何億万の夜が明け
何億万の日が沈む
平和を願い 兵を挙げ
神に成ろうと自惚れる
死を恐れ 運命に縋り
時の流れに泣き叫ぶ
希望を謳い 助けを拒み
己の悲劇をひけらかす
神を崇め 神に縋り
神のせいだと言い喚く
神に祈り 神を貶し
神はいないと語り嗤う
地獄を恐れ 天国を願い
正しさの為に人を殺める
何兆回も日が沈み
そして朝は来ないのだろう
お題【神様へ】
タイトル【知性と理性と自尊心で絶滅しました】
かこめかこめば 檻の中
嘆き嘆いて 幾星霜
妬心積もりて ないものねだり
その清らかさに醜く写る
水晶のよう 宵闇のよう
紅差す唇が愛らしか
妬心に狂って ないものねだり
その優しさに醜く写る
お題【ないものねだり】
タイトル【泥沼】
色が散る 色は滲む
硝子のような透明に
花骸 花弁散り交ふ
色が滲む 水紋のよう
24時、独り孤月を眺めたり
地に落つる花を踏みつけにして
花は溶けて色滲むのみ
藍の海底に沈みけり
白骨の下キスをして
花弁散り交ふ 夢の中
お題【花束】
タイトル【心中愛歌】
悲しさ故に沈む
静けさの中に溶ける
仄かな熱は飴のよう
このまま堕ちたら溺れそう
夢心地 想うのは
面影と 夢の跡
宙ぶらりん
ゆるりらゆるら 宙ぶらりん
落ちて堕ちても 夢心地
青に染まれず 紅に
自由の羽は 陽の下に熔け
お題【大空】
タイトル【不思議の国は夢】
割れた電球
光を失った熱
暗がりで冷めゆく
辛口の酒
誰かの妄想歌
地獄に堕ちる ここは天国
醒めたら浴びる 酒の雨
藻掻く己の無力さと
歩み消え行く君の背と
涙ながらに払う金
毎夜毎夜と 酒の雨
お題【微熱】
タイトル【迷ゐ夢】