「鳥のように」
飛べたなら
何処まででも行けるだろうか
何にも縛られないだろうか
翼があったなら、自由になるだろうか
それとも、鳥籠に囚われそこで生涯を過ごすのだろうか
それか誰かに喰われてしまうだろうか
身を引きちぎられる痛さ、食いちぎられる痛さ
抗うことも出来ず、ただ痛みと苦痛と、死ぬという実感だけがひしひしと襲う。
焼かれてしまうかもしれない。
もし鳥になったなら
地を早く走る事を羨むだろうか
羽根が無ければと思う日がくるのだろうか。
私はそれでも鳥のように羽が欲しいと思うだろうか。
異形だと言われ、いつしか私も鳥のように______
「いつまでも捨てられないもの」
この命
捨てたいと願うことも思うことも吐き出すことも
沢山したのに、いつまでも此処にある
捨てれば私という存在が危うくなるというのに
捨てたいと思ってしまう浅はかさもまた捨ててしまいたい
無意識のうちにまるで悲劇のヒロインのように綴るのも縋るのも
自分はこんなに辛いんだと悲観してしまうのも否定的な思考も
それを捨てれない甘さもまた、
いつまでも捨てられないものの1つ
捨て方も手放せるかも分からない
ただただ捨ててたいものだけが私の中に振り積もって
溢れて、降やむことはない。
「誇らしさ」
何処にもなくて
何処を探しても見つからなくて
仮にあったとしても、とても他人には言えない
否定し続けて、上と比べ下ばかり見て
見えないふり、見てないふり
これ以上、傷つきたくないから
否定されるのが怖いから
傷つけるのが怖いから
隠しておけば、閉まっておけば、傷つく事も否定されることもない。
ただ薄れていく、失っていく、錆びていく。
誰の目にも触れず、評価もされない。
どれだけ価値があっても、その価値に気が付かなければ
意味が無い。判断出来ないそれはゴミと同じになり
やがて捨てられる。
自らの手で自分の誇れるものを沢山、捨てているのかもしれない
「君の奏でる音楽」
放課後の音楽室
今日も君を探してここに来ていた
いつもの椅子に座って、君に曲を弾いてとねだる
静かな教室に君が奏でる旋律が音となってこだまする
夕陽に照らされる君はとても幻想的に見えた。
夢の世界にいるようで 非現実的な感覚
ずっと聞いていたい。と言う気持ちが自然と湧いてくる
そう思わせる音
君の演奏がいつまでも続いてて欲しい
そう思うほどに、儚く美しかった
いつか演奏も終わってしまうのに
静かな音楽室に1人
今日もあの日々を思い出しながら君を探して
「麦わら帽子」
夏の日の昼過ぎ
強い日差しが照り付ける中
ひまわり畑に白いワンピースの麦わら帽子を被った
ロングヘアの子が水遊び
雨粒はまるで宝石のようにキラキラと輝いて
まるで自由自在に操っているように
はしゃぐ姿は踊りを踊っているように
どの瞬間も絵になる光景で
暑さも忘れてしまうほど見惚れて
いつしか寝てしまったのか
気がつくと草むらに横になって、夕刻になっていた
あの子はどこにも見当たらず、草むらに湿り気ひとつない乾いた麦わら帽だけがポツンと落ちていた。