12/17/2024, 8:47:17 PM
「朝露」
優しさは花の朝露
ぽたりと垂れし刹那の夢
温い手首を冷ややかになさる
もろき玻璃の物語
貴女の優しさは朝露の如し
蒼白き指をすり抜けさらなる奥へ
擬態しながらも堕ちてゆく
しなやかなる水のたわむれ
僕は夜の静寂の湖面
逃げも隠れもしないもの
誘い水を撒き透きとほる貴女に
悠久なる波紋を報せゆく
噫、我等、抱擁しやう
秘やかなる此の現象に
貴方と僕で
外から見附からぬ名を附けてやろう