【揺れる木陰】

二人の影が揺れる。

きらりと星が光る。

風が通り抜ける。

「ごめんね」と声がこぼれる。

【隠された真実】

解答用紙の端を折る友達の気持ちがわからなかった。

別に恥ずかしいものでもないと思っていた。

隠されたほうが知りたくなるだろう、と。

実際30点台をとってしまったときも私は隠さなかったしむしろ笑みがこぼれた。

しかし、点数を見ようと視線を這わす自分に気づいた。

この気持ちの悪い視線から逃れようとしているだけなのかもしれない。

【届いて……】

届かずに消える

【あの日の景色】

何でもない日々。
どうでもいいはずの景色ばかり覚えている。

取り返せると思うのに取り返せない。
ほんとうは一回だけしかなかった瞬間。

無くしてから気づく、なんて真実だったんだと。
果てしない孤独を無くしてから気がついた。

いつも隣にいた人がいない。
いつも目の前にいた人がいない。
尊敬してやまなかった人がいない。
特徴的な笑い声の人がいない。
たわいもない話をできる人がいない。
当たり前のように私に触れてきた人が、いない。

ただただ恐怖だった。

【願い事】

　　　　　　　全
　　　　　　　て
　　　　　　　の
　　　　　　　推
　　　　　　　し
　　　　　　　が
　　　　　　　幸
　　　　　　　せ
　　　　　　　で
　　　　　　　あ
　　　　　　　り
　　　　　　　ま
　　　　　　　す
　　　　　　　よ
　　　　　　　う
　　　　　　　に