13分前

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3/24/2024, 11:09:50 AM

「雨が降ればいいのに」
 雲ひとつない青空の下、拗ねたように彼女がそう言った。意図がわからずはあ、と曖昧に返せば、彼女はきゅと控えめに俺の指先を握る。
「だって、それなら堂々とくっつけるもの」


"ところにより雨"

3/23/2024, 12:02:01 PM

『~が写真を送信しました』
『みて!』
『カップラーメン買った!』
『今から行くわ!』
『一緒に食お!!』
 怒涛に届くうっきうきなメッセージにうるせえ深夜だぞ、と思いながら「おけ」とだけ返した。


"特別な存在"

3/22/2024, 3:21:35 PM

「3万円で買った虚無はどう?」
「推しを手にする可能性を買ったと言え、ばか」
 その推し当たらなかったくせに、と言えば泣き崩れるかもしれないので黙り込んだ。


"バカみたい"

3/21/2024, 12:11:55 PM

 起きたら幼馴染みが「~しないと出られない部屋」とでかでか書かれたスケッチブックを抱えて隣に座り込んでいた。『~』が謎だがここは俺の部屋なので、条件を満たさないと出られないなんてこと勿論あるはずがない。
 あまりの状況にどうしたものかと黙り込んでいると、幼馴染みが遂におずおずと口を開く。
「二人きり…だね…」
「怖い怖い怖い怖い」
 とりあえずまずは手を繋ぐとかから始めさせてほしい!


"二人ぼっち"

3/20/2024, 12:35:25 PM

「もっと早く出会えてたら良かった」
「…出会えてたら、何か違ったのか?」
 俺の問いにあいつは緩やかに笑って首を振る。
 俺だって本当はわかっていた。俺もあいつも自分の使命と意志でここまで来た。きっと早く出会ったところで何一つ違ったりなんかしない。

「でも、そしたらもっとたくさん一緒に遊べたでしょ?」

 じゃあねと掠れた声で溢して、あいつは、


"夢が醒める前に"

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