『あなたとわたし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたとわたし
あなたとわたしは違うところがたくさん
なぜこんなことするんだろ
腹が立つこともたくさん
でも、あなたを助けているようでこちらが
助けられているのかもしれない
だれもひとりで生きていないのだから
あなたに今日もありがとう
あなたとわたし
手袋越しに伝わるぬくもり
寒いね。と言うあなた
白い息のぬくもり
あなたとわたしが
親しくなったのは
お互い似てるから
それとも違うところに
魅力を感じたから
あなたとわたしが
一緒にいるのは
一緒にいて楽だから
それともドキドキして
あこがれたから
理由はどちらでもいい
それとも両方かもしれない
時代が変わっても
変わらず一緒にいたいだけ
題「あなたとわたし」
095【あなたとわたし】2022.11.07
「これはいわゆる、まいない、というものだと理解しましたが?」
畳の上を滑らせるようにスッと差し出された厚みのある封筒を、水上代議士は一瞥するなりそう言った。
「私も、清潔、の一枚看板で、有権者の皆様からご支持をいただいている存在です。自らその存在意義を損壊するようなことは、いたせません」
「……ですよね……」
しかし、そのような拒絶は刈谷も折り込み済みである。
「では、寄付として」
「同じことです」
水上はにべもなかった。
「現在私たちは、あなた方の関与の疑いが濃厚な汚職を追求しているのです。ここでこうしてあなたとの歓談に応じていること自体が、私にはすでにリスクです」
「承知しております」
刈谷は頭を下げてみせた。
「ですがこの町は、いまだに、農作業から帰ってきたら軽トラの運転席になにやら包があったりするようなところです。しかも、それを選挙の時にはつきものの臨時収入とすら見なしている……バレはしません。それに、バレたところで、なんの波風も立ちはしません。そういう町です」
と、ズイっと封筒をより水上の方に突き出した。しかし、
「どのような不正も、明るみに出ない、ということはない、と私は思います」
水上代議士には、いささかも動じる気配はなかった。
「もし私が受け取ったら、その時点で、この不正はもうすでにふたりの人間が明らかに知っていることになります。それは、あなたとわたし、です。このふたりがじっと口を閉ざしてこの不正を墓場まで持っていけるか。残念ながら、私はお約束できません。ひとりが口を滑らせたら、知る人間はたちまち三人になります。三人にもなればあとはねずみ算式でしょう……人の口には戸は立てられぬ、とはよく言ったものです」
畳の上の封筒から身を遠ざけるように、水上は膝をにじらせた。
「故事の通りに、天知る地知る、とまで言うのはいまどき流石にナンセンスだと思いますが、それを受け取ったことでたとえわずかでも私の様子が変化したら、この店の従業員がまちがいなく気が付きます。それはマスコミのためにわざわざ足跡を残すようなものですよね」
まさに立て板に水、淀みなく言い終えると、水上は、
「私はここで失礼させていただきます……これ以上ご一緒しても、フェアにお話はできそうにありませんので」
と、さっさと座を立ち部屋を後にしてしまった。後ほど確認したら、水上は、勘定もきっちり自分の分は支払って帰ったとのことであった。
刈谷は、拍子抜けしたように、しばらく動けずにいた。それから、畳の上に置き去りにされた封筒をしまい、しびれが切れた足をいたわりながら膝を崩した。
影に回って賄賂の工作をすることなど、刈谷にはもはや慣れたものであった。だが、不正を口外せぬとは約束できない、などと真正面から言い切られるとは。こんなことは、これが初めてであった。
空間には、いまだ、水上の清爽さの残滓のようなものが漂っているような気がしてならなかった。その爽やかさに、まさか、自分が動揺している、とは、意地でも認めるわけにはいかなかった。なんとなく、いまこの場に居残っているのは、あくまでも、足のしびれがとりきれていないせいだ。刈谷はおのれに言い聞かせた。言い聞かせながら、微妙にしびれの取れぬ足の感触に悩まされ続けていた。
|あなたとわたし|
あなたとわたし
同じ人間なのに
育った環境も違えば、性格や考えも違う
人間とは不思議なものだ
みんな違うからいい
違うからおもしろい
鏡に写ったワタシが喋る
『あなたとワタシは運命共同体、ワタシはあなた、あなたはワタシ、この運命からは逃れられない
あがいても無駄、どんなにあなたが拒否しても、ワタシがこの手を離さない限り、あなたとワタシは離れられない
諦めてこの現実を認めなさい、あなたはワタシ、ワタシはあなたなんだから』
「......ハッ」
短い息が口から漏れ、ベッドから飛び起きる
思い出せない、でもとっても嫌な夢を見ていた気がする
初めてじゃない感覚
私が私じゃないような、そんな何度も何度も繰り返すような不安感
ふと、自分の手を見つめる
確かに私の手のはずなのに、私じゃないような...
感覚を確かめるように手を握って開いてを繰り返す
手のひらに少し伸びた爪が当たって、ピリッとした痛みを引き起こす
大丈夫、ここにいる私は確かに私だ
そんな確認をして、ベットから立ち上がる
普通に仕事があるのだから、そろそろ起きなくてはいけない
寝起き特有の少し重い体を揺らしながら洗面台へ向かった
洗面台の前に立ち、鏡を見る
「うん、いつも通りの私だ」
起きた時に感じた不思議な感覚を、嘘だと自分に思い込ませるようにそう呟く
瞬間、鏡の中のワタシの口角が上がった...気がした
「えっ?』
世界が回る
まるで鏡の中に引き込まれるように
次の瞬間私は鏡の前に立っていた
さっきと変わったのは私の周りに何も無いこと
そして鏡に映る知らないワタシの姿
『ここはなに?!ねぇ!ここからだしてよ!!』
私は必死に鏡の前の知らないワタシに叫びかける
そんな私を無視して
ワタシはさっき見た不気味な笑顔で私に告げる
「だから言ったでしょ。私はアナタ、アナタは私この運命からは逃れられない
あなたはこれからそっちの世界でワタシとして生きていく
せいぜいそっちの世界でワタシの人生を楽しみなさい
じゃあネ」
......手が、 離れた
本能的に感じた感覚
ふふっ...
という笑い声を最後に私はワタシを置いていった
『おねがい、ここから だし テ......』
お題:『あなたとわたし』
わたしはなんで
自分に甘いのだろうか
頑張らなきゃいけないときだって
十分理解してる
だけど、努力できない
あなたは違う
いつもわたしより上手くできて
わたしの先をゆく
ちょっとくらい、待ってくれたって
引っ張っていってくれてもいいじゃん
あなたは前ばかり行くけど
わたしなんか、前に行くどころか
左右に揺れて、後ろのめり
どうしても一歩が前にでない
ねぇ、どうしたら前に進める?
努力したら報われるなんて言葉
大っ嫌い
報われるまで努力するなんて言葉も
大っ嫌い
努力が報われないのは努力が足りないからって言葉も
大っ嫌い
何年も前から積み上げていたものが
積み上がり切ってしまったから
もう積めるところがない
ここ数年、達成感を感じれたことがない
自分では頑張ってきたつもりだけど
結果が追いつかなくて、心が死んでいくだけ
変えたい
こんな自分を変えたい
何をしたらいい?
何があれば変えられる?
わからないよ
けどさ、
やっぱりなんでもいいから
やらないことには、始まらないんだよね
これでまた、だめだったらどうしよう
今度こそ立ち上がれないかもしれない
もう一度だけぶつかってみようかな
やれるだけやって死ぬなら別にいいや
もう終わりにしよう
あなたとわたし
あなたが指先を鍵盤の上で踊らせている時、わたしはそれを左斜め後ろから見ている。楽しげに弾み、時にしっとりと沈み、あるいは微笑みのような柔らかさをたたえる。単音も和音も、短調でも長調でも、あなたは全ての音を等しく愛おしげに奏でる。まるで全て、その指先から生まれ出た我が子のように。わたしの役目は、彼らをあなたの指先から旅立たせることだ。つっかえることなく一人一人が宙を漂うには、わたしの手が必要だ。
わたしがキッチンに立っている時、あなたはそれを右斜め後ろから見ている。わたしが何を切っているのか、何を煮込んでいるのか、何を混ぜているのか。指先を大事にしなければならないあなたは、わたしを少しも手伝えないことにはがゆさを覚えてつい手を出そうとする。わたしはそれをすかさず止めて、ゆっくりと首を振る。残念そうなあなたは、しかしそこを離れずわたしが全ての工程を終えるのを待っている。あなたの役目は、わたしがつつがなくキッチンを離れるのを見届けることだ。美味しい料理の完成には、あなたの瞳が必要だ。
あなたとわたし
類似するところはあっても
全然違う
でも、違うからこそ
友達なんだろうね
この分離の世界で
永い時をかけ
全てを味わい終えた時
肉体を脱いだ
あなたとわたしの
境界線は溶け入り
大海に降り注ぐ
無数の雫たちのように
大いなる一つの
源へ還る
「あなたとわたし」
『あなたとわたし』
あなたとわたし、何が違うのだろう
同じ人間のはずなのに
あなたに出来て、わたしに出来ないことがある
わたしに出来て、あなたに出来ないこともある
あなたにあって、わたしに無い物がある
わたしにあって、あなたに無い物もある
全てのことはお互い様
わたしだけが大変なわけでも
あなただけが大変なわけでもない
でも、人はつい「わたし」のことばかり考えがちになってしまう
「わたし」が「わたし」のことばかりを考えたなら
「あなた」も「あなた」のことばかりを考えるだろう
それはきっと悲しいこと
わたしがあなたを
あなたがわたしを
お互いに考えられたなら
そこにはきっと穏やかな「あなたとわたし」が待っている
だから、僕は「あなた」のことを考えたい
[あなたとわたし]
偶然、わたしの作る話を読んでくれたあなたへ。
ありがとう。
誰かに読まれて初めて、作品として命を持てるから。
わたしの話が生きるために、
出会えたのが、あなたでよかった。
あなたとわたしは全然違う。
あなたと違って、私には誇れるような才能がない。
けど、私には自慢の家族がいる。
優しくて温かくて、帰る場所を与えてくれる、私の唯一の家族。
私が自分の命を投げ打ってでも大切にしたい宝物。
家族が大嫌いで縁を切っているあなたとは違う。
ほらね?やっぱり…
あなたとわたしは全然違う。
あなたとわたし
あなたとわたし。
性格は真反対。好みも違う。
なのに一緒にいたいって思えるのは、
あなたのことが本当に好きだから。
でもあなたには言わない。
あなたの隣には、もう別の人がいるから。
わたしを選んでくれたらよかったのにな。
その人よりもずっと好きでいるのに。
とか思ってる。
ずっと好きだったよ。
あなたと私では
何が違うのだろうか
あなたの方が幸せそうにしているのが
きにくわないと思ってしまう
自分がどんどん嫌いになっていく
頑張っても追いつかない
いつまで努力したら、追いつけるのかな
あなたとわたし
あなたはわたしじゃないし、
わたしはあなたじゃない。
あなたとわたし
あなたとわたしは、巡り巡って出会う運命にある、そんなロマンチックな関係ではない
話せれば楽しい、
あなたと一緒にいない時間があっても寂しくない(長すぎれば寂しいが)、
お互いに悩みを話せる、
境遇が少し類似してて、根本的な考え方が似ている
この関係は何と言うんだろう
あなたは、わたしからすれば、気が付けばわたしを一番救ってくれていた人だった
自分が人と違う、その部分を気にしていたわたしの話を否定もせず、肯定もせずに聞いてくれた
それがどんなに助かったか、今でもあなたには分からないはず
例えるなら、あなたは優しい光で夜空を照らす月や星のよう、あるいは緑の葉で彩られた木々かもしれない
自然と同じように、気が付けば傍にあって、安心できる存在、それこそがわたしにとってのあなただ
だから、わたしはあなたに会えない日が来ても、あなたの幸せを願う1人でいたい
趣味が違う
性格も正反対
にぎやか好きのあなたとひとりが好きなわたし
好きな食べ物が一緒
使うメモ帳が同じ
お互い振り返って目が合う
そんな“あなたとわたし”
あなたとわたしの違いなんて
たった一つしかない
ただ誰かに引かれたレールを歩むことしかできないあなた
ただ従順に純粋に命令に従う日々
けれど誰もあなたを愛してくれはしなかった
心が壊れてしまったあなたは
あなたを苦しめてきた人々に復讐を始める
わたしにはあなたを咎めることはできない
だってあなたは
あの日わたしの手を握って連れ出してくれた彼と
出会うことができなかった
もう一人のわたしなのだから
あなたが笑えば私も笑う。あなたが怒れば私は泣く。あなたが困ってたら、どんなことでもしてあげたい。
私が笑ってもあなたは適当に相槌を打つだけ。私が怒ってもあなたはスマホを見つめてる。私か困ってたら露骨に面倒くさがる。
私は初めと何も変わらないのに、あなたは変わってしまった。またあの頃みたいに、2人で笑っていたいのにーー
『あなたとわたし』