『あじさい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雨粒が、緑の葉を揺らす。聴こえてくる蛙の混声合唱に、私は窓の外を見やる。
「はぁ……」
そのご機嫌そうな声と裏腹に、私は小さくため息をつく。この天気じゃあ、多分お客さんは来ないだろうなぁ。それに、何よりも棚の本が湿気るし。
「君たちはいいよねぇ、雨の日に楽しそうで」
私は思わずそう一人ごちる。まあ、雨の日なんて楽しいわけでもないんだけど。
そう呟く私の視線の先には、紫陽花が雨に濡れて鮮やかに色付いていた。
紫陽花の花言葉は
移り気 浮気 無常
らしいよ?
でも、色ごとなら良いことがたくさんあった
紫陽花の一つにまとめた花言葉は残酷だ
そう感じるのはきっと僕だけかな......
# 32
あじさい
ーねぇ、知ってた?
紫陽花って土の性質で色が変わるんだ。
酸性だと青、アルカリ性だとピンク、その真ん中だと紫。
僕の家の近所に、この季節になると紫陽花が咲く場所があるんだ。・・・今度、見に行こうか?
今は、忙しくて無理? 大丈夫だよ。
ーちょっと話は変わるけど、紫陽花の花言葉って知ってる?
いろいろあるんだけど、「辛抱強さ」ってあってさ。
意外だけど、紫陽花の花期がとても長いことが由来なんだって。だからまだ大丈夫。
・・・今は無理でも、いつか一緒に見に行けるといいね。
お題 あじさい
久しぶりに電話をかけた
あなたの声は昔と変わっていて
私が居なくてもあなたは
生きて行けるのだと感じると心寂しくて
雨の中でも美しいあじさいのように
生きて行きたい
あじさい。
あじさいを
見つけると
暑くなる。
酸性とか
アルカリ性で
色が変わる。
白いの
最近
よく見るなぁ。
「アジサイの葉は毒をひめている」
寝腐り、あけはなれた。ぼくはたべても、きっとあまくはない。
まだ、まだ。死の幽香を懐孕していながらも、ねたりない。おやすみなさい。
あじさいの花が咲いてるのを見ると貴女が隣で綺麗だねって笑っている気がする。でも貴女が好きなのは青じゃなくて赤だったよね。知ってた?赤いあじさいが咲いてる地面はアルカリ性なんだって。ここに血を垂らしたら貴女の好きな赤色のあじさいが咲くのかな?人間はアルカリ性だもの。でも貴女が好きだったあじさいを汚すのは嫌だな。
ずっと青いあじさいが並んで咲いているなか小さな赤色のあじさいのかぶが一つだけあった。それは貴女の墓の上だった。貴女は自分から自分の好きだった物へ生まれ変わったのかな?そうだったら良いな。
紫陽花の別名は、「七変化」
花言葉は、「移り気」「辛抱強さ」「浮気」「無常」
リトマス紙の様に色がころころと変わる為
浮ついたイメージの言葉がついている。
でも、見方を変えれば何色にだってなれる
万能な花なのかもしれない。
例えば百合や薔薇の花のように
何ものにも影響を受けず
一本気に我が道を行くのもありだし
紫陽花のように
環境に影響を受けながら、生きるのもありなのだと
教えられているような、そんな気持ちになる。
――あじさい――
出かける前にじっと見つめる
穏やかで可愛らしいアジサイ
一つ一つの花々が水の雫で踊り飛び跳ねる
楽しそうでもいつか散る
残酷だけど美しく成る
傘だけに話しかけた
私は散っても美しくない?
あじさい
額紫陽花の花言葉は“謙虚”
小さなお花が集まるその様や
まわりのガクが、メインのお花だと間違われてしまうところ
目立たずひっそりと咲くその姿は
まさに“謙虚”さをあらわしているけれど
“本当は私が、”
って思っているような気がするんだよね
でも、それで良いと思う
あなたが主役の季節が来たんだから
あじさい
夏になったら咲く花
紫だったり青とか赤だったり
一つの花が集まって
大きい花を形作る。
なんだか少し切なくなった。
#あじさい
「もういい!話したくない!」
教室に響いた私の声
教室を飛び出して帰り道をとぼとぼと歩く
ふと道の横にある花壇を見ると
不思議なくらいに綺麗なブルーのあじさいが咲いていた
でも一輪だけ
他の花はまだ蕾のままだった
「早く咲いたらいいね」
私はまた歩き出した
涼し気な季節から
纏わりつくような空気に変わった
ジトジトと雨が降り
気分も落ち込む
まるで私の心の中
無常の恋なんて無い
ほらね
貴方はまた他の花に移り変わる
あじさい
様々な色がある
ピンクや青
全て綺麗でいい色
人も様々な個性がある
だから、自分に自信をもって。
ずぅっと残ってる 。
美しくなくっても
堂々とずぅっとここに残ってる。
カレと一緒にみたあじさい。
傘をぶつけ合いながら
笑い合いながら
あじさいの横を通り過ぎ行った想い出。
ずぅっと残ってる。
美しくなくても
ずぅっとここに残ってる。
「まだ君と一緒に居たいなぁ」
カレと私の想い出は
ずぅっとここに残ってる。
だから大丈夫。
安心して。
「俺が死んでも、ちゃんと幸せになってね。」
あじさいはずぅっと残ってる。
2人の想い出もずぅっと残ってる。
だから
だから
新しいあじさいを、私は見に行くね。
「あじさい」
紫陽花
私は梅雨の時期が終わると死んでしまうと医者に宣告された。だから私は1日1日を大切にしようと考えた。じゃあ何が出来るか考えたらそうだ、梅雨がくる前に、紫陽花の種を道路沿いに植えて梅雨が来たら満開になる。そしたら皆も見れるし私も見れる。だけど私は梅雨が終わったら死んでしまう。だから紫陽花の種まきを早々に終わられた。そして毎日、水をあげたり、土を変えたりしていると、梅雨が来た。やっぱり大雨が降った。計画通りに紫陽花が花を咲かせた。私は早朝にその紫陽花が咲いている道を歩くとそこには、一人の男の人がいた。私はドキッとした。何故ならめちゃくちゃ早く来て紫陽花見てるなんてビックリします。私は勇気を出して言ってみた。
[あの~、何してるのでしょうか?]
私がそうゆうと、紫陽花を見ている人はこう言った。
[イヤー、立派な紫陽花だな~~と思って。]
私は紫陽花を好きな人に初めて会い、境遇の仲間がいたことを心の中で喜んだ。そしてその人は、
[もうこの紫陽花も見れなくなるんですよ。]
えっ?と心の中が急に静かになった。私は、
[何故です?]
そう言うとその人は
[この梅雨が終わると死んでしまうんです。]
私はドキッとした、私と同じだ。
[私もです]
そうゆうとその人は
[そうですか、私と同じですね。]
そういった。
[じゃあ!死ぬ前にいけるところいきましょう?]
と言うとその人は
[えっ?良いんですか!行きましょう!]
笑顔で良いながら歩き出したので私も笑顔でその人についってった。
あじさいは、
ほんとにきれいだよ
雨の中
凛とそこに佇む君は美しかった
美し過ぎて泣いた
自分がどれだけ醜かろうと
君はそこにいた
そこで僕を見ていた
いつか枯れてしまう命だったとしても
晴れの日よりも雨の日の方が
君は美しい
僕もそうでありたい
もう誰も住まない家の庭に
今年も紫陽花は
かわいい花を咲かせた
誰にも見られず
ほめられもせず
細かい雨にうたれる佇まいに
なぜだかわたしの胸は疼いた
#あじさい
降りしきる雨の下
雫をかぶってうなだれるように咲くアジサイ
己を盛りとも知らないで