半袖
あの建物から出てくる大人たちは、
一年中長袖しか着ない。
学校とやらで運動をするとき、
男の子はせっかく半袖を着ても
袖をまくりあげて肩をだしてしまう。
そっちの彼女は絶対に腕を出そうとしない。
あっちの彼女はすこし暑くなると袖無しだ。
半袖は怒っていた。
自分の出番が少ないと。
もっと俺たちを着てくれよ。
天国と地獄
最近、運動会で勝負をさせない学校が増えてるみたいですね。
そうみたいですね。
どうなんでしょうね。
かけっこもみんなでゴールしたりするんでしょう。
そしたら音楽も変えたほうがいいですよね。
あの、なんでしたっけ、そう、天国と地獄。
あんな心臓バクバクするのではなくて、もっと楽しい曲が似合いそうですね。
そしたら、かけっこじゃなくて、みんなでスキップをする会にしてしまうっていうのは、どうでしょう。
いいですね。そうですよね。
みんなでゴールするとか、中途半端なことをせずに、いっそのこと、競争になり得ない運動ばかりやればいいんですね。
月に願いを
彼は満月が近づくと人が変わる。
まるで狼男のように気性が荒くなる。
はじめは何かの冗談かと思った。
普段から少しおかしなことを言う人だったから。
外面の良い彼は、外では決してそれを見せない。
そのため、人に相談することもできない。
こんな話を誰が信じるというのか。
正気に戻ろうと自分で自分の頬を叩いたりする。
それがまた気味が悪いのだ。
お願い、お月さま。
どうか、三日月のままでいてください。
降り止まない雨
地球温暖化はどんどん進んだ。
ある地域では砂漠が広がり、
また別のところでは雨が降り続いた。
陸地に暮らしていた生き物は数を減らしていった。
逆に海は広がり繁栄していった。
人間はその脳ミソを使って生き残ろうとしたが
ついに変化に適応することはできなかった。
人間たちは以前、この世は自分達のものだと信じて疑わなかったが、それは幻想であったと思い知っただろう。
次はタコだ。
彼らはもう少しうまくやるだろう。
楽しみだ。
学生の頃に、この歌をよく聴いてました。
ピアノ教室へ自転車に乗って向かってるとき、口ずさんだのを覚えています。
あの頃は本当に何にも考えずに過ごしていたような気がするのですが、この歌の歌詞を気に入っていたということは、未来に希望を持ちたくなるような、何かを抱えていたのかもしれません。
この歌のように、過去の自分へ伝えたいことは山ほどあります。
でも、未来に手紙は書けても、過去に書くことはできないじゃないですか。
久しぶりに聴いたときに思ったんです。
これは過去の自分だけじゃなくて、今の自分自身にも言い聞かせているんだなと。
私たちもまだまだこれからですね。
[あの頃の私へ]