『あいまいな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
講義をサボって街に出た。
一時間一本のバス、大学に向かうそれとは逆方向。三十分かけて、人の少ない車内に揺られて王様気分。
少し前に友人と行ったカフェでお茶をして、駄菓子屋で大人買い。そうだバスボムを買おうとスーパーを覗く。
……知ってた? 商店街ってバスボム売ってないんだよ。
カモメの鳴き声が聞こえる。別に確認したわけじゃないし、海辺の出身でもないから、本当にカモメかはわかんないけど、とにかく海の音がする。
海の方とは真逆に歩くと、山の麓に踏切と鳥居。鳥居の奥に秘された踏切はなんだか大仰な気配がした。
みんな仕事してるのかな、学校かな。戻ってきた商店街には客が居ない。
あーあ、明日からどうしよう。今日の講義、中間テストなんだよねぇ。
正直不安で仕方がない。物語で見るような破天荒な性格でもないし、だからと言って真面目が性に合うわけでもないから、休んじゃったら仕方ないって気分と、落としたらどうしようって気分が同居してる。
はぁ。ため息が出た。空を見ると曇ってる。やだな、こんな時くらい晴れててよ。商店街のベンチに座って一休み。すぐに体がソワソワして歩き出す。あてもない。早く帰ったほうがいいのにさ。
自己責任、自己責任。別に自由が嫌いじゃないけど、欲しかったわけじゃないし、うるさいお母さんに怒られて過ごすのも嫌いじゃない。自由が欲しい大多数と違って、敷かれたレールをただひたすらなぞるのは楽しいし、苦じゃないんだ。
わたしはわたしの人生を結局自分が楽しむためにしか使えないし、その為にはスマホひとつさえあればいい。無責任に文字を書いていたいんだよ。
でも大人になると自由が強要される。一緒に勝手に自己責任までついてくる。人生のお得パック。別にどっちも欲しくない。
「ま、休んだんなら仕方ないよねぇ」
今更後悔しても仕方ない。人生も休講も。
でもやっぱ、心の奥では単位落としたらどうしようなんて思ってる。くだらないね。
「ああもう、晴れたらいいのに」
朝からあいまいな空模様は、今度は雨らしい。
まるであなたのようね。
いや、わたしかな。
#4
『濁水に浮かぶ』
濁水に浮かんで見る空は 唐変木 私の苛立ちを見るようだった 人が汚したこの水もあの空も 未発表の
抽象画のように佇んで 私の世代に残ってしまう
浄化しようとすればするほど 私は濁水に溺れてく
# あいまいな空
あいまいな空
今日は何降るって
ネギ 砂糖 魚
最近おかしなモノばかり空から降ってくる。
ほら、言ってるそばから、何か降ってきた。
「あいまいな空」
日焼け止め忘れた。
傘も忘れた。
仕方ないよね。何考えてるか分からないから。
でも皆そうだよね、誰にも言えないことがあるから
今日だって葛藤してる。ゆらゆらと泳いでいる。
いつか言おう。やろう。
空って全く同じ景色がないから好き
雲と太陽と青のコントラストがきれいに層になってるとき、その移り変わりを眺めるのめっちゃ楽しいからみんなにやってほしい
──────「あいまいな空」
天気予報によると、今日は雨が降るらしい。目覚めてから窓を開けてみると、そんな予報が嘘かのように陽射しが照っている。
もしかしたら、これから天気が崩れるのかもしれない。けれど、そうじゃないかもしれない。
さて、どうしよう。今日は傘を持っていくべきか否かと悩むが、ここは無難に折りたたみ傘を鞄に入れておくことにした。
本日は二人の友人と待ち合わせをしていた。集合場所に着いてみると、見知った姿が二つ、すでに並び立っては何やら会話に耽っているようだ。駆け足で近付き待たせたことを謝るも、二人は気にしていないというように首を振った。
では行こうかというところで、ふと二人の友人の対照的な姿が目に付く。一人は財布とスマホくらいしか入らないだろう小さなウエストポーチのみを引っ提げ、もう一人は中くらいのリュックを背負いつつ、片手には大きめの雨傘を携えていた。こちらの視線に気付いたのかウエストポーチのみの友人が、傘を持った友人のことを指差す。
「あっ、お前も思った? いくら今日は雨が降るって言っても、今はこんなに晴れてるんだから、大きな傘なんて荷物になるって、さっき言ってたところなんだ」
確かに雨が降っていない時に、長さも大きさも嵩張る傘を手に持つというのは、自分だったら面倒に感じるような気がする。
そんなこちらの懸念をよそに、傘を持つ本人は「いいの、いいの、これは俺が好きでしていることだから」と、何ともあっけらかんとしていた。
本人が良しとするなら、こちらがこれ以上言うことはない。では行こうかと互いに頷き合い出発した。
今日は電車やバスを乗り継いで、いくつかの場所を訪れる予定でいた。ルートは順調に進み、そろそろ昼食にしようかと思う頃、晴れていたはずの空に、どんよりとした灰色の雲が立ち込め始める。案の定、昼食を終えた後には大粒の雨が降り始めていた。
「ちょっとコンビニで傘買ってくるわ」
雨天の空を見上げたウエストポーチの友人が、昼食を終えた店の軒先で近くのコンビニまで走り出そうとする。やはり彼は傘自体を所持していなかったらしい。
「わざわざ行かなくていいよ。俺、傘、持ってるから」
「いやいや、いいって。入れてもらうのも悪いしさ。だいいち男二人で相合い傘したとこで楽しくもねぇし。せっかくお前がここまで苦労して持参した傘なんだから、半分ずつ使ってお前が濡れたら元もこもねぇだろ」
申し出を断った彼の眼前に、大きな傘がそのまま差し出される。
「これ、お前が使えよ」
「へっ?」
傘を差し出した友人は、柔和な笑みでそう告げる。
「それじゃあ、お前はどうするんだよ」
「大丈夫。もうひとつ持ってるから」
背負っていたリュックを下ろし、友人は中から折りたたみ傘を取り出すと、「だから遠慮なく使ってくれ」と、大きな傘をもう一人の友人の手へ強引に握らした。
「何で二つも持ってるの?」
折りたたみ傘があるなら、雨傘をわざわざ手に持つ必要もなかっただろう。そんな意味も込めて浮かんだ疑問を口にすると、リュックを背負い直した友人は少し考えるようにして空を見上げた。
「俺さ、こういうあいまいな空模様の日に出掛ける時は、傘を二つ用意するようにしてんの」
上向いていた視線をこちらへ戻し、友人は何の気なしに言い放つ。
「そうすれば雨が降った時、困っている誰かに貸してあげられるだろ」
そのためなら、俺の荷物がひとつ増えるくらい、どうってことないよ。
闊達な笑顔を浮かべながら、清々しいまでの友人の宣言は、今日のあいまいな空が霞むほどに晴れやかだった。
【あいまいな空】
告白の返事は先延ばし
真剣に考えて言ってくれたんだから
私も真剣に答えないと
彼への応えが見つかるまでは
彼に返事は伝えない
あいまいな空が私を飲み込んでしまいそう
いつか雲ひとつない空が広がるまで
私の心も靄がかかる
─────『あいまいな空』
あいまいな空
小さな
かみなりの子が
いるよ
あいまいだ。
今日も空模様はあいまいだ。
ハッキリともしないし
どよーんと暗くなる訳でもない。
"あいまいな空"。
それは僕の心の色みたいだ。
ハッキリしない心。
ドヨーンと暗い心。
そのどっちかに行きたい
僕の心の眼差しは変わっているのだろうか。
どっちみち…僕はずっとこの空の下で暮らすことになる。
だから不満も何も無い。
68テーマ【あいまいな空】
「なんだか雨が降りそうだね」
「んー」
学校の図書室の窓から外を見て天気の心配をする僕。
彼女はスマホ画面を見ながら曖昧な返事をする。
興味……ないんだろうな。
僕にも天気にも。
「今日から梅雨入りだって」
「あ、そうなんだ。なら明日から折りたたみ傘もってこないとね」
「折りたたみ傘? 大きな傘じゃなくて?」
「折りたたみ傘と、大きい傘。ふたつとも持っていくよ」
「ふたつもいらなくない?」
「うん。でも、きみが傘忘れるといけないから」
うん。なんか今、恥ずかしいこと言ったかも。
梅雨入りだって分かってるんだから、傘忘れるはずないじゃんか。
「……今日、傘ないけど」
「え?」
「今日は傘、持ってないの?」
「えっと……折りたたみ傘しかない……かな」
「じゃあそれでいいよ」
「え」
「雨、降ってきた。早く帰ろう」
僕に興味があるのかないのか曖昧な態度。
「あ、晴れた」
この空と彼女はとても似ている。
#31 あいまいな空
あいまいな心
あいまいな空
空の上の透明な大気
その気配すら
心の中に見つけられない
繭の中でまるまるだけ
自分の糸に絡め取られ
煮えたぎるお湯に放り込まれる
こぶしを固め
力をみなぎらせて繭を破ろう
目を見開いて
大きく息をを吸いこんで
あの空の先まではばたけなくても
ただあるがままに命をみなぎらせて
何者でもないじぶんのために
生きよう
─あいまいな空─
起きると、見たことのない場所に居た。
そこは花畑のようで、どこか不安を感じさせた。
どれだけ見渡しても人の影はなく、一人だった。
どうしようかと考えていると、背後に恐怖を覚えた。
怖くなり、急いで振り向くと、とても黒い、
花畑に合わないような見た目の何かが、
こちらへ迫ってきていた。
ただそいつから逃げる。
息苦しくて、辛くて、でも止まれなくて。
ふと気づいた。
もう「何か」が来ていないことに。
良かったと胸を撫で下ろした。
そのとき見た空は、さっき見た快晴ではなく、
あいまいな色をした空だった。
僕はいつ、この夢から抜け出せるのだろう。
~あいまいな空~
できれは雨が降ることを望む
誰だってお気に入りが使えるなら
憂うつな雨だって楽しくなる
56文字の黒の史書
もしこの空が自分の感情と一致してたら
あなたはどうしますか?
嬉しい時は晴れて 悲しい時は雨で
気持ちが沈んでいたら曇り
でも言い表すことの出来ない感情だったとしたら?
どんな天気になると思う?
絶対、天気を決めなくてはならない場合は?
あなたはどんな感情でも、絶対天気を決めれますか?
私には難しかったです
そのせいで家族に心配かけてしまいました
晴れ女も雨男も関係ないんです
曖昧な空はなかったんです
初めは、曇のち雨とかなかったんです
たまにはいいんですかね
曖昧な空になったとしてもいいですか?
天巫女より
毎日犬の散歩をする者にとって、雨じゃないギリ散歩に行けるあいまいな空はありがとうの対象だったりする。晴天が一番いいけど、梅雨の晴れ間の有難みすごい。
【あいまいな空】#5
最近の天気予報は
少し意地悪で
何度も雨雲レーダーを確認。
洗濯物も外出も
きまぐれな天気次第で
ジメっとした、外気にやる気も削げるのは
…言い訳かな?
あいまいな空は、ちょっとした
追いかけっこみたいだ。
会えないだろうな
会えないだろうなと
約束の無いタイミングを
見計らって、探すあの人みたいな。
そして、梅雨の晴れ間みたいに
パッと現れて
私を、驚かすんだ。
また求めてしまう、小さな太陽を残して。
【お題:あいまいな空】
「あいまいな空」
それは、気分屋さんで晴れか雨か曇りかも分からない。
でも、これだけは分かる。
その空が1番綺麗だと。
朝日より夕日より、何より綺麗だと。
今回はあまり案が出てこなかったので、こんな超短編にしました笑
あいまいな空模様。
雨が降りそうだけど降らない。
少しずつ晴れている気もする。
まるで、私の心を表したような空だな〜。
私は、いつもいつも不安定なんだ。
あいまいな空
この地上に生まれ、いく年月、男と生まれて、身丈も、伸びた。
身体も大きくなり赤児の頃からの面影もない。
今は、文明も進歩し、なんでも、できる時代、そんな中で、も、できない事は、ある、単純に、若返りが、できない、
見た目の若さは、金を、積めば、いくらでもできるが、真に、若返りとは、言っても、年が少なくなるわけでもなく、
若返ってみても、究極は、個体がある程度、新鮮美が、あり、余り幼稚に若返らない程度の、若返りが、今の、高年齢者の、考える若返りかと思う、しかし、昔は、良かったとは、よく言うが、極端な話、赤児の、頃は、何にもわからない、し、何が良かったか、自分では、何もできずに、いて、育ててくれるから、良かったか?
自分は、育ててもらってないように思うけれど、1人で、育んでいったようなきがする。
両親は、家にいない、し、じいちゃんばあちゃん、がいただけで、なんとなく生きてた感じが、する、、。
どこまでも遡っても、人は、人で、何処らか、一番いい時期、お過ごせば、若かった頃は、良かったって言えなくなりそうではある。
自分は、こうだ、幸せなんて、何にもなかった、だから、いま、高年齢者になり、今まであった、いろいろな、辛さを、考えながら、あいまいな空、を見上げて、一人思案す。