8/15/2023, 1:03:35 PM
月明かりだけが海面を照らし
波は銀色にさざめく
岩礁に座る美女が優しく笑むのは、夜の海
『あら、歌を聴きに来たのね?』
重ねた唇も抱き合う体温も
海に潜む魔物は
痕跡すら残さず喰らうという
「好きだと言わせてくれよ」
「お前、狡いだろ…」
歌声は惑わす
朝になれば海の藻屑になるのよ、と
『それでも良いの?
寄せては返す波のようにはいかないわ』
許されない恋のゆくえは
深海の闇へ
#夜の海
8/14/2023, 10:57:18 AM
冒険に憧れた
少年時代の甘酸っぱい思い出のひとつだ
"自転車"は旅の相棒
俺の反抗期は
ペダルを漕いで向かい風に逆らいながら
道なき道を全力疾走
無我夢中で走り抜けた
「並走できたし僕も楽しかったけれどね」
パンクした自転車を整備しながら、今の相棒が笑う
#自転車に乗って
8/13/2023, 10:15:51 AM
朝は、トーストと目玉焼き
昼は、おにぎり3つ入りのお弁当
夜は、二つのルーを混ぜ合わせた特製カレー
「いただきます」
自分のために用意してくれる3食は
"心の薬"
いつも健康で過ごせている
それは、あなたのお陰なのですよ
ありがとう
#心の健康
8/12/2023, 10:19:26 AM
君の話す声はソプラノ、アルト、テノール、バス
軽やかにも重くもなる
重なり音を奏でて旋律となる事も
スマホに耳を傾けながら
「今日はねぇ」からはじまる君の音楽を
「何か良い事あった?」僕は心地良く聴いている
#君の奏でる音楽
8/11/2023, 11:43:31 AM
「老若男女、お前の持ち主はどんなひと?」
夏物語のひと欠片を
砂浜に置き忘れられた
麦わら帽子だけが知っている
拾い上げて砂を祓う
昼間の灼熱を和らげた西日を
スッと透過する鍔(つば)からの光は
何処となく
優しい夏の終わりを感じた。
#麦わら帽子
(申し訳ありません。今日のお題は何度か描き直してます。納得のいく一文って難しいですね)