不安だった私へ
あのね、あの頃だけじゃなくて
次から次に私には
不安なことが待ち受けてるんだよ。
今もこうして。
でも 今振り返ると大丈夫だったんだ。
だって私は
その時はそれが一番ふさわしい行動だと
信じて歩んできたから。
だからね これからも
不安なことがずっとずっと
こんなふうに続くんだよ、きっとね。
そしてね、大丈夫なんだよ、きっとね。
「あの頃の不安だった私へ」