人が死ぬ時最後まで残るのは匂いなんだって
さっきまで聞こえてた呼ぶ声も
揺さぶる感覚も、全部無くなって
意識が遠のいたとしても
私の側には貴方がいる
好きだったその香水と
私と一緒の柔軟剤
『嗅覚』
言葉はすぐに偽るから
感情はすぐに裏切るから
行動はすぐに本性が出るから
私とあの子は違うんだから
信頼なんてくだらないよ
必ず裏切りが起こるんだ
つくづく思うよ
馬鹿馬鹿しいと
言葉なんて聞かないよ
耳を塞いでいたいよ
言葉なんていらないよ
ただ一人でいさせてよ
そんな中でも言葉紡ぐ
私が一番馬鹿馬鹿しいと
『言』
寂れた扉を叩く音がした
外は白く明るく動いていて
誰かが僕を呼んでいた
多分、そう多分。
寂れた扉は棘だらけ
寂しい僕は穴だらけ
寂れた扉は開かないし
寂しい僕は空っぽで
君がくれるその光も
溢れて落ちていっちゃうよ
ありがとう僕を見つけてくれて
でもごめんね、僕と君は違うから
光と闇じゃきっと、きっと、
闇が光を飲み込んじゃうから
光まで、奪ってしまいそうだから
次の日も扉を叩く音がした
君は今日も明るく呼んでいて
今日はちょっと扉が開いて
君が、こっちを見た。
だめだよ、こっちに来ちゃだめだ
君まで闇になってしまうじゃない
光と闇じゃきっと、きっと、
君は僕に勝てないんだから
君のこと、ダメにしてしまいそうだから
それでもずっとそこで君が笑うから
つられて僕も笑っちゃうの
君が僕を照らすから
僕まで明るくなるんだよ
だから、どうか、このままずっと、
ずっと、僕を、照らしていてね
闇なんて無くなってしまうまで
光が差す、闇を刺して
ありがとう僕を連れて行ってくれて
ごめんね、よりもありがとうを
光は扉をずっと、ずっと、
叩いて、会いに来てくれたから
ありがとう僕に光をくれて
ごめんね、はもう言わないよ
光は僕をずっと、ずっと、
僕のこと、照らし続けてくれたから
僕に光を、見せてくれたから
『闇にさよなら、光の訪問』
君の雨が止まないのなら
一緒にレインコート着てお洒落でもして
雨の中を君と一緒に
ちょっと立ち止まってみたりしちゃってさ
止んでは降って繰り返して
歩いて止まって繰り返して
雨の気が済むまではこうして
一緒にゆっくり楽しんでみよう
『レインコート』
おはよう、今日の天気は晴れ
おやすみ、朝日に手を振って
誰かの朝は誰かの夜
ここにいない誰かへ、おはよう
そして私へ、おやすみなさい
『あいさつの日記』