あの日君が来てから僕の人生は一気に明るくなった。
僕は中学校でいじめられ、2年前から引きこもっている。清潔感皆無で食べては寝て、ゲームしての毎日を繰り返していた。僕の数少ない取り柄はピアノが弾けることと高身長なこと。
でも引きこもってからは両親の居ない時に弾くくらいだった。なにか変わらないといけないのはわかってる。
けど ''まだ2年しか経ってないからあとでいいや''
そう自分に言い聞かせて現実逃避していた
来年中3になったら考えよう。それまでは、、
そんなある日、突然インターホンが鳴った。
運悪く僕以外不在だ。両親は僕を置いて1週間の旅行に行った。
僕は当たり前のようにそのインターホンをスルーしてゲームに戻った。
そんなことも忘れていた夜頃、またインターホンが鳴った。今度はなにかと部屋の窓から下を除くと目が悪くてよく見えなかったが、3人が立っていた。
そう言えば今朝引越し業者が止まっていた。
引っ越してきたのか、、
来てくれたのは多分二回目だろう。けどこれから隣に住む人達に僕がひきこもってるなんて知られたくない。
申し訳なさを感じつつも出なかった。
両親が旅行に出て半分くらい経った時僕はピアノを弾いていた。小学校6年間ずっとピアノに打ち込んでいたからある程度は弾ける。
真昼間に適当に弾いていたら窓の外に人影がある。誰かが立ち話してるのかな。そう思っていたが1人だし、10分くらいはずっといる。恐る恐る覗くと、白いワンピースを着た小柄な女の子が座っていた。バレないようにすぐ戻ったが何度も思い返してしまう。
あの日から僕は変わった。
髪の毛を切りに行った。そして部屋を片付けた。
学校には行きたくないから家で勉強した。
高校デビューでいいから変わりたい。
私は小学校の頃の友達の奏でるバイオリンがとても大好きだ。
モヤモヤしていても心にスっと入ってきて自分でも解けなかった蟠りをといてくれる音色。当時はあまり接点のない友達だったが今夢に向かって夢中で幅広く頑張っている彼女を見ると感心し、私も頑張るぞと元気を貰う。
一生懸命楽しそうに奏でる音色だからこそ人の心を動かせるのだと思う。
私もテニスを楽しんで一生懸命頑張りたい。
麦わら帽子
今はもう亡き大好きだったおばあちゃんからの最後のプレゼント。
当時おばあちゃん子だった私は、週末になる度におばあちゃんちに遊びに行っては、お花畑に行き花言葉を教えてもらうことが大好きだった。
そんな私に花飾りのついた麦わら帽子をプレゼントしてくれた。被らずに過ごした日はないほどだ。
それから半年おばあちゃんは亡くなった。心筋梗塞での突然死だった。
幼稚園生だった私は何が起こっているのかわからないまま麦わら帽子だけを抱えて葬式に参列した。おばあちゃんちに行った時にやっと実感が湧き、悲しさが込み上げた。
今でもあの花言葉は忘れない。