10/2/2022, 8:50:57 AM
‐黄昏‐
絹張り緋色
優しい表裝
わたしと云ふ名の物語
終はつたものも
過ぎ去つたものも
美しい插繪と煌めく文字で
愛を持つて刻まれ描かれ
忘却出來ない一章と成る
9/15/2022, 10:09:18 AM
‐世間の喧騒‐
世の濁流に任せたら
澱んでいく
雲のやうに
風のやうに
世の淀みから
遠く離れてゐ度い
9/9/2022, 10:33:04 PM
‐世界にひとつだけ‐
何一つ
誇れるものは
持たない儘に
生まれて消えて
巡り續ける
ある意味幸せ
ある意味不幸
9/6/2022, 1:56:55 PM
‐刻を告げる‐
刻を告げる鐘の音に
硝子の靴を打ち捨てたなら
豪奢な衣裝も役も脱ぎ捨て
脇目もふらず驅けていけ
蝶よ花よと咲き誇る
“君よ誰より美しい”
8/21/2022, 4:43:55 PM
‐鳥のように‐
とほくに見える
雲がかつた白い山脈
あの雲を越えて
遙か遠くの山を越え
わたしの言葉よ
詩と云ふ枠を越え
呪文のやうに命を見いだす
唇から滑り墮ちていけ
命の炎は力強く
羽ば度き飛び立ち耀き燈す
しがらみと云ふ
生け垣を越え
制禦と云ふ括りを壞し
自由に謳ひ
奔放に遊戲べ
わたしの詩よ
顏も名前も知らぬ
誰かの胸の燈になれ
わたしを離れ
自由になれ