「光と闇の狭間で」
という本を手に取った。
主人公が光と闇の中をただ彷徨う、少し暗い話だったけど、なんとなく好きだなと思った。
この主人公は、自分が光にいるのか闇にいるのか、結局分からずじまいだったみたいだけど、私はどうなんだろう。
光にいるには幸せが足りないし、闇にいるには不幸が足りない。
結局は私もこの主人公と同じ、ただ彷徨うだけの旅人に過ぎないのかもしれない。
親友とは、幼稚園からの付き合いだった。
苗字が同じだったから、周りからは双子みたいだなんて言われてたっけ。
けど中学生になった時から私たちは友達になったよね。
最初は私と同じくらいのレベルだったのにさ、なんか知らない間に完璧人間になっちゃって。
もう手の届かない人になったよね。
あなたとの距離を言葉で表すなら、天と地だと思う。
私が親友だったこと、きっと覚えてすらいないよね。
ごめんね。
幼稚園に職場体験しに行った時のこと。
おもちゃを取られて泣いている女の子がいたので、私は
『泣かないで』
とその女の子を慰めた。
するとその女の子は、泣くのを一瞬やめて、
「泣かないでって言われて泣き止む子なんていませんよ。
そんなんで幼稚園の先生目指してるんですか?
笑えますね」
と嘲笑うように言い、また泣き出した。
そして私も泣き出した。
私にとって、冬のはじまりは白い息。
はぁ…っと口から出た白い雲が、空に馴染んで溶けていく感じ。
私、生きてるんだなって、改めて気付かされる。
だから少しだけ、虚しい気持ちになる。
…やっぱり訂正しようかな。
冬のはじまりは、理由もないのにとてつもない不安に駆られた時なのかもしれない。
私には人権がない。
それは、会話をしていても思う。
だって、誰も私の意見なんて聞かないで、自分だけ喋って終わらせてくるんだもの。
私なんてどうせ、暇つぶしの道具に過ぎないんだわ。
…ねぇ、神様。
私の人生こんなので終わっちゃうの?
そんなの嫌よ。終わらせないで。
待って…待ってよっ!!