今年くらいは
夏らしいことがしたい
去年も一昨年もずっと部活で
アオハルなんてできなかった
だから、高校生なりたての今年こそ
夏休みは海に行ったり
花火見たり
友達と一緒に旅行したりとかやってみたい
まあ
今年も部活だけどね…
三年間のうちにできたらいいなぁー
なんて、もう部活が青春なのかも
早めの電車にのって教室に入る日
だいたいは誰もいないから
少しだけ優越感を噛みしめる
誰もいないということは
この朝日の降り注ぐ
幻想的な空間を独り占めしているのだ
学校という青春の大舞台で
一番教室が綺麗に感じるといっても
過言ではないのだ
おっと、今日も一番乗りだ
さて何をしようかな
どいつもこいつも
みんなみんな 消えてしまえばいい
怒りに任せて言った言葉が
現実になった
だんだんと人が消えていく
私の周りの人が
私に無関心だった家族も
いじめっこだったクラスメイトも
自分のことしか考えてなかった担任も
みんな消えちゃった
大好きだったあの人も
もう隣で冷たくなってるな
あ…そうか
これが私の望んだ世界だったんだ
誰もいない自分の自分だけの世界
こんなにむなしいものだったんだ
そうだまだ終わりじゃない
自分がいるじゃない
これでやっと終わるんだ
じゃあね…
あーも-うるさいな
歌ってるやつ誰だよ
下手くそだな
こっちは疲れてるんだ
はぁ…もう最悪だ
クラスのやつがふざけあってる
こういうノリはわからない
だから馴染めないのだろう
もうやめてくれこっちが恥ずかしい
聞いてられない
周りを見回してみる
みんな腹を抱えて笑ってる
いやいや何がそんなに面白いんだ
あれはジャイ○のリサイタルレベルだろ
本当にしょうもない
まぁほっとくか
しばらくすると
プ○さんの声真似をするやつも
これには思わず笑ってしまった
けっこう似てて草
まあ、こういうのも悪くないか
自然と不快感は消えていた
ちょっとだけ楽しいかも
俺は友達が大嫌い
何かにつけて俺に寄ってくるとこも
ウケをねらってるような動きかたも
曖昧な返事をするとこも
全部嫌い 大嫌いだ
毎日あいつを見てるとイライラする
あー
こんなこと言ってる自分にも腹が立つ
俺、性格悪いな
いつからこんなに嫌いになったんだっけ
どうでもいいけど…
別にあいつは悪いやつじゃない
普通に優しいし
俺のために怒ってくれるようなやつだ
ただ…
俺が受け付けないだけ
俺が悪い
こんなこと言ったらあいつを傷つけるから
俺はこの気持ちを隠し通す
卒業まで
いや 墓場までかもしれない
あいつと付き合っていく限り…
嘘をつき続ける