『あなたに届けたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『物言わぬギフト』
時にギフトは話さない 君の帰りを待つだけだ
太陽が7回以上 昇って落ちた 椋鳥が終わりを告げる 一度終わって初めから ほら地球が再誕するよ
ギフトが君の元へ歩いていくよ
ひとりじゃない
気持ちを
想いを
聴いてるれる人は必ずいる
短いかもしれない
遠いかもしれない
見えないかもしれない
聴こえないかもしれない
有償かもしれない
計算かもしれない
偽善かもしれない
でもとにかく
聴いてくれる人は必ずいる
何でもいい
伝えて
吐き出して
呟いて
叫んで
聴いてくれる人は必ずいるから
【あなたに届けたい】
生きるはずだった娘へ。
出会って別れてからもうすぐ1年になるね。
別れる選択を選んでごめんね。
今後の人生を考えた時にこれからの事を想像出来なかった。
力不足でごめんね。
あの時の事は忘れないよ。
君が頑張ってくれた1時間。
妻と3人で過ごしたかけがえのない時間。
宝物です。
もうすぐ妹が産まれるよ。
空から見ててね。
ありがとう。ごめんなさい。
あなたに届けたい。
だけどあなたは見ない。聞かない。受け取らない。
人が聞けばなんて冷淡なんだと言われるだろう。
だけどある種正解だ。気を持たせたくないなら徹底して拒否をする。
それでいい。でも心のどこかで、あなたが罪悪感から胸を痛めていればいいと願っているのだ。
【あなたに届けたい】
届けたい想いは大抵文字にして届けてるけど
届けたものが受け取られるとは限らなくて.
つかない既読は分からないからしんどくて。
それでもいつか届くと信じて
今日も君に愛を伝えます.
真っ白な箱に真っ赤なリボンをつけて、あなたに届けたいこの想い。
"あなたに届けたい"
居室にて、ベッドの上に乗って蹴りぐるみで遊ぶハナを背に、卓上カレンダーに書かれている予定を再確認して、入念に脳内シミュレーションをする。
三十秒程経った頃、背後から微かに聞こえていた蹴りぐるみで遊ぶ音が聞こえなくなり、振り返るとハナがベッドから降りて開け放っていた扉をくぐり、廊下を曲がって行った。
──来たか。
ハナの後に続いて、──途中で一瞬診察室に入ってデスクに置いていた、クッキーの入ったプレゼント用の袋を白衣のポケットに入れて──正面玄関に向かう。
「みゃあ」
ハナが鳴き声を上げると、先手を取って後ろからハナを抱き上げる。
「おはよう」
来訪者──飛彩が、少し前に錠を外していた正面玄関の扉を開けて院内に入り、丁寧に扉を閉めてこちらを向いて挨拶をする。
「はよ」
挨拶を交わすと、どちらからともなく歩み寄っていき、飛彩は人差し指を差し出して、俺はハナを近付けて──これまでの反応を見るに必要ないだろうが──ハナの匂いチェックに入る。十秒程指の匂いを嗅ぐと顔を離して「みゃあん」と鳴いて、飛彩がハナの頭を撫でた。
「連絡寄越して、今日来るとか急になんだ」
昨日の夜中日記を書き終わらせた後、髪を乾かそうと椅子から立ち上がろうとした時、机の上に置いていたスマホからチャットの通知音が鳴ったと思って見てみると、飛彩からの【明日そちらに行く】とだけのメッセージのみだった。
あれからずっと、この前頼まれて作った資料に不備があったのかと、気が気ではなかった。
だが俺の問いに「それは……」と言いづらそうに口ごもって顔を伏せる飛彩を見て、要件は仕事での《急用》ではなく、私情での《急用》だと察する。
「ん」
一先ず白衣のポケットから、プレゼント包装をしたクッキーを出して、飛彩の胸の前に差し出す。
「これは?」
「久しぶりに焼きたくなって、作ったら多すぎた」
作んの久しぶりで本当はやる予定無かったけど、と続けると、「ほう」と声を上げる。
「綺麗なラッピングだ」
「たまたま良いのが手元にあったから使っただけだ」
「リボンの結び目だけではなく、端までも綺麗に整えられている」
「……うるせぇ黙ってさっさと受け取れ」
俺に何か言わせよう、という魂胆が見え見えの物言いにめんどくさくなって、ぶっきらぼうに一息で言い放つ。
「ありがとう。大切に食べる」
「……一応言うが、食い物なんだからなるべく早く食えよ?」
そう言うと、「善処する」と言って鞄の中に丁寧に入れた。
──本当か?
鞄のファスナーを閉じた飛彩の顔を見ると、「休憩の合間に食べる」と言葉を続けた。
「丁度いい、久しく人前で吹いてねぇから付き合え」
そう言って居室へと歩き出すと、「分かった」と言って俺の後ろを着いてきた。
居室に着くと、抱いていたハナを椅子に掛けていたストールで包んで飛彩に託し、戸棚から出していたケースの蓋を開けてフルートを取り出す。
「……貴方は凄い」
急に感嘆に似た声を出す。「は?」と返すと言葉を続けた。
「俺は、貴方のクッキーを久しぶりに食べたくて、貴方のフルートを久しぶりに聴きたかった。貴方はクッキーを焼いてくれて、今フルートを聴かせてくれようとしている」
恥ずかしさに言葉を止めたい衝動に駆られるが、何とか堪えて次の言葉を待つ。
「何も言っていないのに、どちらも叶えてくれて申し訳ない気持ちと、嬉しい気持ちがある」
そう言い切ると、ハナの頭をゆったりとしたリズムで優しく撫で、ハナが「みぃ」と気持ち良さそうに目を閉じて喉を鳴らす。
飛彩の言葉に、自分がしてしまった事に気付く。
申し訳なく思っているのは、言葉にして言わなければいけない事だからだと分かっているからだろう。好意や、それに近しい思いは直接口にして伝えなければ、いつか大きなすれ違いになる。
それは、俺も飛彩も痛感している。だからなるべく言葉にして、お互いの思いを伝え合う。
それをせずに、ただ自身のやりたい事に、声色や表情で察したように振る舞って付き合わせて。そんな自分勝手な行動が、結果どちらも飛彩のやりたい事で、それを飛彩の口から聞かずに叶える形になった。周りには「熟年夫婦のようだ」とからかわれるだろうが、俺達にはあまり良い事ではない。
「謝んのは俺もだ」
顔を俯かせ、フルートを持つ手に力が入る。フルートの冷たく固い感触が嫌に強調され、胸の奥が冷えていく感覚になる。
「みゃあ〜ん」
ハナの声と手の甲に感じる暖かな感触で、遠のいていた意識が引き戻される。見ると、俺の手の上に飛彩が手を重ねていた。顔を上げると、微笑んで一つ頷いてみせた。
「……ありがと」
そう言うと離れて、ベッドの端に座った。それを見守るとフルートに口を付けて構え、あの曲──Brand New Daysを奏でる。
それまでした事がない、伝えたいニュアンスを付けて。
それまで以上に一音一音を大切に、そして愛おしく歌うように奏で上げる。
──思いを伝え合う。それを決めて今まで過ごしてきたけど、それでもお互い元々の性格が災いして、思いを完全には出せずに。それを時々察した風に、お互いの思いを分かっている風にして。
──言葉には恥ずかしさにできなくとも、こうやって音に乗せて伝える事はできる。音に乗せれば、俺は思いをストレートに伝える事ができる。
──伝える手段は、言葉でなくてもいい。
──俺の相応しい手段は、《音》だ。
──俺にとっての《音》が、飛彩にも見つかれば。その手伝いができたら。
この広い野原いっぱい咲く花を
ひとつ残らずあなたにあげる
赤いリボンの花束にして
この広い夜空いっぱい咲く星を
ひとつ残らずあなたにあげる
虹に輝くガラスにつめて
この広い海いっぱい咲く船を
ひとつ残らずあなたにあげる
青い帆にイニシャルつけて
この広い世界中の何もかも
ひとつ残らずあなたにあげる
だからわたしに
手紙を書いて
手紙を書いて
( 詩 小園江圭子 )
この詩を
あなたに届けたいのです
# あなたに届けたい
いつも私の愚痴を聞いてくれてありがとう。
いつも私を励ましてくれてありがとう。
いつも気弱になる私を叱ってくれてありがとう。
いつも私にアドバイスをしてくれてありがとう。
いつも私に寛容でいてくれてありがとう。
いつも私に寄り添ってくれてありがとう。
いつも私を笑顔にしてくれてありがとう。
私に関わるたくさんの人に、そしてあなたに届けたい。
ありがとう、という感謝の言葉を。
ははーは、それは、東じゃーってかあ(/▽\)♪
もやーし、それは、西じゃーってかあ(/▽\)♪
見合って、見合って、手をついて、はっけよーい、よい。起こった、起こった、起こった、起こった。
それは、相撲の残ったじゃーってかあ(/▽\)♪
なーつの、ゆうーひに、てーるやーま、もーみーじ、それは、秋の夕日じゃーってかあ(/▽\)♪
あなたに届けたい
夜空に昇るオリオン座…一人で見上げ乍ら、あの夜を思い出している…あれから、沢山の冬の夜空を見てきたけれど…あの日から、私の隣には、居て欲しいひとの温もりは戻って来なくて…今は、何処で何をしてるのか、知るすべも無くて…でも、ずっとずっと、隣も空けた儘、探しているよ…今なら、はっきり、きちんと伝えたい…この気持ち、君に、届けたい…
『I LOVE……』
ノートの端っこに鉛筆で書かれている「I LOVE」の文字。続きには黒色で塗りつぶされていた読むことは出来なくなっているけれど、僕の記憶が正しければ、この続きには僕が片思いをしている先輩の名前が書かれているはずだ。15年前の僕、マセてんなぁ。と思い、少し笑えた。
______やまとゆう
『あなたに届けたい』
いつだって全力で夢を叶えようと努力をするあなたの姿。
それに刺激を受けて私もここまで来た。
いよいよ明日は勝負の日。
もしもそれに勝ったら、あなたに届けたいこの想いを伝えようと思う。
______やまとゆう
いつもなら足早に通り過ぎてしまう商店街の花屋の前で、今日は足を止めた。
仕事終わりの帰り道、大寒の、氷の礫が混じっているかのような痛く冷たい風がアーケードの中まで入り込んできた。
吹き抜けていく寒風を肩を窄めてやり過ごしながら、オレンジ色の暖かな証明に照らされた花材を見つめる。
ああ、もうそんな時期か。
なんの変哲もない、黄色い花を咲かせた菜の花が中途半端に二本だけ残っていた。
綺麗なのに残念だ、二本だけでは売れないだろう。
寄り添うこと無く離れている菜の花を眺めていると、花屋の店員が外に出していたポット苗を黒いカゴごと店内に仕舞いはじめた。
ああ、もうそんな時間か。
今ならまだレジを締めていないだろう、と再び外に出てきた店員を呼び止めて、その二本を買い求めた。
テーマ「きみに届けたい」
毎朝君のおはようを聞いて
はち切れそうな想いと
あなたに届けたい言葉たちに
しっかりと封をする
あなたみたいな親友は簡単には見つからない
そんなあなたを失う覚悟なんて
弱虫の僕には一生できそうにない
「あなたに届けたい」
宗教の自由 の次は
政治活動の自由
あなた達は 自由とつけば
明らかにしなくても良いと
思っていませんか?
代表して 岸田総理
あなたに この言葉を届けたい
〝自由には責任がつきものです〟
かの子
あなたに届けたい
私は、生きているよと。
あなたに届けたい
私が見た、美しい景色を
あなたに届けたい
毎年忘れない、おめでとうを。
短い返事でも
時には返事なんか、なくても。
遠くから気にかけてるって
きっと、伝わってる。
掴みどころのない関係は
たまに、必要で。
あなたに送るメッセージで
私は、少しの充足感を得る。
【お題:あなたに届けたい】
あなたに届けたい、筆を折ってしまったあなたに
絵を描くのを怖がらないで、嫌いにならないで
あなたにはあなたしか描けない絵があるんだ
白いキャンパスに自由に表現していいんだ、誰かと比べずに、人の目なんか気にせずに
あなたらしい色を混ぜてみて、大丈夫、黒に染まっても、紙を変えて、またはじめればいいんだ
人生も絵も何度でも、また、えがこうよ。
たしかにあなたは正しいことをしている。
けれどそれは正義ではない。
あなたは大切なことを忘れている。
(あなたに届けたい)
真っ直ぐ投げた筈の紙飛行機
ふらふら飛んで ぶつかって落ちた
何光年も遠く離れた現在地
敵わないと解った まだ求めてる事
頑張ればもう一度飛ばせるよ
憧れた場所はどこにも行かないから
ちょっと時間掛かりそうだけど
私の行きたい場所まで 届きますように
遠く離れた君の居る場所まで
どうか落ちずに 飛んで行けますように
あなたに届けたい
この思い
あなたには届いてるのかな
この思い
あなたに届けたいな