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星空


天文学に興味を持てない理由ははっきりしている。

空に現れる不思議で綺麗なものたちは

何度も私の両親をさらっていく憎い奴らだ。

母親は、空を見るのが好きだった。

いつもと違う景色が見えると少女のように喜ぶ。

料理の途中にも関わらず

窓の外に虹を見つけては家を飛び出し

キャンプに行けば星空を指差し

酔っぱらいのようにフラフラとどこかに消える。

父親はそんな母が大好きで嬉しそうについていく。

吹きこぼれそうになった鍋の火を止めるのも

両親を探してぐずる弟をなだめるのも

もうたくさんだ。

天文学の範囲は狭いから諦めて

三学期巻き返そうと思う。


7/5/2024, 12:03:20 PM