蝙蝠

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9/16/2023, 3:59:44 PM

明日に背を向け 立ち止まる
この灰色に 閉ざされて
この寂れた街に閉ざされて
君の名を呼ぶ 来ないでと

明日よ 歩みを止めて
過去よ 忘れるさ
今よ  終わりにしよう
閉ざされた街 君の名を

彼の者は英雄となり
彼の者は伝説となり
空に亡く 僕は此処に居る
空が泣く 手は空を切る

明日よ 歯車は止まった
過去よ 夢に溺れさせて
今よ  このままでずっと
空よ 泣くな 僕が亡いても
               お題【空が泣く】
          タイトル【貴方になりたい】

8/21/2023, 5:36:41 PM

一番古い思い出は 朝焼け色
独りになったら 青が混じった
忘れた頃には 青に染まる
ふとした時 黄昏が青を追う
焦燥に溺れ 藍に喰われる

手を引かれる 幸せな結末へ
手を引かれる 残酷な結末へ
分岐点 手を引かれる
手を引かれる 手を引かれる
足は真ん中を進む 歩み始める

ボクの幸せな結末へ
あの鳥のように 飛んでいける
これからも ずっと飛んでいける
朝焼けと藍が溶けた色
これが一番大切な思い出
              お題【鳥のように】
        タイトル【世界の果て行き切符】

8/14/2023, 3:36:38 PM

時は過ぎ 約束の夏
あのチャリを迎えに行く夏
2人乗り おんぼろチャリで下り坂
風が通る 髪先が踊る

視界を染めたのは 違う色
2人で見る 青
少し色褪せて 空色だった
麦わら帽子は 置いてきた

色褪せた青 1人分薄い色
氷菓子は 冷たかった
鱗雲が 流れてく

夕焼けを背に
おんぼろチャリを 1人づつ
            お題【自転車に乗って】
          タイトル【来世の夏、3人で】

8/10/2023, 4:54:30 PM

車内の揺れ 極僅かな乗客
窓のあちら 数多の星が散る
月は何を映す 夢見る少女か或いは空腹の兎か

人里を抜け山を越え 走り続ける鉄塊
空を駆けず 海原を駆けず
示された道のみを駆ける
己の人生と同じように

この線路の終点は
まだ遠く 最後は1人
この人生は
終点がまだ見つからない
                 お題【終点】
          タイトル【その道レール上】

8/6/2023, 3:06:55 PM

夜の足音 陽を染めて
黒き憧憬 脳を侵す
遠くで獣の咆哮が 黒き太陽の再来と成る
まだ夜明けを 待ち侘びて

境に触れた 爪先が
先を急かして 動かない
首を絞めた 掌
後ろ指を指す 人差し指
顔を隠した 嗤い声
両の足首を掴む 十の指
胴に絡んで放さぬ 無数の腕
声を塞いだ 両の掌
門が閉まる 彼を見た最後の夜
亡いた 太陽を待ち侘びて

黒き太陽の再来を
偽の者だと 心臓を刳る
黒き憧憬は芯と成り その身を侵す
川の向こうに 太陽を知る

夜明けの足音 夜を染めて
いつしか色付いた太陽 隣にはタカラモノ
伸ばした手に 無数の腕が絡みつく
崩れた足場 初めての涙は海の味
                 お題【太陽】
        タイトル【海が綺麗だったのに】

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