11/3/2023, 1:53:07 PM
朝 歯を磨きながら考えた。
ふと鏡の中の自分はどんな世界に住むのだろうと
鏡の前の自分に笑ってみた。
同じように鏡も笑う。
右手を上げれば鏡は左手を上げる。
ふと思う。
もしかすると、眼の前の鏡はなりたいワタシなのかもと。
かつてお花屋さんになりたかった小さな少女は、20代の普通のOLになってしまったけれど、鏡の中の貴女の夢は叶ってくれれば良いなと、そう思った。
「……ってなに言ってんだか」
アホらしい、頭を振って
口をゆすいで身支度をしようと後ろを向くと。
「行ってらっしゃい」
と声が聴こえた。
一瞬、ドキッと心臓が跳ね
まって怖っ心霊現象じゃんと思ったけれど
ワタシは後ろを振り向いて同居人
……もう一人のワタシへ返事を返す。
「行ってきます」