Void of Death

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8/10/2023, 4:53:12 PM


「もう帰っちゃうの」
彼の柔らかな手が頬を擦る。口を尖らせて駄々をこねる彼の影には、まだ幼げが見える。
「家に来てもいいけど」
ぶっきらぼうに言葉を投げたのはいいものの、心の内は頻りに彼を求めていた。
「でも、それ………」
でも。だって。優柔不断な彼の口癖のレパートリーはいつも変わらない。
二人は未だ、肩を並べてその先の言葉を紡げずにいる。けれども、既にいつもの十字路にさしかかるところである。
「送ってやろうか」
沈黙を破るように、俯いて思考を張り巡らせている彼の頭上から声を掛ける。すぐに返事は返ってこない__今となっては先の軽率な台詞を悔いている己が、気まずそうにただ立っている深夜1時。
「あの、今日はおれの部屋じゃ、ダメかな」
脳天を突き抜けるその一声は、瞬時に自身に理解させるには強すぎた。手を引いて駆け出す彼。
今日こそ大人になれるのだろうか。
彼の黒髪交じりの銀髪がたのしげに揺れているのを、自分はただ後ろから眺め続けていた。

7/16/2023, 1:54:00 PM






夢に飴を浮かべる
蝕みと獣
口の中で飼う蛆を鋭い歯で噛み砕く
蕩けるまで 何度も何度も何度も何度も
猛毒を耳に垂らして
気が狂うまで床に頭を打ちつける
昨日も今日も色がなかった
吐瀉物と艶やかに踊る
嘲るように 朽ち果てるように
何度も何度も何度も何度も何度も何度も ............




7/1/2023, 4:08:25 PM



束の間の呼気
曇りガラスの温もりに触れれば
彼の姿をうつし出す
病気の珊瑚を見せる前に
彼の足音を奏でる
トタンの壁
チタンの床
破綻の夢
揺れるベッドには甘い絶望が詰まってる
余りものの愛 引き算の憂鬱
知らない国の歌を歌ったら
さめざめとひとり泣いて 私は家に帰りたい


6/18/2023, 11:57:10 PM






ドリルで左脳に穴が空く

知らぬ存ぜぬ 架空の仇よ




6/4/2023, 8:15:35 AM


指を1本切り落とす歪み
有毒と科学する
きな臭い香り
知らない人について行かないこと
愛でたいのは本当の自分だった

にこやかな笑顔で送り出して
その裏で 親指を隠すのが

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