蝙蝠

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7/4/2023, 5:25:57 PM

行方も道も 濃霧の中に
どうして信じられようか
この景色さえ 神様の思惑

賽の目カランと 運命の数
イカサマ 悪戯 十八番芸
綺麗な神ほど 珍しい

戦と贄と残虐を 酒の肴に夜は進む
ただ繰り糸が切れるまで
儚き命と 叫べとも
空の青さが 吸い消した

抗うことなく 抗えず
示した道は 思惑に沿う
神様だけが知っている
この世界の理を
         お題【神様だけが知っている】
            タイトル【信者の呟き】

6/29/2023, 3:32:38 PM

無機質な声 猛暑日だと語る
蝉の合唱団 街路樹でのコンサート
古いチャリで 下り坂
落っこちそうな 3人乗り
まだ地平線は 遠い

視界を染めた 群青に
降りたチャリは 熱かった
麦わら帽子を 追い掛けて
風と駆ける

脆い城の滅亡を
眺めて舐める 氷菓子
入道雲が空游ぐ

夕焼けを背に
肩を並べ 電車に揺られ
忘れたチャリを 口実に
来年の夏 約束をした
                お題【入道雲】
           タイトル【あの夏の日が】

6/17/2023, 3:32:48 PM

暗く淀んだ 現世をみては
空の筺の中には 残らずに
天に隠れた 一欠片の希望

高くそびえた 大樹の上で
遠き蒼が染まりし時を ただ見ゆる
あの暁に 託す願いを

変わらず廻る 輪廻の内で
嗚呼 過去を未来も
ただ繰り返すだけ
平和の世を 待ちぼうけ
                 お題【未来】
            タイトル【筺の中身は】

6/13/2023, 4:24:27 PM

夜の音に 息を溶き
貴方の鼓動に 身を寄せる
眠らぬ街 艶やかに笑う声

夜空と踊る 星の子達よ
照らす 肌は陶磁器のやう
はだけた着物に 泳ぐ目が
妖しい瞳に 囚われて

月が綺麗ですね
唐紅に染まる口元 紡ぐ静かな言の葉は
月は手の届かぬから美しい

嗚呼 まだ夜半ば
朝は遠く
               お題【あじさい】
              タイトル【香り玉】

6/9/2023, 3:31:16 PM

仄暗いBAR 蓄音機の歌声
照らす明かりに 映る影
琥珀色に浮かぶ 透明な球
猫の欠伸 両隣の人影

冷えた琥珀を煽る
思い出の味より 甘く
自嘲気味な笑みを乗せる

遠く カメラのシャッター音
3人の世界を閉じ込めて
泣き止んだ空は 朝焼けに染まる
             お題【朝日の温もり】
           タイトル【モノクロ写真】

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