器に流れ込む
ソレは感情か
当人以外は 知らぬが仏
太陽はうっそりと笑う
月は絶対零度の軽蔑を向け
空は 泣く
託された 思いが
枷となり 呪いとなり
此処で流れに身を任すことを許しはしない
嗚呼 日は沈む
終わりを願わぬ夜は
明ける
待ち遠しくなど無い明日は
懇願が聞こえているのか いないのか
歩みを止めない
お題【今日にさよなら】
タイトル【憧れ或いは懺悔】
お気に入りの おべべ
皆は 嗤う
僕はコレが好きなのに
渦の中で流れに逆らう ひ弱な小魚
でも このおべべは
もう一番じゃあ無い
今の一番は 君のくれたあの一言
お題【お気に入り】
タイトル【幼少期】
鮮血に似た髪を するりと解かす
広大な砂の地に 1通の手紙
隼は運ぶ
“拝啓 10年後のオレ” “拝啓10年前のオレ”
あぁ やっと返事がきたか
交差する時の中で
同じ青年は 心を開かす
お題【10年後の私から届いた手紙】
タイトル【砂漠に咲く】
縁が無かった 暇が無かったから
有っても 特別じゃあ無かったはず
昼とは又違った景色
ネオンの点滅 暗がりの恐怖
ぱしゅ
残像 矢は核に刺さり
恐怖は封じられる
青年と少年が 追いつく
“傍に居るだから傍に居て”
2人の言の葉に揺れる
嗚呼 コレは
チョコレイトより甘美な 贈り物
月は淡く照らす
お題【バレンタイン】
タイトル【欠片拾い】
色褪せた写真
記憶の中では今尚 鮮やかに輝きたりて
誰もに 忘れられた
錐で 穴を開ける
何処にだったろう
こぽり 溢れ出す何か
ソレの名は知らない
手が空を切る
遠い目をした青年の まだ守られるべき背中に
囁く
お題【待ってて】
タイトル【門】