風が運ぶもの。
うーん、何があるだろ。
なにか、フワッとくる感じ?
最近だと煙草かな。
好きではなかったんだけど。
吸う人が色々と気を付けてくれると、それだけでこっちも気分がいいなって思うことが増えた。
煙草の香りがすると想像する、貴方の姿。
魔法
ファンタジーに出てくる不思議な力といいますか、まぁ、それを想像しました。
と、もうひとつは、
仕事で一緒になる男性を思い浮かべました。
その男性の周囲との関わりを見ていて、第六感あるんじゃない?なんて思っちゃった。
ある時、元気ない?って話しかけられた。実際、喉が少し痛くて黙ってはいたけども。普段から無口で静かだしバレないと思っていた。
人をよく見てるからある程度の想像ができた、たぶん、そういう事なんだけど。
気づくこと、
実際に声が掛かること、
不思議と気分が上を向くし、魔法かなーって。
〝終わらせないで〟
男の口から出た言葉は、とてもシンプルだった。
どんなに思いを並べても、現状を変えられることはなく。
「ごめん、今までありがとう」
そう告げた男は彼女に背を向けた。
終わらせないで、と彼女の手が動く。でもそれは、もう少しのところで降ろされた。頬に一筋、涙が流れた。
〝放課後〟
1日がほとんど終わろうとしてる、放課後の教室。部活をしてないから、日直のときでしか、こんな時間まで残ることがない。
少女漫画のワンシーンを、すこし思い出す。なんて、現実じゃあり得ないのにね。
「よかった……教室開いてた!!」
教室の引き戸が開く、肩を上下に息をする男子。なんて声をかければいい? そもそも返事はした方がいい?
男子は机からプリントを取ると、あたしの存在など気にせず戻っていく。
変に声をかけなくて正解だったね。早く日誌を書いて帰……足音する? 次は誰? えー、帰ったんじゃなかったの!? さきほどの男子が顔を覗かせた。
「まだ忘れ物だったら、もう少し日誌書いてるし、探してていいよ」
「探すんだったらそれはもう忘れ物じゃなくね?」
「ん? あれ、そうなのかな……?」
なぜか会話は続き、気づいたら、放課後をクラスの男子と一緒に居た。
なんで向こうは戻ってきたんだろう。日頃話もしない男子との会話、初めて…そんな印象を持ってしまうほどに笑うところにドキッとした。
少女漫画のワンシーン、そんな気がした。現実ではあり得ない……そう想像しちゃえばいいんじゃない? 誰にも絶対に内緒だけどね。
〝カーテン〟
カーテンがふわっふわ、と波打った気がした。最近涼しくなってきて窓を開けていないのに。
気のせいかと手元に集中しようとしたら、足にくすぐったい感触と、鳴き声。
キミが原因だったか。全く、「もう少ししたら一段落だから」と口には出すが、両手が伸びた。
キミを抱いてほんの少し顔を埋めた。
低い声で、にゃあぁ〜、と返された。