松梨

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寂れた扉を叩く音がした
外は白く明るく動いていて
誰かが僕を呼んでいた
多分、そう多分。

寂れた扉は棘だらけ
寂しい僕は穴だらけ
寂れた扉は開かないし
寂しい僕は空っぽで
君がくれるその光も
溢れて落ちていっちゃうよ

ありがとう僕を見つけてくれて
でもごめんね、僕と君は違うから
光と闇じゃきっと、きっと、
闇が光を飲み込んじゃうから
光まで、奪ってしまいそうだから

次の日も扉を叩く音がした
君は今日も明るく呼んでいて
今日はちょっと扉が開いて
君が、こっちを見た。

だめだよ、こっちに来ちゃだめだ
君まで闇になってしまうじゃない
光と闇じゃきっと、きっと、
君は僕に勝てないんだから
君のこと、ダメにしてしまいそうだから

それでもずっとそこで君が笑うから
つられて僕も笑っちゃうの
君が僕を照らすから
僕まで明るくなるんだよ
だから、どうか、このままずっと、
ずっと、僕を、照らしていてね
闇なんて無くなってしまうまで
光が差す、闇を刺して

ありがとう僕を連れて行ってくれて
ごめんね、よりもありがとうを
光は扉をずっと、ずっと、
叩いて、会いに来てくれたから
ありがとう僕に光をくれて
ごめんね、はもう言わないよ
光は僕をずっと、ずっと、
僕のこと、照らし続けてくれたから
僕に光を、見せてくれたから

『闇にさよなら、光の訪問』

8/28/2024, 10:48:50 AM