月夜

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7/23/2023, 5:05:12 PM

花が咲く。

明日を知らない子供が前を向いて生きる話。

不器用で上手く優しくなれない。
人を羨み、自分の家庭を憎んだ。

家出を繰り返し、間違いを繰り返した。
大切な家族も会えない間に亡くなった。

失ってから気付いた。
愛されていたことに。
大切にされていたことに。

私はまだ18歳になっても尚つぼみにすら
なれていなかったことを知る。

寝ても醒めても愛した祖父を思い出す。
あの強く大きな背中を。
まるで父を知らない私の父親の様に。
「俺の背中を見て育て。強くなれ。」
そう言うかのように今も私の背中を押してくれる。

今の私の心に強さをくれるのも
これからもきっと祖父だと思う。

これからやっとつぼみになれるように
どんなに辛くて苦しくても生きていくのだ。

私という"花が咲く"その時まで。

"本当の意味の強さとは何だろうか?"
問いかけた時の答えなんか当然見当たるはずもない。

私はその問いをこれから探しに"人生"という旅に出る。
沢山傷付くだろう。
沢山泣くだろう。
そして誰かと傷付け合い、泣き、励まし合い、
時には笑い合い、絶望もするだろう。

その度に"私を強くしてくれる人の笑顔"を思い出すでしょう。

"貴方が私の為に在るのなら、私は貴方の為に在るのでしょう"

そう思っていて欲しい。

互いに知ることも無い悲しいことや、
苦しいこと、辛いことを乗り越えて生きてきた。

死にたい、何度も何度も息をする度に吐き出した。

君は本当に死にたいと思っていると思うだろうか??

私は違う。

誰かに気づいて欲しかった。
それは潰されそうで苦しくて辛くて
誰かに助けて欲しいというSOSだった。

花はどれだけ水を与えて栄養をあげようとも、
あげ過ぎれば枯れてしまう。

逆も然りだ。

言葉にしなくてもいい。
この痛みが癒えるまで傍に居て欲しい。

そう思う人は誰の傍にも居るはず。

監視や執拗な心配よりも
傍に居て聞いてくれるだけでも
心の温かさや優しさは必ず伝わるものだよ。

そうして花はつぼみへと、、、
そして綺麗な花を咲かせる。