NoName

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7/7/2024, 10:20:00 AM

七夕




毎日誰かの誕生日だけど

今日はあの子の誕生日だ

もう顔も名前も覚えていないのに

覚えているのは七夕だったせいだろうか

かろうじて旧姓は覚えている

私たちのクラスには名字がかわる子が

本当にたくさんいたから困っちゃうね

自分の記憶力が少し気持ち悪いけど

君が今年も楽しく過ごせるよう願ってる

7/6/2024, 11:55:04 AM

友だちの思い出



数人で遊びにでかけたあと

自分自身の映りの良さだけで

SNSにあげる写真を選ぶ人も多いけど

人の可愛い瞬間を逃さなかったり

おんなじテンションで撮れたものを大切にしたり

一緒にいることを楽しんでくれたんだなと

嬉しくなるくらい伝えてくれる

そんなあの子に出会えて本当に幸せだと思う

私は何ができるかな

7/5/2024, 12:03:20 PM

星空


天文学に興味を持てない理由ははっきりしている。

空に現れる不思議で綺麗なものたちは

何度も私の両親をさらっていく憎い奴らだ。

母親は、空を見るのが好きだった。

いつもと違う景色が見えると少女のように喜ぶ。

料理の途中にも関わらず

窓の外に虹を見つけては家を飛び出し

キャンプに行けば星空を指差し

酔っぱらいのようにフラフラとどこかに消える。

父親はそんな母が大好きで嬉しそうについていく。

吹きこぼれそうになった鍋の火を止めるのも

両親を探してぐずる弟をなだめるのも

もうたくさんだ。

天文学の範囲は狭いから諦めて

三学期巻き返そうと思う。


7/4/2024, 10:24:31 AM

神様だけが知っている



今年も七夕の短冊に

たくさんの願いが書かれていく

痩せますように

太りますように

会社が大きくなりますように

会社を辞められますように

長生きできますように

早く死にたい


ちっぽけな人間たちの

小さなお願い事をつまみにして

神様はお酒でも飲んでいるかもしれない

かわいい奴らめと微笑んでくれたら

もうちょっと頑張れる気がする


7/3/2024, 10:31:04 AM

この道の先に



この道の先に一体何があるというのか

褒美も誇りもなく

ただ飯を食うためだけに

山道を進んでいるのが馬鹿らしくて

よそ見をしていたら崖から落ちてしまった

谷底の道は平坦で山道より歩きやすいが

日が差し込まないので実りもなく退屈だ

山道に戻るよりもっと難しいけれど

私は原っぱに行きたいなあ

苦労するのが後か先か

きっとそれだけなんだ





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