Void of Death

Open App
1/24/2024, 2:38:57 PM




夕陽に焦がされる白い頬
おまえは嵌め殺しの窓を眺め
物憂げに机の木目を指で辿る
点と点を繋いだその時
はっとして椅子を引いた

気がついた時にはもうおしまいだった

珈琲を飲めない青白い顔の女
磨りガラス越しに心臓を叩いた
その音がおまえを呼び起こしたのだ

穢れた誘惑


11/29/2023, 9:36:05 AM




盲目の巨人の足元に浮かぶ炎
人の病が治らない
白々しい顔をして みな不死身のくせに
狼狽えて床を叩けども
手が口々に弾け飛ぶ
己の恥ずかしい箇所を、
暴いて、触って、舐め回して、好き勝手に
蒼い病魔が精巣を吐き散らして唾を塗った
手垢をたくさんつけてベッドの下に眠っている

それがどうして愛と呼べるか
それがどうして憎と呼べるか


11/24/2023, 9:41:44 AM






計算づくめの甘い罪
梅雨前線ロッカーの三番目
実りのない冬がくる
「会いたい」それだけが連絡網
無意味な2年と6ヶ月が経つ
だから お前に呪詛を囁いている

何もひとりで成せぬお前を
ただ脳裏に刻んでいるから





11/2/2023, 6:34:40 PM





理性を解いて暗闇と融ける

喉を通る不快な感触

手汗がまだ止まらないから

あたしと早く踊って頂戴


10/1/2023, 2:24:54 PM






目の裏で蚕を飼う
ねばねばした昼の夢と 故人の肖像
何故嘘をつけないか
喉焼く痛みを何度も
何度も
おまえの細い首を撫でる様に
汚れた快楽
角膜がタンゴの唾とフェチズムの吐瀉物で潤う
手が震えて何も言えない
それで その節 その覚悟
視覚が死んでも地殻は癒えぬ

戸惑いと 渦




Next