声が枯れるまで
声が枯れるまで貴方に言えば良かった。
声が枯れるまで貴方に歌えばよかった。
声が枯れるまで貴方に伝えればよかった。
声が枯れるまで貴方に謝らなくちゃ。
声が枯れるほど愛してたから。
声が枯れるほど涙が出るの。
声が枯れるまで愛してたから。
声が枯れるまで嗚咽が止まらないの。
この枯れた声が治ってしまえば、きっときっと、
貴方のこと忘れてしまうでしょう。
だから声が枯れるまで叫び続けるの。
声が枯れるまで愛してたから。
始まりはいつも
始まりはいつも雪の日
体も心も冷たくなってしまっていた日、
私の心に温もりをくれたのは君でした。
雪が溶けて、少し寒い風が吹いた日、
薄い上着を貸してくれたのも君でした。
セミが鳴き始める日、
暑いと言う私にアイスを一口くれたのも君でした。
葉っぱが赤く色付く日、
頭についた葉っぱを取ってくれたのも君でした。
体も心も冷たくなるような寒い日、
私の心に有った温もりを奪っていってしまったのは
君でした。
終わりを告げたのも、君でした。
終わりはいつも
秋晴れ
秋晴れ。
心も晴れ晴れ
秋晴れ。
笑顔も晴れ晴れ
秋晴れ。秋晴れ。
鋭い眼差し
冷や汗、どこに目線を向けたらいいのかわからない
目の前に居るのは親。
「黙ってたら何にも分からないよ!」
喋ったら泣いちゃうから喋れないんだよ。
「お母さんが悪かったの???」
違うの、喋れないんだよ!
「何でなんだよ、、、、!!」
お父さん、怖いよ?止めてよ。
仏壇の前で唖然とする夫婦。写真には満面の笑みを浮かべた子どもが写っていた。
鋭い眼差し。涙で前が見えなくてもこれだけは分かった。
全国ニュースにもなるほどの惨い事件。死亡者は子供が一人だけ。だが、死たいが、あまりにも酷かったのだ。
だってしょうがないじゃないか。
あの子供の鋭い眼差し。怖くて仕方がなかった。
涙で見えない視界で、頑張ってあの怖い瞳を壊したんだから。
死刑囚となった加害者は最後こんな言葉を残したそうだ。
怖いよ。止めてよ。見ないでよ。
高く高く
高く高く、ちいちゃいお手手を持ち上げる。
高く高く、ちいちゃいからだを持ち上げる。
高く高く、持ち上げられなくなっちゃって、
いつの日か、遠くに離れて行っちゃった。
高く高く、夢を持つ君は、
高い高い、お空に行っちゃった。
「わたしね、おとうさんみたいになりたいの!!」
舌足らずな言葉、
僕の涙腺を壊すには、十分すぎて。
低い低い、椅子の上で、
高い高い、縄を見上げ、
高く高く、高く高く