【恋か、愛か、それとも】

「友達だよね？」

「、うん」

友情だった。

【傘の中の秘密】

「入ーれーて！」

傘を差すのがめんどくさくて、甘えるように言う。

「断る」

そう言いながら、勝手に入る私を拒否することはなかった。

「やったー」

狭い折りたたみ傘の中で、お互いの肩が濡れる。

そんな、私の妹。

【勝ち負けなんて】

勝ち負けなんて関係ない。

ずっと誰かと競わされている世界で、
そう反旗を翻すのは難しい。

勝ってよかったと思うことはあっても、
負けてよかったと思うことはない。
少なくともその瞬間は。

他人が価値を決めることはできない。

自分の価値観の中で生きていて、
そこに他人が入り込む余地はない。

勝ち負けなんて興味ない。

そう言えるようになれば、かっこいいのかな。
それでも心の奥底で気にしてたら、ダサいのか。

【さらさら】

さらさらと水が流れる。

それに一緒に流れていきたくなる。

連れて行ってほしくなる。

【これで最後】

「これで最後だから」

かすかに笑みを浮かべながら近づいてくる。
いや、嗤っている。

それに気づきながら逃げない自分も自分なのだけれど。

「そうだよね」

名残惜しさすら感じている。
私のことだけを考えていて、私だけを見てくれるこの瞬間が大好きだ。
手放したくないと思ってしまう。