7/20/2024, 1:39:56 AM
家族の視線の先にはどうやら「勝利」という言葉しか存在しないようだ。
部活を続けて全国大会を目指せと何度も言われてきた。それなのに、私は家族から言われたこと何一つできやしなかった。私なりに頑張ったのに。認められることなんてないらしい。この世に報われるとか救われるとかそんな綺麗事は存在しないらしかった。
自分の実力じゃあどうにもならなくて。
それは自分自身の甘えがあったからだと言う。
じゃあ、神様。どうか私に勝たせてください。
苦しい時の神頼みなんてするな。情けない。
何をされても否定ばかりだ。私の視線の先には自由や希望があった。少し前なら。今は記録が出なくてみんなから嘲笑うような視線が集められるだけ。誰も助けてなんてくれやしない。
全国大会には行けなかった。それでも地方の大会には進めた。
私は涙を零した。
3年間、やりたかったことはきっと、こんなんじゃなかった。
家族は言った。
そんな情けない記録で。今までお世話になった人に恥ずかしくて顔も合わせられない。地方の大会は絶対にこの記録をこすんだ。と。
また今日もやる気が出ない。トレーニングなんて…自分のやりたいことじゃない。あぁ、また今日も、怒られる。