私はあんまり笑わない人間らしい。これまでに色んな人に言われてきたので、そんな感じなのだろうと思う。ちなみに、自分ではよく笑うと思っていたりした。でも、興味のないことや面白くないことには完全に「無表情」だし、普段からそれほど表情が豊かでは無い自覚も出てきたので(昔から表情が少ないとは言われていた)、笑顔もそんなに多くは無いのだろう。あんまり笑わないですね、と言われたこともある。
かつて仕事の関係で(接客業だ)、笑え笑えと言われて指導されたことがある。笑顔でお客様対応をというのは、そりゃそうだ、と思うのだけど、あんまりにももっと笑えと言われすぎたせいで、私はそんなにも笑顔ができないんだなあと完全に自信を失った。軽いトラウマである。
そんな接客業も引退して十年以上の時が経った。
今でも、あんまり笑わない(そもそも私は精神疾患があるので、精神状態で笑うことが出来ないのもあるんだけど)私であるが、笑顔を強制させられない生活はほんとうに気楽である。無理して笑っている時もあるけど、それは私がそうしたいからしているのであるし。
笑顔っていうのは、できない人間からすると、大変なものなのだ。
私はエックスジェンダーだと思う。
エックスジェンダーとは、性自認が女性でもあり男性でもあり、その配分にゆらぎがあったり、割合が決まっている人のこと。日本で生まれた言葉というか、概念。
統合失調症に自閉スペクトラム症、その上にエックスジェンダーというのはなんだか重くて、自分で抱え込むだけにしている。家族や恋人は、精神疾患と発達障害のことを承知している。けれど、エックスジェンダーについては話していない。今後話すつもりもない。
私がエックスジェンダーだとして、女性だなと思う心のときも、男性だなと思う心の時も、私は恋人のことが好きなので。大事に思うので。なので、私の性がなんであれ、恋人のことを想う心は変わらないから、カミングアウトする必要は感じていない。
いつか、苦しくなる時が来たりもするのだろうか?
そう思うこともある。
けれど今は、このささやかではあるけど私にとっては大きな幸せを、続けて行ければと思う。