「私金平糖作る人になろっかな」
　大学生にもなってそんなことを溢せば、たまたま隣に座っていたギャルが「最高～」と手をあげて笑った。
「初めて作ったのはあたしにちょうだい」
「いいよ、じゃあ作ったら呼ぶからLINE教えて」
　そうしてたまに話す程度だったギャルは、私の友達になった。


"星のかけら"

「先輩のそゆとこ、ガチダルいっす」
　そう言いながら笑う顔が好きだといえば、また「ダルい」と思われるのだろうか。

「俺さ、女の子に連絡先教えるとほぼ100％連絡くるんだけど」
「はあ…まあ素敵なお顔されてますし、そうでしょうね」
「でも公衆電話から掛けてきたの君が初めてだよ」
「詐欺の可能性あるなって…」

「私は翼はいらないけど富とか名誉はほしいよ」
「曲のタイトルを思い出してほしい」


"大空"

「恋のひとつもしたことない姉ちゃんよりあんたはずっと立派だよ」
　恋人にフラれたとべそべそしている弟にそう言えば、嗚咽のなかに「姉ちゃんの本命はずっと俺なんだから、それでいいの」と小さな声が混ざって聞こえた。励ますはずが励まされてどうするんだか。