5/21/2022, 11:29:25 AM
‐透明な水‐
叶へられないお願ひは
何處へ
昇華したのでせう
屆かなかつた此の祈りは
何處へ旅立ち
消えたのでせう
海の波間に
溶けたのでせうか
5/20/2022, 11:13:33 AM
‐理想のあなた (自分)‐
此の終はりの
見えぬ獸道
限りなき生を
渇き歎く夜
獨り項垂れ
這ひ驅け囘る
誰かを狙ふでもなく
何かに追はるる譯にもあらず
此生くと言ふ眞實
此が人生と云ふ事實
今日は倒れ背を向けむとも
負けきを認めず
立ち上がる
此が我が獸道
5/19/2022, 8:34:20 PM
‐突然の別れ‐
木漏れ日の向かう
風吹く丘の白い墓標
あなたと語つた言葉の先に
夢見續けた未來が佇む
やわらかな微笑みと
穩やかな肩越しの耀き
優しい指先
睫の先に燈る光
唇から滴り落ちる
温かな命ある言葉
忘却れられない戀がある
5/18/2022, 8:22:55 PM
‐恋物語‐
キミが附き添ひ
わたしは微笑む
黄昏時は夢見る時
眞夜中の童話
硝子の靴
氷のやうに瞬き煌めき
白堊の路で彈けて消えた
また逢ひませう
守られなかつた約束が
白い窓帷に搖れてゐる
今此の瞬間に
シャンデリアが墮ちて
終はつてしまへばいいのに
どうせ終はる夢ならば
一瞬の幸せで
消えてしまへばよいのに
さう願ひ望んだ彼女が見た夢
硝子ケースで散つた薔薇
廻廊で碎けた小さな靴
もう誰も觸れる事が出來ない
美しいもの
約束は忘却れ去られた儘
5/17/2022, 1:28:19 PM
‐真夜中‐
キミの為に詩を謳う
耀く夜を愛を謳う
時計の針を逆に廻して
夢の世界へ連れていく
お童話の薔薇の姫君
キミはボクの薔薇の花嫁
瑠璃石をちらした天幕の下
豪奢な螺巻き人形のよう
ふたり手を取り踊りましょう
回転自動琴をとめないで
永遠の夜をとめないで
月夜の光に
浮かぶ二つの影法師
お童話のふたりの姿
星がうっとり俯きながら
ため息をついた
きみの瞳は
海のように光に揺れて
ふたつの影が寄り添い重なり
夜風はそっと幕をおろした