『あなたとわたし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたとわたし
わたしとあなた
あなたはわたし
わたしはあなた
あなたもなくわたしもなく
あなたはありわたしもある
えのぐをまぜたようにまったくひとつ
それぞれの個はまったく完全
おおきな創造のちからの源流
時間も存在しない
空間も存在しない
命の 存在の 動きがすべて
ひとりこどくは幻想
ひろくほどけて消える限界
ながれきたるなら逆もまた可なり
「高く上昇」して至聖
「低く下降」すれば虚し哀し
手の届く ここに
至難の概念を要さず
天の梯子も要さず
そして
あなたはあなたの
わたしはわたしの
尊きを識る
あなたはわたし
わたしはあなた
あなたとわたし
向き合いて嬉しき
あなたと私何が違うかな?
どこからあなたで、私なの?
境界線をとり払って同じものとみる
そうすれば、私たちは幸福の中に消えていく
11/7「あなたとわたし」
「おーきなくりのー きのしたでー」
姪っ子ちゃんが精一杯伸びをして栗の木を作る。…木なのかな。栗の方なのかな。まいっか。一緒に作る。
「あーなーたーとー わーたーしー なーかーよーくー あそびましょー おーきなくりのー きのしたでー」
お互いを指差し、胸に手を当てて左右に揺れて、最後にもう一度栗の木を作る。
「もいっかい!」
「やるの?」
「やる! おーきなくりのー きのしたでー あーなーたーとー わーたーしー」
そう、ここには元気いっぱいのあなたと留守番をするわたししかいない。
歌い続けてかれこれ20分。
お姉ちゃーん、早く帰ってきて〜。
(所要時間:7分)
11/6「柔らかい雨」
はらはらと降り続く雨に打たれ、そのまま溶けて消えてしまいそうな心を抱え、もう30分も公園のベンチに座っている。
大好きな人が亡くなった。スマホに流れたニュースで知った。そのスマホを握りしめたままで、風に流れるような雨にただ座ってさらされている。
温かくはないが冷たくもない、雨は優しいあなたの歌のようだ。この世界の誰もを見守っていてくれる、そんな気がした。
もうしばらく、この雨に打たれていよう。ここであなたを感じていよう。
(所要時間:7分)
11/5「一筋の光」
もしも、闇の中に一筋の光が見えたなら、それは必ずしも救いと言えるだろうか。
人はその光の先に飛び込んでしまうだろう。そこにどんな光景が広がっているかもわからずに。
闇から這い出たそこが一面の砂漠だったら。
そこが核戦争後の何もない世界だったら。
そんなことを考えながら、安全を知らせる。地下シェルターを開けるのが僕らの仕事だ。
(所要時間:8分)
11/4「哀愁をそそる」
「秋は夕暮れ」だったかな。…「夜」だっけ? まあいいか。
イチョウ並木とその葉が吸う陽の光で黄金色に染まる道を、落ちた銀杏の実をよけながら一人歩く。はらはらと落ちる黄色い葉。冷たくなってきた風も相まって、物悲しい気分になる。
大型犬を散歩する老夫婦。目で追っていると、思いのほか大きな声で犬に吠えられて、飛びずさった拍子に銀杏の実を踏み潰した。
あー…。
ちょっと違う意味で物悲しい気分になった。
(所要時間:7分)
11/3「鏡の中の自分」
アイラインばっちり。睫毛もいい感じに盛れた。よし、可愛い。
今日はナツミと買い物。お茶した後にトイレに入って、手を洗う。
何気なく隣に並んだナツミは可愛くて、私は―――何だろう、ぼやけた顔の冴えない女だった。
「何でだろ」
30分も化粧したのにな。呟いた私に、鏡の中の私は困ったように眉を寄せた。
(所要時間:7分)
【お題:あなたとわたし】
夢の中のあなたはいつも楽しそうだ。
私には出来ないことを当然のようにやってのけ、見ず知らずの人と交流して、無尽蔵の体力で駆け回る。
おかげさまで、目が覚めた時にはもうくたくただ。
少しくらい休んでくれないだろうか。私は休みたい。
やっとの思いで確保した睡眠時間に大運動会を繰り広げられてはたまらない。身体は休めても、心が休まらない。
くしゃりと握り込んだシーツが冷たい。私以外の誰の体温にも触れることがないのだから。
あなたの周りにはあんなに沢山の人がいたのに、私のそばには誰もいない。
誰も。
……急に、怒りを覚えた。
あなたは私だ。夢の中の私だ。なのにどうして、あなたばかりが笑っているのか。
私もその顔で笑えるはずじゃないか。
枕元でけたたましく鳴り出したスマホをひっつかみ、アラームを止める。
慣れた操作でメッセージアプリを立ち上げ、業務用のグループに体調不良の旨を書き込んでそのまま電源を切る。
今日は休む。私も、あなたのように遊びたい。
自然と笑みが溢れた。それはあなたと違って邪悪で下劣で、怠惰なものだろう。
それでもいい。今日は私が楽しむ番だ。
夢の中のあなたも私を見ていればいいのに。いや、
「見てろよ」
私が楽しそうにしているところを見せつけてやる。
今晩のあなたが悔しく思うほど、思いっきり羽を伸ばしてやるんだから。
わたしは「わたし」を信じていない。
わたしは嘘をつく。わたしは何もできない。わたしは弱い。
だからあなたを信じられない。
こんなわたしに良いところなんてあるはずない。
でもね、
わたしはあなたを信じたいの。
わたしの嫌な部分にも、わたしの良い部分にも向き合ってくれるあなたを。
だからわたしは「あなたといるわたし」から少しずつ信じてみようと思う。
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「依存してみるみたいでださいね」
「人間なんてそんなものでしょ。絶対的な自信も、最初は周りの評価が積み上がってできたものなんだから」
「なんでも認めてくれるじゃん、怖いよ?」
「君自身が弱いことを認めてるのはとても素敵だと思う。でも弱いことは悪くないんだってそう思って欲しい」
「ふーん、わたしのこと好きすぎない?」
「そうやって、わざと自分に自信をありそうに見せるのも好き」
「うるさい、もう帰る」
「じゃあ、また明日」
「うん、また明日」
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「あなたとわたし」
「あなたとわたし」
「久し振りだね…あれからもう二年が経ったね…実はわたし……今度結婚するんだ」
かつて結婚を誓ったあなたへ…ようやく結婚の報告が出来たよ
「すごく優しい人でね、人柄に惹かれたんだ。きっかけはあの事故で私の担当になってくれた医者の―」
あなたを裏切った事になるのかな?
天国のあなたは「そんなことないよ」って優しく微笑んでくれると思うけど…
「…あの人待たせてるからそろそろ行くね。あなたが大好きだった甘栗、お供えしたから沢山食べてね…さようなら」
大きな栗の木の下で
あなたとわたし
栗の木の下敷きに
大きな栗の木の下Dead
あなたとわたし
あなたと私は仕草も言動も考えることも全て違う。
けれどあなたといると落ち着くの。
あなたとわたしは正反対。
けれどあなたのおかげで強くなれたの。
あなたとわたしは別の人
あなたにはあなたの考えが
わたしにはわたしの思いがある
あなたとわたし
別の人だから
傷付け合っては
辛くなってしまう時もあるけれど
あなたとわたし
別の人だったから
一緒にいる楽しさも温もりも
わかちあうことができたんだね
【あなたとわたし】
【 あなたとわたし 】
死を司るものとして、この世に生まれた者同士。
一人は天上の世界へ誘い、一人は責め苦の世界へ連れる。
互いを知ってはいるものの、会うのは稀だ。
顔を合わせたところで、仕事ぶりをちらりと見るだけ。
が、たまたま目が合った。
「意外と丁寧な仕事するんだね」
「少しでも楽にしてあげようと思って」
どちらの行き先なのかは決まっているが、
死者には分からない。
どちらであっても、案内人としては安堵を与えたいものだ。
お互い、示し合わせたわけではないが、似た思考なのだと初めて知った。
また会ってみたいな。
名前も知らない、他種族の相手。
それでもきっと、気が合うはずだ。
まるで、鏡合わせのような君だから。
⟬ ガシャーン⟭
「貴方と私、何が同じなの?」
彼女は持っていたグラスを床へ投げ捨てた。
「待って!怒らないで!」
僕は彼女を抱きしめる。
「大丈夫だから…僕が居るから。ずっときみのそばに…」
「嘘よ!穢らわしい!触らないで頂戴!!」
あなたとわたし、わたがしたわし
って、どっかで聞いたことあるなと思ったら、元ネタは某ショート動画アプリが発端らしかった。
そしてあなたではなく君だったので、私の記憶力がだいぶ曖昧だったことに気がついた。
しかし、こんなよくわからん韓国のアプリからよくわからんネタ、よく流行するな……と思い私はブラウザを閉じ、再びラインの返信に戻った。
「あなとわたし」
あなとわたしは正反対。そりゃ人間だからね。だけど、1つだけ共通点があるの。それは、壊れていると言うこと。
今回のおかしい気がする…………最近どんどん小説が………おかしくなっている
あなたとわたし
昔から、あなたとわたしは、正反対
だったね!
あなたは、宿題を最初に全部終わらせて
海や山のレジャーの計画を立てるタイプ
わたしは、のんびり自由研究や
図画工作 読書感想文など自分の興味を
掻き立てるものを遊び感覚で、終わらせて
苦手な数式や元素記号 小難しい古語の
プリントなどは、後回しにするタイプ
あなたは、ショートケーキの苺を必ず
最後まで取っておくよね!
ふわふわのスポンジと甘い生クリームを
一緒に食べて口の中を溶けさせてから
甘酸っぱい苺で口直し
わたしは、爽やかな苺の酸味の余韻を
口の中に残してから、甘い生クリームを
頬張る。
そうすると口の中にショートケーキがまだ
丸ごと残っている感じがするから
あなたの好きな色は、ブルー
わたしの好きな色は、ピンク
あなたは、物事を はっきりと口に出して
言うよね?
私は、おどおどして、人の顔色ばかり
窺ってしまう...
こんなに正反対なのにどうして私達
一緒にいるのかな?
でも...不思議なんだけどね!!
私...あなたになら、自分の気持ちを
ちゃんと言えるんだ。
あなたは、私は、私のままでいいって言ってくれたから だから私はあなたの隣に
居たいって思えたの!!
あなたのおかげだよ!!
ありがとう! 大好きだよ!!
働いてるヒト。
働いてないヒト。
あなたとわたし。
ずっと
耳を塞いでた
微かな音さえ
聞きたくなくて
控えめに降り出した
柔らかい雨が
音を立て始め
雨音が
大きなコートで
優しく包み込むように
雑音を消す
窓辺で
激しく降り注ぐ
無数の雨粒を
羨ましく見てる
アスファルトの上
粉々になって消えて行く
儚い
雨粒達を
「柔らかい雨」
好きな食べ物も好きな色も違うし。
私はインドア派、あなたはアウトドア大好き。
生活リズムも合わない。
なのによく一緒にいるよね、って周りから言われる。
ほんとにね。
なんでだろうね。
共通するもの1個もないのによく一緒にいられるね。
「あるじゃん、共通するとこ。お互いがお互いのこと大好きなとこ」
そうやって。
あなたがドヤ顔でそんなこと言うからすぐ反応できなかった。
「……くさっ」
「ちょいちょい、そこ、照れるとこな」
「無理。むしろキモって思った」
「ひでーな。けど、事実だろ?」
まぁそうだけど。
「……そーゆうの、他の人に言わないほうがいいよ」
「言わねえよ、お前にしか」
「あ、そ」
思いのほか、真面目な展開になっちゃった。もし友達が見てたらバカにされるだろうな。あと、羨ましがられる。こうやってストレートに気持ちを伝えてもらえることを。それってなかなか無いらしいから。
理屈じゃないのかも。
趣味合わないしたまに喧嘩するし、ちょっとぬけててバカだけど、やっぱこの人じゃなきゃ駄目なんだよなあ、私には。
「何考えてんの」
「なーいしょ」
私もいつか、照れずにストレートに伝えられるようになりたいな。
好きって言うの、案外むずかしいんだよ?
あなたは私に、「全然違う」と言う。
私はあなたに、「そうだね。でも同じ人だよ」と答える。
あなたは私に、「こんな風になるなんてありえない。絶対世界は変わらない」と言う。
私はあなたに、「でも未来をどうするかはあなたが決めることだから。どうやったって、変わる時が絶対にくるよ」と言う。
あなたは今度は何も言わずに、むっと口を引き結んだ。だから私は微笑んで、そっとあなたを抱きしめた。
「あなたが生きてみようとしてくれたから、あなたが私を守ろうとしてくれたから、それが未来に繋がってこうなれたんだよ」
年取って何にも考えずに暴言吐いてくる奴と一緒にいる若者の脳は萎縮したりしてないのか。社会が衰退するならこういうところじゃないの。
あなたとわたし。
【あなたとわたし】
「秋を拾ってきたよ」
と、あなたは枕元にどんぐりとまつぼっくりを置いた。
「風邪治ったら一緒に行こうな。それまでゆっくり休めよ」
あなたはそれだけ言って帰って行った。
あなたとわたしみたいなどんぐりとまつぼっくり。
元気になったら一緒に秋を拾いに行こう。
「あなたとわたし」
目の前にいるあなた
わたしと同じで同じじゃない
何が違って何が違わない
あなたは私で私はあなた
謎かけなのかな?