幼い頃から

雨は空の涙だと思っていた

空にも感情があるのだと思っていた

わたしの頬をつたうのは

わたしの涙

頬を落ちる涙は

雫となり地に落ちるだけ

雨の雫で何度涙をごました

何度洗い流してもらったのか

何でもほしいと言っていた


何でもほしいと思っていた


何も手にしていないと気づいた


今ここにあるものは


本当に必要なものなのか


やはりわたしは過去に生きている


こんなわたしはわたしがきらい


もう何もいらないと言えば


わたしはわたしを好きになれるだろうか

わたしは過去に生きている

後悔をくり返し

出逢った人たちの幸せを願っている

わたしは過去に生きている

未来を想い描けない

それでも

わたしは今を生きている

そして明日を迎える

こころの色を聞かれると

透明かもしれない

こころがきれいだとか

純粋だとか

そうではない

何にも興味を持てなくなった今

何色でもない

子どものように何にでも

目をきらめかせ

正直な感情をもっていた

あの頃

わたしは何色だったのだろうか

花びらが

空を舞う

わたしの心も

少し浮かれている

新しい環境で

新しい出会いに

この一瞬を

一日一時間一分

大切にしたい