一香

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9/27/2023, 1:30:59 PM

「通り雨」

晴れ間から
生温い雨粒

どこからか聞こえてくる

カランッコロンッ
カランッコロンッ

目を見張るほどの
美しい行列
厳粛に行われる
密かな習わし

雨が上がるとともに
まるで儚い夢のように消えていく
幻か

私は見てはいけないものを見てしまったのか
ひんやりとした風が頬を撫でていった

9/26/2023, 10:45:13 AM

「秋」

小さい秋みつけた

落ち葉の下に

本の虫

そっと指でつかみ

慎重にページをめくる

そこにはめくるめく世界が待ち受けている

9/25/2023, 10:53:52 AM

「窓から見える景色」

今宵は満月
くるべき夜を告げていた
名残惜しいが
己の住処へと還る刻が来た
決して振り向くな
前だけを見ろ
目映い光の中へ
いざ参ろう

9/24/2023, 2:04:38 PM

「形の無いもの」

私の中に1本の樹が伸びている
一粒実が落ちた
熟れていない実
樹は朽ち果てる

私の中に1本の樹が伸びている
触れることはできない
私が育てた幻の樹
いつか熟した実を
あなたに食してほしい

9/24/2023, 12:28:15 AM

「ジャングルジム」

子供であり少女であり女であった

そこに今も在る

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